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すりおろすとねばねばした食感のとろろになる長いも。栄養素もさることながら、なんといっても加熱せずとも食べられる手軽さが魅力です。そんな長いもの魅力を管理栄養士が解説します。
長いもは暑い夏にとろろとして、冷やしてさっぱりと味わうことが多いため、夏のスタミナ食材のイメージがある人もいるのではないでしょうか?そんな長いもですが、実は11月から1月頃の冬と、春掘りのものが出回る3月から4月頃が旬。年に2回の収穫期に獲ったものが貯蔵され、年間を通して流通しています。
ねばねばする「いも」には長いもや大和いもなど色々な種類があり、全てヤマノイモ科ヤマノイモ属に属する品種違いのいもです。
長いもは名前の通り長い形状をしていて、ねばりは少なめ。切るとシャキシャキした食感なのが特徴のため、サラダなどにむいています。
一方、大和いもは平たい形状のものが多く、すりおろすとねっとりと粘りがあります。すりおろして出汁でのばし、とろろとして味わうのがおすすめ。すりおろす際にはすり鉢か、なるべく目の細かいおろし金ですりおろすと、おいしいとろろに仕上がります。
さてここからは長いもが本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
長いもの中で特記するべき栄養素はアミラーゼ。アミラーゼは消化酵素の一種で、でんぷんの消化を助ける働きをします。
年末年始など暴飲暴食が続く時期は、胃腸が疲れがち。そんな時こそ長いもがおすすめです。ただしアミラーゼは加熱すると壊れてしまう栄養素のため、効果を期待するのであれば生で食べましょう。
そのほか、食後の血糖値上昇を穏やかにしたり、善玉菌を増やして腸内環境を整えたりする効果のある、水溶性食物繊維も含まれています。またカロリーが高いイメージのいも類ですが、長いもはカロリーが低めなのも嬉しいポイント。ダイエット中の人や成人病が気になる人にも、ぜひとも食べてもらいたい野菜です。
じゃがいも、さつまいもなど、いも類は加熱して食べるのが常識。これはいも類に含まれるでんぶんは消化されにくい物質のため、加熱して消化しやすい状態にする必要があるからです。
ですが、長いもや大和いもなどのヤマノイモ科のいも類は生食ができます。その理由はさきほど栄養素の中で紹介した、消化酵素のアミラーゼが多く含まれているから。主成分であるデンプンをアミラーゼが分解してくれるのです。
生のまません切りにすればシャキシャキ、すりおろせばとろーり。また、焼いてステーキにすればホクホク、すりおろして加熱するともっちり……と、調理方法によってさまざまな食感が楽しめるのが長いもの最大の魅力です。
最後は長いもを使ったレシピを紹介。長いものシャキシャキ感がたまらない肉巻きのレシピは、夕ごはんはもちろん、お弁当のおかずにもおすすめです。
豚ロースしゃぶしゃぶ用肉 16枚 / 長いも 6cm / 焼肉のタレ 大さじ2 / サラダ油 小さじ2
1. 長いもは1.5cm角の拍子木切りにし、水に5分さらす。豚肉を重なるように2枚並べ、ペーパータオルで水気を拭き取った長いもを手前において巻く。
2. フライパンにサラダ油を引いて中火で熱し、1を並べて全面に焼き色がつくまで焼いたら、焼肉のタレを入れて全体に絡める。
いろいろな食べ方で楽しめる長いも。ぜひレシピに取り入れてみてくださいね。