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定食店などでも人気の塩サバ。生サバと塩サバの違いや栄養を紹介しつつ、塩サバのおいしいだけじゃない買うべき理由を管理栄養士が解説します。
日本人に馴染みの深い魚、サバ。魚売り場には生サバと塩サバが販売されていますよね。この違い、はっきりわかりますか?
生サバはその名の通り水揚げしたサバをそのままさばいたもの。一方、塩サバは水揚げ後、塩水に漬けた後干したものいいます。
生サバがふっくらした肉質なのに対して、塩サバは水分が抜けている分うまみがギュッと凝縮されているのが特徴。塩サバを含む背中が青い魚(青魚)には、人間が体内で生成できない必須脂肪酸のDHAやEPAが豊富に含まれています。DHAは頭が良くなる栄養素ともいわれ、脳細胞を活性化するとされています。またEPAは血液をサラサラにする効果があることから生活習慣病予防に効果が期待できます。
さてここからは塩サバが本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
スーパーでサバの価格を見てみると、多くの場合は生サバよりも塩サバの方が安価で販売されています。「どうして、加工の手間がかかる塩サバの方が生サバよりも安価なんだろう?」そんな風に疑問を持つ人もいるかもしれません。
この理由はいくつか考えられます。サバをはじめとする青魚は非常に傷みやすい魚のため、鮮度が命。生では早く消費者に届けるために流通にもコストがかかります。一方、塩サバは水揚げ後に塩をして干す手間を加えることで保存性が高まり、流通コストが抑えられるのです。
また塩サバは旬の時期に水揚げされ、加工された後に冷凍されるため、価格の変動がなく安定していることも理由の一つ。安価な塩サバは、節約したいけど栄養もしっかり摂りたい時に、ぜひとも食卓に取り入れたいですね。
体に良いのはわかってるけど、サバのにおいが苦手という人もいますよね。青魚は魚特有のくさみがあるため、加熱前に塩を振り、余分な水分とともにくさみをとるといった下処理をしてから調理します。
しかし、塩サバは生のサバを既に塩水に漬け水分を抜いているため、生の魚で必要となる下処理は必要ないのです。このひと手間がないだけでも、夕飯作りの時短になります。
塩サバというとそのまま焼いて食べるのが一般的かもしれませんが、焼く以外にも色んな料理に使えます。塩で下味はついているので、片栗粉をつけて揚げれば竜田揚げ風に、また小麦粉をつけて焼いてマリネ液につければおしゃれなマリネになります。
その他にもトマトソースで煮たり、皮目をパリッと焼いてパスタの具にしたりと、下味がしっかりついている分、実はとても使い勝手のいい魚なのです。
最後は塩サバを使ったおすすめのレシピを紹介します。にんにくの香りが食欲をそそる塩サバのペペロンチーノは、簡単に作れるので休日のランチなどにもピッタリです。
塩サバ切り身 1枚 / 長ねぎ 1/2本 / スパゲティ 160g / にんにく 1片 / 赤唐辛子 1/2本 / 塩・こしょう 少々 / オリーブオイル 大さじ2
1. 長ねぎは斜めに切る。にんにくはみじん切りにする。赤唐辛子は種を取り除いて輪切りにする。塩サバは1.5cm幅に切る。
2. 大きめの鍋に2リットルの湯を沸かし、塩大さじ1(分量外)を入れてスパゲティを規定時間より1分短く茹でる。
3. フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れて弱火にかける。にんにくのいい香りがしてきたら、塩サバを皮を下にして入れる。皮がパリッと良い焼き色になるまで焼き、裏面も同様に焼いたら一旦皿に取り出す。
4. フライパンに長ねぎを入れ、しんなりするまで炒める。スパゲティの茹で汁(100ml)と、茹で上がったスパゲティを加えて全体を炒め合わせる。塩サバを加え、塩・こしょうで味を整える。
安価で栄養があって使い勝手の良い塩サバ。ぜひ食卓に上手に取り入れてみてくださいね。