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現在の日本では、建造物の老朽化対策や災害対策のリフォームなど、建設業界の需要は年々増加傾向だ。一方で、資材の高騰によるコスト上昇による建設業者の倒産や、職人の高齢化にともなう人手不足など、大きな課題を抱えている。
そのような状況下でありながらも、職人の労働時間や賃金など、待遇の改善による「働き方の改革」、そして、匠の技術を次の世代に受け継いでいくために「デジタル」を活用した職人の技術を可視化するなど、業界全体が変わり続け、私たちの暮らしを支えてくれているのだという。
吉田さんは「インフラの整備や住宅建設、リフォーム、そして復興整備において建設業界はなくてはならない存在。その中で、建設業界を支えるプロの職員さんたちが、日々、暑い中でも寒い中でも活動をして我々の生活を支えていただいてる」と思いを熱く語った。
工機ホールディングスジャパンは、自らの技術にこだわり、誇りと向上心を持って働く職人をリスペクトし、さらにその魅力を多くの人たちに発信しいていくために、このプロジェクトを発足。
プロジェクトでは、建設業界をはじめ、社会や暮らしを支える人々をたたえ、過酷な環境であっても日々奮闘する職人を応援したいという想いから「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT AWARD(ハイコーキ ビルダーズ・スピリット アワード)」を創設。職人たちの仕事への志、喜び、魅力、アイデアを募集し、それらを社会に向けて発信することで、生活者に関心を持ってもらいたいとしている。
一次の書類選考、二次のビデオメッセージ、そして最終選考まで通過すると、ハイコーキの電動工具や賞金、さらにハイコーキのCCOを務めるヒロミとの共演が実現するムービーコンテンツへの出演権などの賞が授与される。
吉田さんは「職員さんが不足している状況をとにかく改善をしていくために、サポートできることがあるのではないかと考えた」と経緯を説明した。
発表会では、2021年からHiKOKIのCCO(Chief Communication Officer)として活動するヒロミも登場。今回、新たに『日本の職人応援隊長』就任が発表された。日本の職人さん全体を盛り上げ、生活者と職人さんをつなぐ役割だという。
吉田さんが、「3年前にお会いした時に、ヒロミさんが、「職人さんがいなければ家も立たなきゃ何も立たないじゃない。本当にかっこいい存在なんだよ」とお話したことを今でも覚えております。今回、ヒロミさんのお力をお借りしながら、少しでもこの業界、職人さんに貢献したい」と就任をお願い。ヒロミは「本当に僕で大丈夫でしょうか?」と少し恐縮しながらも、「頑張らせていただきます!よろしくお願いいたします!」と話し、2人は握手を交わした。
『日本の職人応援隊長』に就任したヒロミと、現役の3人の職人さんとのトークセッションも行われた。緊張する職人を前にヒロミが「僕も現場に行って色々お話も聞きましたし、色々接しました。本当にすごい人たちなんですよ。ただ、今は緊張しております。でも、本当にいい人たちです」と、笑いを誘い、職人たちの緊張を和らげた。
自己紹介で、最年少22歳の井上さんが、「父親が職人で、幼い頃から職人さんたちを見てて、現場での職人さんたちはきびきび動いててかっこいいなっていう憧れがあって、それで職人を目指して、今、大工をやっています」と話すと、ヒロミが「若いんですけど、びっくりするぐらいなスキルを持ってて、もう大工さんになるために生まれてきたんじゃないかっていうくらい」とべた褒め。
そんなヒロミは、芸能界きってのDIY職人だが、「僕はアマチュアの代表みたいな、職人さんのすごい技術をちょっと真似してというか」と話し、大工である父親については「テレビで多分見てると思うんですよ。でもね、その話だけはしたことない。ちょっと親父にはまだ聞けてないというね。いつか聞いてみようかな」と、語った。
また職人人生で印象に残っているエピソードでは、松本さんが「お客さんが現場に見に来ていただいて感謝のお言葉をいただいた時に、本当に作ってよかったなっていう。初めて1棟出来上がった時に、現場に対して一礼させてもらった。それだけ思いを持って自分たちは仕事させていただいてるので、それがお客さんに伝わった時が1番嬉しかったですね」と思いを語ると、ヒロミは「かっこいいよね! 最後一礼して、出来上がったものをお客さんの手に渡すというね。ジーンときました!」とコメントした。
備海さんは「やっぱり一人前になるまでが正直辛かったですね。昔は本当にもう休みもなく、土曜まで働いて、日曜日は刃物を研ぐ」と話すと、ヒロミが「時代で道具も変わって、HiKOKIさんの電動工具で職人さんの時間も作れて、現場も変わりましたよね」とサポート。
実際、現場は昔と今では大きく違うそうで、松本さんは「昔なら厳しく俺の背中を見て育てようっていうやり方だったんですが、一緒に作業して、わからないところは聞けるような環境でというのが今の時代。やっぱり覚えるスピードも早くなっていくし、チーム力といった部分でも上がってきてるのかな」と話し、若い井上さんも「わからない部分は先輩や親方に気軽に聞ける関係になっているので、すごくのびのびと気持ちよく仕事できてます」と話した。
トークセッションでは、テレビでDIYをするヒロミを見てどう思うかという問いも。
備海さんは「最初の頃は『いやいや、これは俺でもできるよ』みたいに見てたんですけど、継続してやっているのを見て、ヒロミさんのこのセンスってすごいなって。自分はこういう風にやろうって思いつかなかったなって。今では本当に敬意を表してます」と話すと、ヒロミは「職人さんに聞くのが1番ドキドキするんですよ」と照れつつ、「家の近所で家を建ててる人がいて、ママと散歩してたら、そこの職人さんが多分テレビで俺のリフォームがオンエアした後だったんだと思うんですけど『ヒロミがさ、あんな1日でパパッとやっちゃうからこっちは大変だよ!』っていう文句を結構な声で言ってて。現場に行って、「ごめんね」って言ったらすごく驚いてて、でも仲良くなりました」とエピソードを披露、会場を沸かせた。
最後にそれぞれ夢を聞かれると、「人手不足の現状の中で、いかに若手の職人を育てていくのか。その育って一人前になった職人さんたちと、『1人前になれてよかったね』ってうまい酒が飲めたらいいかな」と備海さん。松本さんは「若い子がたくさんこの世の中で活躍する姿を本当に見たい。その中でもやっぱりお客さんの思いをそのまま形に作れる職人さん作りを心がけて頑張りたい」と意気込みを語り、井上さんは「将来は自分の家を自分で建てるのが夢の1つ。それに向けて今できることを大事にして、1日1歩ずつでも成長していきたい」と語った。
そしてヒロミが、「僕がテレビでやってるような作業を見て、建築ってこうなんだなとか興味を持って、子ども達が将来選択肢の1つとして建築の仕事に携わる人が1人でも増えたらいいなと思って。僕もいつか一軒家を建てて最後終わりたいなと思ってるんで、その時はこのメンバーでやってみたいと思います!」と締めくくると、備海さんの「急に厳しくなるよ」の一言で、会場中が爆笑に包まれたところで会は終了した。
プロジェクトの特設サイトでは、「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT AWARD」の詳細のほか、ヒロミが職人に密着し、仕事の真髄に触れながら人生観や仕事観、志、夢など、金言を引き出し、社会に向けて発信する「リスペクトムービー」や、ヒロミからの応援メッセージなど、様々なコンテンツを楽しむことができる。
「HiKOKI BUILDER’S SPIRIT PROJECT」公式URL
https://www.hikoki-powertools.jp/campaign/special/bsp/2024/index.html
普段の生活はもちろんだが、地震や水害など災害が多い日本において、建設業界、ひいては職人の力なしでは生活が成り立たない。なんとなくわかってはいたものの、今回改めてその重要性を考えるきっかけとなった。また、職人の世界でも働き方が改革され、昔と今とでは大きく変化していることに驚いた。技術を身に着けるのは大変だが、働きやすい職場になっているのであれば、身に着けた技術を活かして将来にわたって活躍できる魅力的な職場だと、目指す人も増えるのではないだろうか。