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「コンソメの素を使って料理をしようと思っていたのに、家になかった! 」。そんな時、あなたならどうしますか。他のだし系調味料や家にある食材で、コンソメの素を代用する方法を、管理栄養士が解説します。
コンソメと聞くと「洋風のだし」と思う人もいるかも知れませんが、実はコンソメは「だし」ではなくフランス料理の「スープ」のこと。肉や魚と香味野菜からとっただし(フランス料理でいうブイヨン)に、肉や野菜、調味料を入れて作った琥珀(こはく)色のスープがコンソメなのです。
そのため「コンソメの素」を料理のだしとして使う場合も多いですが、湯で溶かしてそのままスープとして飲むことも可能です。
代用方法を探すためには、コンソメの素の成分について確認・理解することが大切です。商品パッケージ(※今回は大手調味料メーカーの固形コンソメ商品)を確認すると、成分は以下の内容となっていました。
食塩、乳糖、砂糖、食用油脂、野菜エキス、香辛料、酵母エキス、しょうゆ、ビーフエキス、チキンエキス、果糖、酵母エキス発酵調味料、調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、酸味料、(小麦を原材料の一部に含む)
ここから、代用する場合の味のポイントは、以下だとわかります。
今回は他のだし系調味料や家にありそうな食材で代用する方法を紹介します。「鶏ガラスープの素」「和風だしの素」「ベーコンと香味野菜」の3種類がメインの代用食材です。
※コンソメの素で作っただしには水300mlに対し1個の固形コンソメを入れたもの(メーカーの規定通り)を基本とし、その味わいをベースに代用手段を紹介。
鶏ガラスープの素(大手調味料メーカーの商品を使用)の成分を見てみると以下の内容となっていました。
食塩、デキストリン、チキンエキス、鶏油、野菜エキス、こしょう、たん白加水分解物、酵母エキス、調味料(アミノ酸等)、ph調整剤、乳化剤
コンソメの素にあって、鶏ガラスープの素にない成分は、「香辛料・ハーブ類による香り」。また鶏ガラスープの素を規定の湯量で溶いて味見をすると、「調味料による味つけ」も弱いように感じます。
このことから、鶏ガラスープの素を利用して代用する場合は、以下の内容を揃えるようにしましょう。
これらを合わせて煮ればOK。元々の成分が近いこともあるため見た目も味も近いものとなり、とても手軽な代用法です。
続いて、普段は和食で活躍する和風だしの素をベースにした代用方法を紹介します。大手調味料メーカーの和風だしの素の成分を確認すると、以下の内容に。
食塩、砂糖類(砂糖、乳糖)、風味原料(かつおぶし粉末、かつおエキス)、酵母エキス、小麦たん白発酵調味料、酵母エキス発酵調味料、調味料(アミノ酸等)
コンソメの素に含まれているのに和風だしの素にはないという成分が多く、規定の湯量で溶いた時の味もコンソメとはかなり遠く感じます。
そこで「野菜のうま味」「肉のうま味」「香辛料・ハーブ類による香り」の3つをしっかりめに補足してあげると良いでしょう。またコンソメに比べると味も薄いので、「調味料による味付け」も補います。
Aを5分ほど煮出した後で、醤油と胡椒で味を調えましょう。
カツオの香りが少々気になりますが、和風だしのうま味に野菜や肉のうま味、ハーブや香辛料の香りを補うことで近い味わいになります。「コンソメも鶏ガラスープの素も無い! 」という時におすすめです。
最後はだしの素も使わず家庭にある食材を利用する方法です。コンソメの素を使うより手間はかかってしまいますが、この方法でもおいしいスープを作ることができます。
1. 玉ねぎは半分に切って厚さ1cmにスライス、にんじんは厚さ5mmの薄切り、ベーコンは2cm幅の細切りにする。
2. 水を鍋に入れ、1とセロリ、ローリエを入れて中火にかける。沸騰したらお玉などでアクを除き、弱火にして10分ほど煮る。醤油、塩、胡椒で味をととのえる。
なお、今回の3つの代用方法では「香辛料・ハーブ類による香り」としてローリエを使用していますが、家庭にない場合は、乾燥パセリや乾燥バジル、ハーブ塩などの家庭にあるハーブ類を加えてみてください。ただし、ハーブ塩のように塩分が含まれているものを加える場合には、他の調味料を減らすなどして調整するように注意しましょう。
煮込み料理などにだしとしてコンソメを使いたい場合は、コンソメの素(もしくはその代用)を使用するのではなく、料理の中の具材から出るうま味をいかすのも手。味見をしてみて物足りないようであれば、ベーコンやウインナー、鶏肉やハーブ類を足すのもおすすめです。さらに、ウスターソースには野菜のうま味成分が入っているので、色が気にならない料理であれば少量使用するという方法もあります。
コンソメの素がない時も、諦めずに4つの味の決め手を補い、おいしい料理を作りましょう。