クルマ買取比較の「ズバット」を中心とした比較サイトを展開する株式会社ウェブクルーが、電子車検証の交付を受けた自動車(四輪・二輪)所有者/自動車関連事業に携わる人を対象に、「車検証電子化の実態」に関する調査を実施した。

調査概要:「車検証電子化の実態」に関する調査
【調査期間】2023年6月7日(水)~2023年6月8日(木)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,352人(①1,077人、②275人)
【調査対象】①2023年1月4日以降、新たに車検証の交付を受けた自動車(四輪・二輪)所有者/②自動車関連事業(※車検に関する業務)に携わる人
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

電子車検証とは

2023年1月4日より交付が開始された(軽自動車は2024年1月から)。その大きな特徴は、従来のA4サイズの車検証よりもサイズが小さなA6サイズ相当の厚紙に変更され、券面情報は基礎的情報(継続検査や変更登録等の影響を受けない情報)のみを記載し、ICタグが貼付されたこと。車検証の全情報はパソコン・スマートフォンを使って「車検証閲覧アプリ」で確認できるようになり、さらには貼付されたICタグの情報を更新することで、継続検査(車検)時に運輸支局へ出向く必要がなくなるため、車の所有者、自動車関連事業者の双方にメリットがあると言われている。

電子車検証について抱いたメリット・デメリット

「電子車検証のメリットは何だと思いますか?(複数回答可)」という質問に対し、もっとも多かった回答は『小さくなって保管(携帯)しやすい(53.1%)』。次点は『特にメリットはない(26.3%)』、『ICタグが付いたため券面記載の情報が減って見やすい(22.4%)』という結果に。

これ以降は下記の通り。
・車検にかかる時間が短縮される(19.4%)
・車検時に運輸支局(陸運事務所)などへ出向かなくても良い(16.9%)
・個人情報の記載が減り安心できる(16.6%)

逆に「電子車検証のデメリットは何だと思いますか?(複数回答可)」という質問に対して、『特にデメリットはない(33.0%)』という回答が最も多く、次点は『車検有効期限の記載がなくなった(28.7%)※』『車検時の法定手数料が値上げされた(25.6%)』という結果に。

これ以降は下記の通り。
・券面記載事項以外を確認するには車検証閲覧アプリを経由する必要がある(22.5%)
・高温・折り曲げなどによるICタグの破損が心配(20.2%)
・「自動車検査証記録事項」が別途発行され書類が増えた(11.9%)
・自動車保険の加入・更新時の手間が増えた(8.0%)

※車検証の有効期限は、券面非表示事項に分類。ICタグには車検証の有効期限以外に「所有者の氏名と住所」「帳票タイプ」「使用者の住所」「使用の本拠の位置」の、合計で5つの情報を格納

メリットとデメリット、どちらのほうが大きいと感じたか

約7割(69.5%)が「メリットのほうが大きい」と回答。券面には車検有効期限の記載がなくなったとはいえ、車検証閲覧アプリを使用することで読み取りは可能であり、特にデメリットと感じることも少ないため、車の所有者には電子車検証がおおむね好評だということがわかった。

車検証閲覧アプリを使用したことがある人の割合

「車検証閲覧アプリを使用したことがありますか?」との質問には、『ある(12.4%)』『ない(87.6%)』という回答結果になり、使用したことがない人が9割近くを占めていることがわかった。これにはどのような理由があるのか、前の質問で「車検証閲覧アプリを使用したことがない」と回答した702人に聞いた。

■車検証閲覧アプリを使用したことがない理由 ※一部抜粋
・必要とすることがないため。以前の車検証のコピーで間に合うことが多い(40代/男性/神奈川県)
・情報を見られることは知っていますが、今は必要ないし試す時間もない(40代/女性/福井県)
・そもそもアプリの存在を知らない。あるならもっと周知するべき(50代/男性/神奈川県)

今回の調査で、電子車検証に対して約7割の人がデメリットよりもメリットを感じていることがわかった。だが、基本情報以外をICタグに格納したことで従来よりもコンパクトなサイズとなった電子車検証も、そのICタグを読み取るために必要な「車検証閲覧アプリ」の印象によっては電子車検証自体の評価が異なってくるかもしれない。いずれにして、まずは「車検証閲覧アプリ」の存在を広く周知することが殲滅なのではないだろうか。

情報提供元: 舌肥
記事名:「 ウェブクルーが車検証電子化の実態調査を実施 電子車検証交付者の高満足度に反し「車検証閲覧アプリ」普及には課題も