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「サンライズ」という列車をご存じでしょうか。いまや日本で唯一の寝台特急です。座席の代わりに個室ベッドルームがあり、座席に比べると割高ですが、実は航空運賃と比較するとほぼ同じか少し安いのです。寝ている間に目的地に到着して時間を有効活用でき、実はおトクな移動手段となります。
「サンライズ」の運行系統は2つ。東京~出雲市(島根県)間の「サンライズ出雲」と、東京~高松(香川県)間の「サンライズ瀬戸」です。サンライズ出雲なら、出雲大社観光に便利ですね。
2つの列車は東京~岡山間を連結して走り、「サンライズ出雲」は岡山~出雲市間、「サンライズ瀬戸」は岡山~高松間を走ります。下り列車の場合、東京発は22時ちょうど。岡山到着は6時27分、出雲市到着は9時58分、高松到着は8時52分です。上り列車は出雲市発18時51分、高松発21時26分、東京着は7時8分です。23区内在住のファミリーなら、旅先から帰ってきて、子どもを登校させたり、保育園に預けたりするなどして出勤することも可能な時間帯となります。
「サンライズ」は一部を除いて個室です。1人用個室「ソロ」、ちょっと広めの1人用個室「シングル」、大型デスクを備えた個室「シングルデラックス」、二段ベッドタイプの個室「シングルツイン」、ツインベッドルームの「サンライズツイン」があります。また、個室ではありませんが、カーペット敷きで横になれる指定席「ノビノビ座席」があります。
このうち「ソロ」は寝台幅の最大部が700mm、最少部は560mmです。こちらの親子利用は、スペース的に厳しいかもしれません。「シングル」は寝台幅の最大部が700mm、最少部は600mmです。小学生低学年まででしたらなんとか親子同室で寝られる広さです。「シングルデラックス」は寝台幅850mmで余裕があります。シングルツインは補助ベッドを使って2名で利用できます。サンライズツインは2ベッドルームとなります。
JRグループの規定では、1つの寝台は「大人1人」だけではなく、「大人1人と子ども1人」「子ども2人」での利用も可能です。1人用の個室寝台を親子で使えるというわけです。ただし、寝台券の他、それぞれ人数分の乗車券と特急券が必要です。個室のメリットは、気兼ねなくオムツ替えや授乳、会話ができること。ただし、壁はホテルより薄いので、大声を出してはいけません。
ちなみに、東京~出雲市でシングル1室を親1人と小学低学年の子どもで利用するとき。運賃+料金総額は、3万400円です。航空運賃と比較してみると、東京(羽田空港)~出雲(出雲縁結び空港)の正規運賃は大人3万2,300円、子ども1万6,150円で、合計4万8,450円となります。正規運賃の比較では、「サンライズ出雲」のほうが1万8,050円も安くなります。
ただし、航空運賃は早期割引があるので、早めに手配できれば半額以下になる場合もあるため、運賃の格差は逆転します。ちなみに、寝台特急「サンライズ」で1つの寝台を親子利用する場合、幼児は運賃料金が不要です。きっぷを手配する時期と子どもの年齢に合わせて検討しましょう。
子どもが静かにしていられる年齢なら、個室ではく「ノビノビ座席」の利用も検討してみましょう。「ノビノビ座席」は仕切りのないカーペット区画です。寝台ではなく座席扱いのため、寝台料金は不要です。1区画の幅は820mmで、「ソロ」「シングル」より広くなっています。筆者が「ノビノビ座席」を利用したときは、隣をファミリーパパとママが利用していて、小学校低学年の子どもを挟んで川の字で寝転んでいました。固いカーペットですがヨガ用シートを敷くなど工夫されていて、旅慣れたご家族のようでした。
東京から山陰、四国方面へ行く場合、マイカー移動ではドライバーにかなりの負担が。飛行機は早割にならないと高くつきます。そんなときは「サンライズ」もご検討ください。もっとも「サンライズ」も人気列車なので、旅行シーズンは早めにご手配を。販売開始は乗車日の1カ月前の10時からです。