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同社では、今後さらに大きな目標を達成するため、創業10周年を機にミッション・ビジョン・バリューを刷新。この日の説明会では、同社・代表取締役の深川泰斗氏からその中に込めた思いが語られた。
新たなミッション「『誘おう』をつくる」とビジョン「あの人と共に生きる未来へ誘おう」は、いずれも「誘う人」をキーワードになっている。これについて深川氏は、「毎日の忙しさを解消するために『予定を共有しよう』と社内に呼びかける人や週末のイベントに『一緒に行こう』と誘う人。そういう『誘う人』の思いやアクションに支えられてタイムツリーはここまで成長させてもらいました」とこの10年を振り返りつつ、「その上でタイムツリーは誰を応援すべきなのか、誰の方を押すべきかを社内で改めて議論した末、それはやはり『誘う人』であるという答えに行き着きました」と熱く述べた。
また、自社の行動規範を示すバリューには、「誘われるのを待たない」「手元の『目的』を忘れる勇気を持とう」「だれもためらわない環境を」という3つのワードを設定。この刷新に合わせて9月26日から公開される新たなブランドムービーも紹介された。
この日の説明会では、『カレンダービジネスの可能性」と題し、「(1)『覚えてもらえる』『動いてもらえる』顧客コミュニケーション」「(2)カレンダーの新たな展開領域としての『推し活』」「(3)予定データを活用した生活者インサイトの発掘」という3つの点を軸に、同社が動き出している新たな価値創造についても語られた。
このうちユーザーにもたらされるメリットとして、(1)と(2)では4月からサービスを開始している「公開カレンダー」に関する説明があった。
「公開カレンダー」は、企業やイベントの主催者等がカレンダー形式でイベント情報を公開できるサービス。ユーザーは公開されたカレンダーを自身のカレンダーリストの中に共有でき、関心のある企業や個人の予定を見逃さずに獲得することができる。例えばECサイトのセール情報や映像コンテンツの配信情報の発信に用いられ、既に楽天、ABEMA、TBS、集英社、ホリプロなどが活用をスタート。エンタメ領域だけでなく、新潟市のように地方自治体が活用を始めるケースも出ている。
(1)の話題で深川氏は、公開カレンダーをフォローしているユーザーの約8割がカレンダーをきっかけに「イベントやキャンペーンの実施を知り」、約6割が「イベント参加や商品購入に至り」、さらに約4割が「イベント参加や購入の頻度が増えた」とする同社のアンケート結果を紹介。その上で「カレンダーアプリには行動を想起する力があります」と、情報の発信側と利用側、双方の利点を述べた。
一方、(2)の話題では、芸能人やクリエイターに公開カレンダーの活用が広まっている例を紹介。「アイドルの方などがライブ日程やチケットの発売日、生配信の予定などを発信し、それを見たファンの方が自分の予定に反映するという“推し活”に活用されています」と解説した上で、『クリエイター本人だけではなく、ファンが自主的に作るカレンダーも増えています』と、より推し活らしい利用法も紹介された。
今後はこの推し活活用に力を入れ、11月には新たに「公開カレンダーヴィジェット」を公開予定であることも明かされた。これはスマホのホーム画面に自分の“推し”の情報が日めくりカレンダーのように表示されるサブスクリプションサービスで、クリエイターが販売収益を得られる仕組みを目指していくという。
説明会の後半では、同社の共同代表である朴且鎮氏が、「文脈の時代におけるカレンダーシェアアプリの成長と展望」をキーワードに同社の将来展望について語った。
「3Gから4Gへ、さらに4Gから5Gへと、およそ10年に一度のペースで大きな転換期がやってくる中、メッセージ全盛時代といえる今の次には『スケジューリングの時代』がやってくると我々は考えています」とした同氏は、同社の長期的な成長戦略として生成AIを絡めたサービス開発に言及。Chat GPTが公開された2年前を「インフラ優位」、AIデバイスの普及が顕著になった現在を「デバイス優位」、さらに2年後を「アプリケーション優位」のタイミングと定義した上で、自社の大きな舞台は2年後に来ると見通しを語り、タイムツリーの中に導入されているOCR×Chat GPTの機能例などが紹介された。
刷新したミッション・ビジョン・バリューを掲げ、公開カレンダー、推し活、生成AIを新たな力に、まずは来年春までに世界ユーザー1億人を目指していくというタイムツリー。カレンダーシェアを通じて世界の暮らしを変えていく、同社のさらなる飛躍に期待だ。
【「TimeTree」公式ホームページ】
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