気がつけば、いつの間にやら世の中はAIだらけ。「ひょっとしたらAIが導入されていない業務なんて、すでにもうないのかも」と思わず勘繰ってしまうほど、あらゆる分野でAIが活用されているのはご存じのとおり。そしてそんな時代だから、よりよく業務を進めようとAI導入を検討している企業は多いのでは。だが実際に、AI受託開発やAI導入コンサルの相談は増えているのだろうか。そしてまた、増えているとしたらどのような相談内容が多いのだろうか。そこで今回、AIとビジネスをつなぐAIコネクティブカンパニーのコーレ株式会社(https://co-r-e.net/)では、DXコンサルティング会社・システム受託開発会社の営業・コンサルタント・プロジェクトマネージャー・SEを対象に、「AI受託開発・AI導入コンサル」に関する調査を実施した。

AI受託開発・AI導入コンサルの相談が増えていると約9割が回答

「AI受託開発・AI導入コンサルの相談は増えていますか?」と質問したところ、約9割が『はい(90.1%)』と回答。AIに関する相談の増加が顕著で、市場の関心が高まっていることがうかがえるが、実際にどのような相談が多いのだろうか。「AI受託開発・AI導入コンサルの相談は、主にどのレベルのものが多いですか?(複数回答可)」と質問したところ、以下のような回答結果になった。

『「会社の方針でAIで何かやらないといけないが、詳しいことは決まってない」というレベル(48.4%)』
『「AIで何ができるの?」という相談のレベル(45.0%)』
『「この業務にAIを組み込みたいけど、何からすればよい?」というレベル(38.7%)』
『「この業務にこのようなAIを組み込みたいが、技術的な実現性を確認したい」というレベル(24.0%)』
『「この予算、スケジュール、内容で開発できる?」というレベル(18.3%)』
『「RFPがあるので、提案してほしい」というレベル(7.7%)』

これらの回答から、多くの企業がAI活用の方向性を模索している段階にあり、技術的な議論以前の相談が多いことがわかった。では、AI受託開発・導入コンサルの依頼を受けた際はどのような対応をしているのだろうか。「AI受託開発・AI導入コンサルの依頼を受けた場合の対応について、最もあてはまるものを選択してください」と質問したところ、以下のような回答結果になった。

『外部のコンサルタントやエンジニアと協力して対応する(38.7%)』
『予算と要求レベルで自社対応か外注するか決定する(34.0%)』
『社内ですべて対応する(18.2%)』
『大部分は外注する(5.6%)』
『AIは対応できないので、他の会社を紹介する(3.4%)』

約4割が外部のコンサルタントやエンジニアと連携して対応していると回答。また、要求によって自社対応するか、外注するかを決定しているケースも多いようだ。

AI関連の開発に対応できる自社エンジニアは多いが、実際には外注する企業が多数

それでは、AI開発に対応できるエンジニアはどの程度いるのだろうか。「勤めている企業のエンジニアはAI関連の開発に対応できますか?」と質問したところ、約9割が『とてもできる(28.3%)』『ややできる(58.2%)』と回答したことから、大多数の企業でAI関連の開発に対応できるエンジニアがいるようだ。では、実際にAI関連の開発案件を外注している企業はどの程度なのだろうか。

「勤めている企業ではAI関連の開発案件で外注していますか?」と質問したところ、約8割が『はい(81.7%)』と回答し、多くの企業がAI関連の開発案件を外注していることが判明したが、外注している理由とは何なのだろうか。前の質問で『はい』と回答した人に、「AI関連の開発案件で外注している理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『自社のリソースだけでは対応できないため(43.0%)』という回答が最も多く、『専門性が高い作業を任せるため(42.0%)』『特定の業界や分野に特化した知識が必要なため(33.8%)』と続いた。この結果から、AI関連の開発には専門性が求められるため、多くの企業がその知識やリソース不足を補うために外注していることがわかった。

AI受託開発・AI導入コンサルの相談から受注成立は「1~5割程度」。そこへ到達するまでの期間やコストは?

ここまでの調査結果でAI受託開発・AI導入コンサルの相談が増えていることがわかったが、相談を受けた案件が実際に受注につながる割合はどの程度なのだろうか。「AI受託開発・AI導入コンサルの相談を受けて、実際に受注に至る割合はどれくらいですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になった。

『1割未満(8.6%)』
『1~3割未満(36.4%)』
『3~5割未満(39.8%)』
『5~7割未満(12.6%)』
『7~9割未満(2.1%)』
『9割以上(0.5%)』

多くの相談が寄せられているものの、受注につながるのは『1~5割未満』が多いようだ。では、相談を受けてから受注に至るまでの期間はどれくらいだろうか。「AI受託開発・AI導入コンサルの相談から受注確定までの期間は平均してどれくらいですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になった。

『1週間未満(6.4%)』
『1〜2週間未満(22.0%)』
『2週間〜1か月未満(29.4%)』
『1〜2か月未満(23.0%)』
『2~4か月未満(12.0%)』
『4~6か月未満(3.9%)』
『6か月以上(3.3)』

比較的短期間で受注に至るケースが多いようだが、受注に至るまでのプロセスで最も重い工数はどこなのだろうか。

「AI受託開発・AI導入コンサルの受注までに重い工数はどこですか?(複数回答可)」と質問したところ、『AIの基礎知識のレクチャー(そもそもAIで何⁨⁩ができるかの説明)(35.4%)』との回答が最も多く、次いで『AIの事例の情報提供(29.7%)』『どのような用途のAIにするかのすり合わせ(28.3%)』となり、AI開発の前提となる知識共有や事例の情報共有、業務適用の方向性を決める工程に多くの時間が割かれていることがわかった。では、そのような期間や工程を要する中、受注1件あたりどのくらい営業コストが掛かっているのだろうか。そこで「AI受託開発・AI導入コンサルの案件受注1件あたりに掛かっている営業コストはどれくらいですか?」と質問したところ、以下のような回答結果になった。

『10万円未満(3.5%)』
『10万~30万円未満(9.6%)』
『30万〜50万円未満(19.4%)』
『50万〜80万円未満(19.3%)』
『80万〜100万円未満(16.3%)』
『100万〜200万円未満(15.4%)』
『200万〜500万円未満(8.9%)』
『500万円以上(7.6%)』

『30万〜50万円未満』『50万〜80万円未満』『80万〜100万円未満』という回答が多く、このことからAI案件の受注には多くの営業コストが掛かることが示された。

【調査概要】「AI受託開発・AI導入コンサル」に関する調査
調査期間/2025年2月3日(月)~2025年2月5日(水)
調査方法/PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数/1,003人
調査対象/調査回答時に、DXコンサルティング会社・システム受託開発会社の営業・コンサルタント・プロジェクトマネージャー・SEと回答したモニター
調査元/コーレ株式会社(https://co-r-e.net/)
モニター提供元/PRIZMAリサーチ

AI時代の到来ともいえる昨今だが、実際にはAIは何ができるのかを、ちゃんと説明できる人はどのくらいいるのだろう。おそらく、わかったような顔をしてAIを語っている人のひと握りにも満たないのでは。このままでは、AIの進化に人間の理解力が追いつけなくなるのは間違いないだろう。もしかしたらAIの適切な使い方を、まずAIに教えてもらうのが当たり前の時代が近い将来やってくるかも(すでそうなっているのかもしれないが)。わかったフリをしていて後手に回るより、ここはAIを活用したい企業向けにコンサルティングやシステム開発の支援を行うコーレ株式会社のような専門家を頼ってみてはいかがだろう。同業他社に差をつけられる前に。

情報提供元: 舌肥
記事名:「 AI関連の開発案件のほとんどは外注?! AI受託開発・AI導入コンサルの実態が判明