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「カルディコーヒーファーム」といえば、珍しい食材が多く集まり人気ですが、店名についている通りコーヒーも代表的な人気商品です。とはいえ、たくさん種類があってどれを買ったらいいのかわからない……という人も多いのでは? そこで今回は、日本を代表するバリスタ・門脇裕二さんに種類ごとの味わい分析をしてもらいました。どれを買うか迷った時の参考にしてください。
※記事中の価格は全て税込みです。また、価格は200gあたりのものとなっています。
今回協力してもらうのは、島根県松江市のカフェ「CAFFE VITA」オーナーである門脇裕二さん。バリスタの競技大会で優勝もしている、日本におけるトップバリスタの一人です。
門脇さんにテイスティングしてもらうのは、カルディコーヒーファームで特に人気というコーヒー豆10種。ブレンドからは「マイルドカルディ」「スペシャルブレンド」「リッチブレンド」「プレミアムブレンド」「モカブレンド」を、ストレートからは「ツッカーノブルボン」「マンデリン」「ブラジル」「コロンビア」「グアテマラ」をそれぞれチョイスしました。味の特徴や専門家から見たおすすめの飲み方を教えてもらい、10種それぞれの味わいを比較した図も併せて紹介します。
なお、文中に出てくる「アグトロン」とはコーヒー豆の焙煎度合いを数値化したもので、数字が少ない方が深煎り、多い方が浅煎りです。また「Brix」とはコーヒーの濃さを計測した数値で、多ければより濃く、小さければ薄い味となります。それぞれのコーヒーを比較する際の参考にしてください。
カルディコーヒーファームで人気No.1。ブラジル豆本来のやさしい甘さを引き出しています。価格は496円。
「比較的あっさりめの味付けで、喉の奥にほんのり酸味を感じます。起きてすぐ、ブラックで飲めるコーヒーですね」。アグトロン65.3(中煎り)、Brix0.97。
ブラジルやコロンビア他で採れた豆を使用。しっかりした飲みごたえの、酸味と苦みを持ち合わせたブレンドです。価格は507円。
「濃さは中間的で飲みやすく、口に入れるとキャラメルっぽい風味を感じます。ふわっとした余韻が残るのが特徴的。ホイップクリームをのせてウインナーコーヒーにするのもおすすめです」。アグトロン64.6(中煎り)、Brix1.08。
コロンビア・ブラジルなどで育てた豆を使用。強い苦みと深いコクのブレンドです。価格は567円。
「口に入れると上質な葉巻のような香りが広がり、ビターチョコレート感もあります。今回判定した中では一番濃いめのブレンドですね。余韻も長めで、ヘーゼルナッツのような香りも感じられました。おすすめの飲み方はアイスコーヒーです」。アグトロン43.0(深煎り)、Brix1.10。
ブラジル・コロンビア・グアテマラ産の有機栽培コーヒー豆をバランスよくブレンド。価格は750円。
「万人が飲みやすい味ですね。コーヒーの色自体は濃いめなものの、苦味もなくすっきりとした味わいです。ランチやディナーなど、食後に飲みたいコーヒーです」。アグトロン58.8(中深煎り)、Brix0.97。
コロンビアやエチオピア産の豆を使用。モカの華やかな香りが特徴です。価格は718円。
「少し濃いめのワインのような、モカらしい風味。飲み終えた後、口の中に香りが残ります。あえてアイスコーヒーで、酸味を楽しんでください」。アグトロン68.2(中煎り)、 Brix0.95。
ブラジル産の完熟ブルボン種を日陰干しし、手間暇かけて乾燥させて作られています。甘くソフトな香りとふくよかな味わい。価格は750円。
「ブラジルのコーヒーの原型ともいわれるブルボン種。軽い甘みのほか、少し冷めるとプラムのような酸味も出てきます。アイリッシュコーヒーに向きそうですね」。アグトロン68.6(中煎り)、Brix0.98。
インドネシアのスマトラ島産の豆を使用。力強いボディが特徴。価格は718円。
「ハーブのような風味が特徴的。また、口に入れるとほんのりローストアーモンドやココアのような風味も感じられます。ミルクを少し入れると甘みが引き立ちますね」。アグトロン68.7(中煎り)、Brix0.97。
豆の良産地として有名なブラジルのアルタモジアナ地区に位置する農園で作られた豆を使用。柔らかな味わい。価格は750円。
※豆の産地・農園は時期によって変わる場合があります。
「ほんのりとナッツの香りを感じます。適度な濃さで、後味にはチョコレートっぽい香りが残ります。アマレットなどアーモンド系のリキュールを入れると、大人の味わいになってまた違ったおいしさが楽しめます」。アグトロン62.8(中煎り)、Brix0.79。
コロンビア南西部にある、ナリーニョ地区で収穫した豆を使用。コクのある後味。価格は718円。
※豆の産地は時期によって変わる場合があります。
「ココアの様な風味と、軽めのライムっぽい酸味がポイントのコーヒー、後味は長めに感じられます。刻んだ板チョコレートを入れて、カフェモカ風にアレンジするのがおすすめ」。アグトロン65.9(中煎り)、Bri1.06。
グアテマラのサンアントニオにあるチャギテ農園産の豆を使用。暑い夏にもぴったりの爽やかな味わい。価格は718円。
※豆の産地・農園は時期によって変わる場合があります。
「あっさりとした口あたりの軽いコーヒー。冷めるとドライトマトのような風味も楽しめます。あっさりした味わいなので、ぜひブラックでお楽しみください」。アグトロン73.9(中煎り)、Brix0.70。
以上10種類のコーヒー豆を、味が比較できる図にまとめると以下のようになりました。
例えば、「苦みが強く濃いめのコーヒーが飲みたい」時は「リッチブレンド」を、「あっさりしていて酸味が強いコーヒーが飲みたい」時は「グアテマラ」を、というように、好みに合わせてお選びください。
店頭に数多くの種類が並ぶカルディコーヒーファームのコーヒー豆。今回のテイスティングコメントを参考にしつつ、選んでみてください。
門脇裕二
「当たり前においしいコーヒーが飲める場所を提供したい」とカジュアルな自家焙煎カフェスタイルにこだわる「CAFFE VITA」オーナー兼バリスタ。2008年にはバリスタチャンピオンになり、現在はエスプレッソマシンを扱うラッキーアイクレマス株式会社の専属バリスタとして、展示会でのデモンストレーションや、同社のコーヒーセミナーの講師も務めるとともに、様々な大会の審査員を務める。