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私たちの食生活に欠かせない主食となっているパンやうどん、ラーメン。これらの原料は小麦粉ですね。小麦粉は主食として以外に、お菓子や料理をする際にもなくてはならない存在です。今回はそんな小麦粉について解説します。
小麦粉のもととなるのは、いうまでもなく小麦。近年では日本国内でも小麦の栽培がなされていますが、国内で消費している小麦粉の9割は、アメリカやカナダから輸入された小麦から作られているといいます。政府が小麦の状態で海外から買いつけをし、製粉会社で加工され、小麦粉として市場に流通します。加工時は、小麦の固い表皮をむいた後、胚芽を取り除いた胚乳の部分を細かく挽くという流れによって小麦粉が作られます。
ニュースで「小麦の価格引き上げにより、小麦粉や小麦製品(パスタやラーメンなど)の価格の値上げがされる」と見聞きしたことはありませんか。小麦の価格は天候などによる小麦の国際相場、為替相場、輸入にかかるコストなどを反映して、年に2回、政府が価格の改定を行います。それにより各製粉会社や、小麦粉を使った食品を生産する食品メーカーが値上げ、値下げなどに踏切り、私たち消費者にも影響が及ぶというわけです。
小麦粉の主な栄養素は糖質(でんぷん)とたんぱく質。私たちが生きていくためのエネルギー源として欠かせない栄養素である糖質・たんぱくを含むことから、小麦を主食としている国は世界にも数多くあります。
さて小麦粉に関する基礎知識がわかってきたところで、もう少し深く小麦粉について掘り下げてみましょう。
ひと言で小麦粉といっても、「強力粉」「中力粉」「薄力粉」「全粒粉」など様々な種類の小麦粉が売られています。この違いについて、あなたは説明できますか。
強力粉と中力粉、薄力粉の違いは、簡単に説明すると「水を加えたときの弾力性の違い」です。小麦は品種や育つ土壌の違いなどにより、たんぱく質(グリテニンとグリアジン)の量に違いがあります。このたんぱく質の量によって、水を加えたときの弾力性が異ってきます。
小麦粉の中でも、最もたんぱく質の量が多い品種の小麦を挽いた小麦粉が強力粉。たんぱく質の量が多いと水を加えたときに粘りと弾力性が出るため、主にもちもちとした食感がおいしさの決め手となるようなパン作りに使用されます。
たんぱく質の量が強力粉よりも少なく、薄力粉よりも多い小麦を挽いたものが中力粉。日本では主にうどんを作るのに使われています。
たんぱく質の量が少ない小麦を挽いた粉が薄力粉です。多くの人にとって「小麦粉」といえば薄力粉が最もポピュラー。フライの衣やハンバーグのつなぎ、料理にとろみをつける時などに幅広く使われています。また粘りや弾力性がない特性から、クッキーやケーキなどお菓子を作る際にも適しています。
料理の際、これらの小麦粉を代用するのは基本的に不可です。薄力粉でパンを作ってもグルテンが弱いため上手に膨らみませんし、強力粉で天ぷらやケーキを作ると粘りが出てしまい軽い仕上がりになりません。大きく「小麦粉」だからといって使用するのは控えましょう。
ちなみに最近パンやクッキーなどの材料として見かける「全粒粉」(=グラハム粉)という茶色い粉は、小麦の表皮や胚芽を取り除かずにそのまま挽いたもの。ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富に含まれていることから、白い小麦粉よりもヘルシーといわれています。同じ様に茶色の粉でも「ライ麦粉」は、小麦ではなくライ麦を挽いた粉です。
私たちの身近な食材である小麦粉。いつも何気なく使っていますが、それぞれの特徴を知って使い分けることで、料理やパン、お菓子の仕上がりにも違いが出てくるかもしれませんね。