「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」が2年後に迫りました。自国で開催されるこのビッグイベントに、なんらかの形で関わりたいと思う人は多いはず。そこで思いつくのはボランティアですね。主婦のみなさんが応募に際して抱きがちな疑問や不安について、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」の総務局ボランティア推進部部長・傳さんに質問しました。


ボランティアの種類は2つ

まずおさえたいのは、ボランティアの種類です。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)のボランティアは、「大会ボランティア」と「都市ボランティア」の2種類があります。今回は前者の「大会ボランティア」について詳しく解説しますが、「都市ボランティア」もあることを知っておきましょう。

大会ボランティア

「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」が募集・運営するボランティアです。競技運営やメディア対応のサポートなどを行い、大会のスムーズな運営をサポートします。募集人数は8万人。

都市ボランティア

東京都や競技会場が所在する自治体が募集・運営するボランティアです。空港や競技会場の最寄り駅のほか、近隣の観光地などで、観客案内や観光・交通案内等を行います。募集人数は東京都が3万人(一般応募は2万人)、その他は自治体により異なります。


2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックの大会ボランティアの様子 写真提供: ©Tokyo 2020

応募は間もなくスタート! 

応募は今年9月26日13:00に始まり、12月上旬までを予定しています。「東京2020大会ボランティア」特設サイトからとなります。

なお、スマートフォン等からの応募も可能です。その後メールのやりとりが発生しますが、こちらもスマートフォン等で対応可能なレベルなので、パソコンを持っていない人でも安心して応募できます。

応募するためには?

大会ボランティアに応募するためには、下記事項を満たす必要があります。

応募可能な方

2002年4月1日以前に生まれていることと、活動期間中において日本国籍を持っているか日本に滞在する在留資格を持っていることの2つだけです。

活動日数

オリンピックまたはパラリンピック大会前後を含む大会期間中に、10日以上活動すること(オリンピックとパラリンピックどちらもボランティアをする場合はそれぞれ10日以上、計20日以上)が基本となっています。

ちなみに、東京2020大会のオリンピックは2020年7月24日(金)~8月9日(日)の17日間。その年は特例として開会式前日の7月23日(金)に「海の日」が、開会式当日の7月24日(土)に「体育の日」が、さらに閉会式後の8月10日(月)も「山の日」が移動する予定です。開閉会式前後1日を含めた大会期間中の祝休日と土曜日は9日、平日は10日となります。※あくまで予定であり、変更になる可能性があります。

大会までのスケジュール

応募が完了すると、本人の希望と実際の活動内容・場所等をマッチングし、マッチングが成立した方にはオリエンテーション(説明会・面談等)、共通研修に参加します。


「東京2020大会ボランティア リーフレット」より

ボランティア説明会もあります

すでに第4回までの応募は終了していますが、東京都が主催するボランティア説明会も複数回開催されます。より詳しい情報を得たい方は、参加してみてはいかがでしょうか。詳細は「東京ボランティアナビ」をご覧ください。


「私でもできる?」ありがちな疑問にお答え

上記の条件を読んでさらに興味を持った人向けに、ここからは主婦のみなさんが抱きがちな疑問や不安点について具体的な質問をしました。大会組織委員会総務局ボランティア推進部の傳さんが丁寧に答えてくれましたので、Q&A形式で紹介します。


2016年のリオデジャネイロオリンピックでも多くの女性が活躍 写真提供: ©Tokyo 2020

Q1: ブランクが長い専業主婦なので応募に不安があります

「社会人経験の有無やブランクを気にする方も多いようですが、主婦の方はコミュニケーション能力に優れている人が多く、多様な人間関係を築くことが得意な人が多い印象です。そういった力がボランティアにはとても重要です。むしろ大歓迎です」。

Q2:友人同士や夫婦など、仲間と一緒にボランティアできますか

「オリエンテーションの日程をお友達や夫婦で合わせることはできるかもしれませんが、ボランティア活動自体は競技日程等に大きく左右され役割等が複雑に分かれているので、グループ活動することはできません。事務局としては、研修やボランティアを新しい出会いの場にし、そこで知り合った仲間と新たなチームワークをはぐくんでもらいたいと考えています。いろいろな人に出会い、新しい世界を築くこともボランティアをする魅力です」。

Q3: 2年後までに何かあった場合、途中辞退することは可能ですか

「ボランティアは一人ひとりの力がとても重要なので、できれば欠員を出したくないのが本音です。ただし、あくまでボランティアなのでNGとは言えません。いざというときは遠慮せず相談してください。やってみたいという気持ちがあるなら、まずは応募してもらいたいです」。

Q4: 当日、自分や家族の体調不良などで急きょ不参加になる可能性があります

「小さなお子さんがいるお母さんにとっては特に多い悩みですね。前述したように、実際は1人でも欠けてほしくはないのですが、誰にでも起こりうることです。そういった状況でも参加できる人たちどうしで欠員分を補い合えるよう、オリエンテーションを通してチームワークを高めていければと考えています」。

Q5: 専門知識はいかせますか

「専門知識を必要とするポジションはありませんが、その知識をいかせる活動内容はあります。応募フォームに自由記述欄もありますので、是非アピールしてください」。

Q6: 研修にはすべて参加しないといけませんか

「オリエンテーションや研修はチームになる人たちと顔を合わせ、チームワークを高めることに比重を置いています。長い期間開催していて、その中で数時間程度参加いただければ良いので、必ず参加していただきたいと考えています」。

Q7: 仕事をしていても大丈夫でしょうか

「大会前後と期間中に10日以上のボランティア参加が基本になります。お仕事の都合をつけてもらう必要が生じるかもしれません。土日だけならOKという方も多いかもしれませんが、ボランティア日程は競技スケジュールによるものが多いですね。なお、活動する期間は、応募時に、大会前準備期間・オリンピック期間・パラリンピック期間の中から希望を選べます。複数選択することも可能です」。

Q8: 自己負担費用はどれくらいかかる?

「ボランティア会場への往復交通費や必要な場合の宿泊費などは、自己負担です。ただし、滞在先から会場までの交通費相当として、1日当たり1,000円程度をプリペイドカード等での支給を予定しています。カードは東京2020オリンピック・パラリンピックオリジナルのデザインにし、参加いただいた方の思い出に残るようなものにしたいと考えています。自宅が離れている場合は、オリエンテーションに通うための交通費や宿泊費も考慮したほうがいいでしょう。ただし、オリエンテーションは札幌、大阪、福岡など全国の主要都市でも開催予定です。なお、ボランティア中は食事や飲み物、オリジナルのユニフォーム類(キャップ、ジャケット、シャツ、ズボン、シューズ、バッグ等)など活動に必要なものをお渡しします。そのほかボランティア中の怪我などに対する保険加入費は組織委員会が負担するため、自己負担はありません」。


ユニフォームを着て、街中をオリンピック・パラリンピック色に染めよう! 写真提供: ©Tokyo 2020

主婦の力がオリンピック・パラリンピックの支えに!

大会組織委員会の傳さんから、こんなメッセージももらいました。「東京2020大会ボランティアには性別、国籍など問わず幅広い方にご応募いただきたいと考えていますが、さまざまな人生経験をお持ちの主婦のみなさんこそボランティアに適任です。実際、過去2回のリオデジャネイロとロンドンオリンピック・パラリンピックでは、女性ボランティアのほうが男性より多かったというデータもあります。自国で開催されるスポーツの祭典で、一緒に大会を盛り上げましょう! 」

どうしようか迷っている人は、まずは前向きに検討してはいかがでしょうか。大変な部分はありますが、その分やりがいもたっぷりあるに違いありませんね。日に日に高まるオリンピック・パラリンピック熱を自分ごととして楽しめることも、ボランティアとして参加する醍醐味です。2年後の夏がさらに楽しみになりますね。 


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 主婦こそ適任って本当!? 東京2020ボランティア応募ガイド