家庭料理の定番の煮物といえば、やっぱり肉じゃが。しかし「上手にできない」「煮物は難しそうであまり作らない」という声も最近よく聞きます。今回は、シンプルな調味料で作る肉じゃがのレシピとともに、煮物のコツを紹介します。


おいしい肉じゃがのコツ

肉じゃがの魅力といえばホクホクとしたじゃがいもや、肉・玉ねぎのうま味が感じられる甘辛いつゆ。じゃがいもは長時間煮ると煮崩れてドロドロに溶けてしまうので、短時間で具材に火を通し、煮汁を煮詰めて素材のおいしさを絡めましょう。おいしい肉じゃがを作るコツは次の5つです!

【1】具材の切り方を丁寧に!



どんな煮物を作る時にも食材の切り方は大事なポイント。切り方で火の通り方や味のしみ方が変わります。また一緒にあわせる材料と、食べたときに味や食感のバランスがとれるように切るのも大切です。

肉じゃがの場合、じゃがいも一つひとつの大きさがバラバラだと、火が通りきっていなかったり煮崩れてしまったりと、一つの鍋にいろいろな状態のじゃがいもが混在することに……。そんな失敗をしないよう、同じ大きさに切りそろえましょう。また、人参はじゃがいもより味がしみにくいので小さめに切りましょう。

他の煮物の場合でも、長時間煮込むような料理では材料の持ち味を引き出すために大振りに切ったりする他、歯ざわりや色・香りなどをいかすよう、すぐに火が通る千切りやささがきにするなどの切り方が。煮方にあった切り方を選ぶことが重要です。

【2】適度な大きさの鍋を選ぶ

材料の量にあった大きさの鍋を使うことは、煮物を作る上でとても重要です。鍋が大きすぎると煮汁の蒸発が早く、具材が煮えないうちに煮汁が無くなってしまいます。小さすぎると煮汁が均等に回らず、火や味の通り方にムラができたり、重なった材料の重みで形が崩れることも。肉じゃがは中深鍋を使い、具材の量は鍋の深さの1/2程度を目安にして入れましょう。

【3】野菜を最初に炒める



最初に少量の油で野菜を炒めると煮崩れにくくなり、うま味が加わって香ばしい風味もプラスされます。ただし、油で表面がコーティングされると味がしみこみにくくなるので、調理の仕上げには煮汁を絡めるように煮てください。

【4】落し蓋を使って煮る



肉じゃがのように煮崩れしやすく、また最終的に煮汁を煮詰めていく煮物は、煮汁の量が多すぎると失敗しがち。適度な量の煮汁で煮ましょう。煮汁を全体に行き渡らせるには、落し蓋をうまく活用するのがポイント。落し蓋をすることで、煮立った煮汁が落し蓋の面まで上がり、少ない煮汁でも全体に行き渡ります。

【5】煮汁を煮詰める



落し蓋を使って具材に火を通し味を含ませるように煮たら、落し蓋を外して煮汁を煮つめます。素材のうま味が溶け出した煮汁を適度な濃さまで煮つめて具材に絡めることで、作りたてでもおいしく食べられます。またそのままゆっくりと冷ませば、さらに味がしみていきますよ。

肉じゃがの作り方



以上の5つのコツを踏まえ、実際に肉じゃがを作ってみましょう。煮物のおいしさのポイントは「具材に煮汁のおいしさがしみ込んでいる」こと。野菜の煮物などでは出汁を使うことが多いですが、今回ご紹介する肉じゃがは出汁いらず。じゃがいも・玉ねぎ・牛肉と、うま味の強い素材を使っているので出汁を入れなくてもおいしく仕上がります。

今回は玉ねぎから出る甘みを利用して、砂糖・みりんなども使いません。調味料はしょうゆだけと、とってもシンプルなレシピです。

まずは素材の味をいかしたシンプルな作り方を覚えて、各家庭の好みの味にアレンジしてみてくださいね!

材料(2〜3人分)

じゃがいも 3個(約300g) / 人参 1/3本(約50g) / 玉ねぎ(小) 1個(約150g) / 牛肉 100g / 白滝 1/2パック(約100g) / 水 200ml / しょうゆ 大さじ2 / サラダ油 小さじ1

作り方

1. じゃがいもは大きさが均等になるよう、6〜8つ切りにする。人参はじゃがいもより小さめの乱切りにする。玉ねぎは1.5cm程度の太さのくし形切りにし、牛肉は大きければ一口大にきる。白滝は食べやすい長さに切り、茹でてアク抜きをする。



2. 鍋にサラダ油を熱し、野菜を入れて弱めの中火で炒める。全体に油がまわり具材から少し水分が出る程度まで炒めたら、水を加える。



3. 煮立ったら牛肉を広げながら加え、再沸騰したらアクをとる。白滝としょうゆを入れたら落し蓋をして、煮汁がふつふつと煮立つくらいの弱火で具材が柔らかくなるまで10分程度煮る。



4. 落し蓋を外し、中火で煮汁を煮詰めるように3〜5分程度煮る。途中1〜2回全体を大きく混ぜる。味見をして、味のしみ込みが足りないようであればさらに煮詰めるか、しょうゆ(分量外)を加えて味を調える。



なお、もっと甘みが欲しければみりんを大さじ1〜2ほど加えても良いでしょう。牛肉を豚肉に変えたり、煮汁の煮詰め加減を調整したりと、5つのコツをおさえながら肉じゃがの作り方をマスターしてくださいね!


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 おいしい肉じゃがを作る5つのコツとは?基本のレシピもあわせて紹介