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如月虹「広い世界へ」
大好きな飛行機に乗って世界へ旅立ち、自分の見識を広めたいという思いが込められた作品。虹色の飛行機雲は、新しい世界を知る希望、勇気、夢、知った後の明るい未来を表現。背景には、多彩なこの広い世界の様子、そして広い宇宙も表現している。
グランプリ表彰の前には、今回特別に制作された受賞者紹介VTRが上映された。
水田航介「どこへでも行ける」
やりたいことや欲しいものを描くことから始り、今では大好きな電車とエレベーターを毎日描いている水田さん。そして、なぜかそこにはたくさんの動物たちが。実際にはあり得ないけれど、絵の中は自由で思いのままに描けることを表現した。
立川幹大「やさしい人たち」
ぼくはやさしい!みんなやさしい! 虹が輝く世界に!やさしくなりたい想いがこめられた1枚の作品。
花守洸迦さん「瞬間をキリトル」
旅をしたい、世界遺産や文明の跡に触れたい、そして、行きたい! と思う所へ旅に出たいという作者が、現状の引きこもり生活の日常にはない世界の風景を空気ごと全身で感じて、どの時間もきっと尊い瞬間だと感じる。そんなたくさんの時間と場所の一瞬一瞬を総合した絵にした作品。
河野芽衣さん「大切な人へ届けられた「お手紙」」
市販の紙袋にマスキングテープを貼り付けた「手紙」。想いを寄せる相手に向けて送られた作品だが、届けられた相手が大切に保管しているからこそ、こうして応募するに至った。文字で上手く伝えることができない作者にとって、日常的に想いを寄せる相手に送るこのような「手紙」は大切なコミュニケーションツールにもなっている。
受賞作を間近で見て、その作りの精緻さと、それ以上にそれぞれの作品に込められた“想い”が強く感じられた。おそらく、余計な雑念を持たず、ただひたすらに作品をもっともっとよいものに仕上げようとする気持ちが、作品に命を吹き込んだのかもしれない。まだ3回目の開始とはいえ、「NTT アートコンテスト」は障がいのある作者にとって受賞を毎年目指すにふさわしい目標であり、いわゆる“心の拠り所”として存在感の大きなものになっているのではなかろうか。今回の式典で2023年度の大会は幕を閉じたが、早くも次回に向けて構想を練り始めたアーティストもいるだろう。次回の表彰式展も楽しみだ。