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年中手に入り、いろいろな料理に欠かせない玉ねぎ。使い勝手が良い野菜であるものの、玉ねぎを包丁で切る際に「涙が止まらない! 」なんて経験は誰もがあるのではないでしょうか。涙が出る理由と、調理中に泣かない方法を管理栄養士が解説します。
玉ねぎを切ると、切り口の細胞が壊れてそこからが揮発性の成分が出てきます。この揮発性の成分が催涙性を持っており、目や鼻の粘膜を刺激することで、涙が出てしまうのです。同成分は、玉ねぎの中に含まれる化合物が酵素の力によって分解されることによって発生します。
そのため、玉ねぎを切った時に涙が出るのを防ぐには、
などが有効だと考えられます。
冷やすことで酵素の働きが弱まり、催涙成分が発生しにくくなります。切る直前まで冷蔵庫で冷やしておけば、涙も出にくくなるでしょう。
[1]とは全く逆ですが、加熱して酵素の活力が弱まれば催涙成分は発生しません。生で食べる料理でなければ、電子レンジで丸ごと加熱することも効果的でしょう。
催涙成分は水に溶けやすい性質を持ちます。半分か四つ割程度に切った玉ねぎを水に浸けておくことでも涙防止に効果があるでしょう。しかし長く浸けていると、玉ねぎの持つその他の栄養成分まで流れ出てしまうので注意が必要です。
切れ味の悪い包丁で玉ねぎを切ると、細胞を押しつぶすような切り口になり、催涙成分が多く出てきます。切れ味の良い包丁でスパッと切ることで、催涙成分が飛びにくくなり、涙防止になります。
玉ねぎを切る際には換気扇を回す、窓を開けるなど、換気をよくして揮発性である催涙成分を逃がすことも、多少ではありますが効果があるでしょう。
催涙成分は切り口から出てくるので、みじん切りの様に切断面が多ければ多いほど出やすくなります。また繊維に沿って切った方が細胞の破壊が少ないため、催涙成分の飛び方も少なくなってくると考えられます。繊維と垂直に包丁を入れるか並行に入れるかで食感も変わるので、涙防止や食感について考えたうえで切るようにするといいですよ。
「いつも玉ねぎに泣かされる! 」という人はぜひ試してみてくださいね。