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魚屋3代目店主です。筆者が営む鮮魚店では、お客様から煮魚を作る際のお悩みをよく聞きます。「ちゃんと火が入っているか心配」「煮汁がシャバシャバで薄い」など、不安要素の多い煮魚ですが、コツを押さえればとっても簡単。今回は究極の煮魚を作るためのコツを伝授します!
難しいイメージの強い煮魚ですが、コツを押さえれば焼き魚よりも簡単。上手に作るコツは以下の3つだけです。
1. 魚を煮る時間の長さで、水の量を調整する。
2. 魚は煮過ぎない。落し蓋と鍋の蓋をしたら、中火で6〜7分煮ればOK。
3. 煮汁の量を調整したい場合は、魚の切り身を取り出して調整する。
コツにもあげていますが、魚を煮すぎるのはNG。身が締まって硬くなってしまいます。魚の身にしっかりと味をしみ込ませたい場合は多めの煮汁で煮て、その煮汁につけたまま冷ましましょう。食べる前にもう1度温めると、味がよりしっかりとしみ込んでくれますよ。
ちなみに、煮汁の煮上がり方は魚の種類によって違います。例えば金目鯛やキンキは煮汁がブワッとせり上がってくるので、煮こぼれないように注意が必要です。またイカを煮る時は水は入れないでください。イカから水分が出るため煮汁が薄くなります。それでは究極の煮魚のレシピを紹介します。
魚の切り身 2切れ(今回は銀ダラの切り身を使用) / セリ(茹でておく) 適量
醤油 大さじ3 / みりん 大さじ3 / 酒 大さじ1 / 砂糖 大さじ3 / 水または湯 50ml
※冷凍の切り身を使用する場合は、半解凍程度に戻しておくこと。水の量は少しだけ増やし、煮る時間も少し長めにして調整する。
1. 切り身を2切れ並べられる程度の大きさの鍋に、醤油とみりん、酒、砂糖を入れて中火にかける。砂糖を溶かしながらよく混ぜていく。鍋の大きさは、浅い鍋よりも高さがある鍋がおすすめ。
2. 水または湯を加える。水を加えるのは煮る時間を調節するため。なお今回は6〜7分ほど煮たいので水50mlにしているが、大きな切り身を煮る時は時間がかかる分、水の量も増やす。増やす量は追加で煮る時間1分あたり水(またはお湯)大さじ1が目安。
3. 強火にして煮立たせる。
4. 魚の切り身を入れて火加減を中火に変える。
5. アルミホイルなどで落とし蓋をする。
6. 鍋の蓋をして6〜7分煮る。強火にしたり、蓋を開けっ放しにしたりしないこと。煮汁が吹きこぼれそうになった場合は、蓋を少しずらす。
落し蓋をすることで、中で煮汁が対流する。そのため、魚をひっくり返すことなく煮汁が全体に均等に回る。なお煮汁をこってりとさせたい場合は、コツ3で前述したように、6~7分煮た後に切り身を取り出して煮汁だけさらに煮詰める。また煮汁を薄めたい場合は、水または湯を加えて好みの味に調整する。
7. 器に煮魚を盛り付け、煮汁をかける。茹でたセリを添えたら完成。
応用編として、味付けを少し変えたイワシの梅煮を作ります。イワシは青魚特有のクセがあるので、生姜のスライスを加えて臭みを消します。
イワシ 2尾 / 生姜 ひとかけ / 梅干し 1個
基本のレシピと同量
1. イワシは包丁で頭を切り落とし、ウロコは包丁の背で落とす。さらにはらわたを除いて水洗いし、ペーパータオルなどで水気をふき取っておく。
2. 基本のレシピと同じ手順で鍋に煮汁を作り、薄めにスライスした生姜と種を取った梅干しを入れたら、1を並べる。基本の手順同様、落し蓋と鍋の蓋をして6〜7分煮たら完成。
煮魚のコツは掴めましたか。今回紹介したレシピは、鮮魚店を3代営む我が家で、筆者が母から受け継いだまさに家庭の味。ぜひお試しくださいね。