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外食メニューはもちろん、家庭のおかずでも人気メニューのひとつである餃子。中でもパリッと焼き上げた皮の中からジュワッと肉汁があふれ出してくる焼き餃子は、特に喜ばれますよね。
餃子のルーツは中国大陸とされています。そんな本場の中国では、餃子といえば水餃子や蒸し餃子が一般的。実はレストランでは、メニューに焼き餃子を載せている店は少ないといいます。その理由について、食の専門出版社・旭屋出版編集部に聞いてみました。
「中国では、焼き餃子というと残り物、温めなおしたものといったイメージを抱きやすく、あまりよい印象を与えないメニューです。餃子は水餃子や蒸し餃子のように煮るか蒸すかで提供されることが多く、焼き餃子は前日に煮たり蒸したりして残ったものを使うことが多いからです」。
焼き餃子に残りものといったイメージがあったとは驚きですね。そんな背景もあって、お客さんに提供するメニューとしては不適切ということで、中国のレストランでは焼き餃子をあまり見かけないといいます。
しかし、中国から日本に伝わった餃子は、なぜ日本においては焼き餃子がスタンダードとなったのでしょうか。「日本では、終戦後に餃子が伝わったとされています。しかし水餃子はすいとんに似ていることから、敬遠されることが多かったといいます。その理由は、すいとんが戦時中の代用食だったから。水餃子を見て戦時中のことを思い出すことから、あまり広がらなかったのでしょう。そこで仕方なく『試しに焼いてみるか』と焼いてみるとこれが大評判。大人気メニューになったといいます」。
今では日本人の大好物となった焼き餃子。実はちょっとした思い付きから生まれたメニューだったとは驚きですね。