「コストコ」といえば価値のある商品が特徴。コーヒーも担当バイヤーが厳選したものを揃えています。日本のトップバリスタ・門脇裕二さんに、コストコで販売されている8種のコーヒーを飲み比べしてもらいました。好みのコーヒーを見つけるヒントとしてご覧ください。


テイスティングの方法

飲み比べは島根県松江市のカフェ「CAFFE VITA」のオーナーバリスタの門脇裕二さんに協力してもらいました。バリスタの競技大会で優勝し、日本代表として世界大会にも出場している実力の持ち主です。

テイスティングしてもらったのは、コストコで販売しているコーヒー豆3種と粉5種。門脇さんに伝えたのは、それぞれのコーヒーの産地のみです。今回も味の特徴や専門家目線でのおすすめの飲み方を紹介。また、それぞれの苦味と酸味、濃さをチャート化した図も作ってもらいました。



「アグトロン」「Brix」とは

文中に出てくる「アグトロン」とはコーヒー豆の焙煎度合いを数値化したもの。数字が少ない方が深煎り、多い方が浅煎りです。また「Brix」とはコーヒーの濃さを計測した数値で、多ければより濃く、小さければ薄い味となります。 

それぞれの味の特徴

※記事中の価格はすべて税込みです。

「KIRKLAND SIGNATURE スターバックスロースト ハウスブレンドコーヒー」



コストコのPBブランド「KIRKLAND SIGNATURE(カークランドシグネチャー)」の「ハウスブレンドコーヒー」です。名前に「スターバックスロースト」と入っていることからお分かりのように、「スターバックス」とのコラボレーションコーヒーでもあります。豆の産地はペルーのみ。苦みのしっかりした、濃い味わいです。907g入り1,538円。

バリスタ's チェック!

「ココアのような風味や、少し濃いめのブラックティーのようなコクがあります。ミルクとチョコレートを入れてカフェモカ風にしてもおいしいでしょう」。アグトロン47.3(中深煎り)、Brix0.96。

「KIRKLAND SIGNATURE スターバックスロースト エスプレッソブレンドコーヒー」



「KIRKLAND SIGNATURE スターバックスロースト エスプレッソブレンドコーヒー」もカークランドシグネチャーブランドのもので、コストコでのみ購入できるスターバックスとのコラボレーションコーヒーです。「エスプレッソブレンド」とあるように苦みの強さが特徴ですが、あっさりとしており、デイリーに飲みやすい味わいです。産地はこちらもペルーのみ。907g入り1,668円。 

バリスタ's チェック!

「ブラウンシュガーのような甘い味わいかつ、コクは強め。それでいて口に入れるとアーモンドのような風味があります。アマレット(アーモンドのお酒)を少し入れると風味が上がります」。アグトロン40.9(深煎り)、Brix1.09。

「ZAVIDA ヘーゼルナッツバニラホールビーン」



「ZAVIDA ヘーゼルナッツバニラホールビーン」は、今回紹介する中で唯一のフレーバーコーヒー。ヘーゼルナッツとバニラの甘いフレーバーが香ります。酸味があり、あっさりとした風味が特徴です。ブラジル、コロンビア、ペルー、メキシコの豆がブレンドされています。907g入り2,188円。

バリスタ's チェック!

「フレーバーコーヒーだけあって、袋を開けただけでキャラメルポップコーンのような香りが。味わいはブラックベリーのような酸味と、適度な軽めのコク、ブラックベリーのような後味も感じられます。アイスコーヒーでもおいしいコーヒーです」。アグトロン62.1(中煎り)、Brix1.32。

「ライオンコーヒー カフェハワイ ミディアム ダークロースト」



「ライオンコーヒー」はハワイの老舗コーヒーブランド。ヘーゼルナッツなどのフレーバーコーヒーも多数製造していますが、「カフェハワイ ミディアム ダークロースト」はノンフレーバーのコーヒーです。全体の10%はハワイアンコーヒーがブレンドされているそう。シンプルな味わいのコーヒーです。豆の産地はアメリカ、コスタリカなど。挽き方はミディアムダークロースト(中挽き)。 793g入り1,998円。

バリスタ's チェック!

「カップに鼻を近づけると、葉巻たばこのような香ばしさを感じます。とはいえダークローストにありがちな喉に残るような苦味はなく、口に入れるとアーモンドやナッツを思わせる風味。眠気覚ましの1杯におすすめです」。アグトロン37.6(深煎り) 、Brix1.25。

「KIRKLAND SIGNATURE コロンビア レギュラーコーヒー」



「KIRKLAND SIGNATURE コロンビア レギュラーコーヒー」はコストコPBブランドの粉コーヒー。細挽きされていて、ダークローストです。缶に入っているためそのまま保管しやすいところもポイント。名前にあるように産地はコロンビア産100%です。苦みと酸味のバランスが良いところも特徴。1,36kg入り1,328円。 

バリスタ's チェック!

「ローストは深めですが苦味はなく、ほんのりシトラスのような酸味を感じます。またメープルシロップのような甘みも。ぜひブラックでお楽しみください」。アグトロン47.1(深煎り) 、Brix1.37。

「MJB デイリーブリュー アラビカ豆100%」



「MJB デイリーブリュー アラビカ豆100%」は、酸味をおさえた味わいのコーヒーです。「毎日飲んでも飽きないおいしさ」とパッケージにあるように、コクがありデイリー使いに向いたコーヒーです。豆の産地はブラジルとエチオピア。中細挽きです。1kg入り998円。

バリスタ's チェック!

「あっさりしていながらコクもあります。チョコレートやアーモンドの風味と、ほんのり柑橘系のフレーバーも感じられます。ミルクとの相性も抜群です」。アグトロン51.1(中煎り)、Brix1.08。

「山本珈琲館 ヨーロピアン ブレンド」



大阪の老舗コーヒー店「山本珈琲館」の「ヨーロピアン ブレンド」です。豆を深煎りし、コクと苦みを引き出したブレンドが特徴。コロンビアとブラジルなどの豆をバランスよく配合しています。1kg入り968円。

バリスタ's チェック!

「コロンビア産のコーヒーらしい長めの余韻が喉に残り、ブラジル産の甘い香りが口の中に香ります。濃さはあっさりしているので、ブラウンシュガーなどで甘みをつけてもおいしく飲めます」。アグトロン53.6(中煎り)、Brix1.05。

「UCC ゴールドスペシャルブレンド」



UCCの家庭用コーヒーである「ゴールドスペシャルブレンド」は、UCCが「何杯飲んでも飲み飽きない味を追求した」という独自ブレンドのコーヒー。ブラジルやコロンビアの豆をそれぞれ別に焙煎してからブレンドすることで、おいしさを引き上げています。甘い香りや風味豊かなコクが人気の同社の定番商品です。1kg入り1,198円

バリスタ's チェック!

「軽めの口当たりで飲みやすいコーヒーです。ほんのりシナモンを思わせる味わいがあり、キャラメルのような後味も特徴的。1日の最初、朝起きてすぐ飲む1杯にいかがでしょう」。アグトロン62.8(中煎り)、Brix0.79。

味の比較図 

以上8種類のコーヒーを比較図にまとめると以下のようになりました。



どれもコストコの定番コーヒーとして倉庫店に並んでいて、コストコユーザーにはおなじみの商品ばかりではないでしょうか。コストパフォーマンスの高いコストコのコーヒー。お気に入りを見つけて、おいしく飲んでください。

今回テイスティングを担当したバリスタさん



門脇裕二

「当たり前においしいコーヒーが飲める場所を提供したい」とカジュアルな自家焙煎カフェスタイルにこだわる「CAFFE VITA」オーナー兼バリスタ。2008年にはバリスタチャンピオンになり、現在はエスプレッソマシンを扱うラッキーアイクレマス株式会社の専属バリスタとして、展示会でのデモンストレーションや、同社のコーヒーセミナーの講師も務めるとともに、様々な大会の審査員を務める。



情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 コストコ×スターバックス商品も! バリスタによるコストココーヒー飲み比べ