世界に激震が走った、ロシアのウクライナ侵攻から2月24日で1年になる。そんな中、武蔵野大学ランゲージセンターに所属するウクライナからの受入学生であるリリア モルスカさんと武蔵野大学生の山岸咲亜さん、菊地里帆子さん、岩井雅治さんらが2022年10 月よりウクライナを紹介するパンフレットの制作をスタートし、2 月10日(金)に完成した。パンフレットは WEBにて公開中で全ての人が閲覧することができる。今後、学生たちは、パンフレットを通して多くの人が「ウクライナ」という国名から戦争だけでなく様々な姿を連想してもらえるよう、ウクライナ学生を受け入れている大学、その他公共施設、企業、ウクライナに関連する施設等に対してパンフレットの設置を依頼していく予定だという。
(写真:左から岩井さん、リリアさん、山岸さん、菊地さん)

リリアさんはウクライナからの避難民学生であり、2022年9月から武蔵野大学ランゲージセンターの受入学生として日本語を学んでいる。母国で日本語学校を設立するという夢に向かい、ランゲージセンターの日本語学習に加えてドナ・ウィークス国際センター長の呼びかけにより集まったゼミ形式の交流会にも参加しながら、日本語力を日々磨いている。今回、日本人学生3名が毎週の交流会でウクライナのことを知っていく中で、「もっと多くの人にウクライナについて知ってほしい」「ウクライナについて興味・関心を持ってほしい」「ウクライナについて知ったことを形にして残したい」という思いからパンフレットの制作を始動。パンフレット名『ソーニャシニク』は、ウクライナ語でウクライナの国花である「ヒマワリ」を意味しており、少しでも早く平和な日々が訪れるようにとの願いが込められているという。

また、パンフレットはウクライナ語・日本語・英語の3カ国語対応となっており、ウクライナに関する11のテーマ(基本的な情報・言語・文学・食事・行事・民族衣装・歴史・音楽・美術・スポーツ・観光)で読者にも親しみやすい内容となっている。筆者もパンフレットを拝見し、食事ではボルシチが実はウクライナ発祥と言われていることや、行事では日本では7月7日は七夕だがウクライナでは「イワナ・クパーラ」という1年で最も昼の時間が長い夏至をお祝いする東スラブ地方の伝統的な行事が行われていることなどを知ることができた。

<コメント>

■武蔵野大学ランゲージセンター所属学生 リリア モルスカさん
今では皆さんがウクライナのことをよく知っていますが、『ウクライナ人はロシア語を使っている』『ウクライナは1991年の独立前は、ロシアの一部だった』と思っている人もいます。これらは長い時間、ウクライナ人が黙認してきた結果だと思います。昨年、日本に来て多くの人からウクライナについて質問を受け、若いウクライナ人として新たなウクライナのイメージを伝えたいと思いました。日本人の友達と作ったこの「ヒマワリ」という冊子はウクライナの国民や習慣等を紹介しており、太陽のように昔の歴史と現在の状況の関係を明らかにするものと信じています。真面目なトピックのほか、年齢に関係なく楽しめる記事(ウクライナ料理のレシピ、音楽のオススメ、観光地など)もありますので、読んでくれたらありがたいです。Slava Ukraini! (ウクライナに栄光あれ!の意味)

■武蔵野大学グローバル学部グローバルコミュニケーション学科4年 菊地 里帆子さん
私自身、東日本大震災の被災者として、リリアさんの経験と重なるところが多くありました。彼女の故郷が多くの方の目に留まってほしいと願う気持ちがこうして形になって嬉しいです。いつか平和な日が訪れたらこのガイドを片手にウクライナに足を運んでいただけたら幸いです。このガイドがウクライナの美しさを知る一助となることを願っています。

ウクライナの国名を聞くとまず“戦争”の文字が頭に浮かぶ人も多いのではないだろうか。このパンフレットを通じてウクライナの魅力を感じ、みなさんもウクライナをより身近に感じてみてほしい。

※パンフレット(PDF)及び設置先一覧 URL:http://bit.ly/3I1lqbc

情報提供元: 舌肥
記事名:「 ウクライナ人留学生が日本人学生とウクライナに関するパンフレットを制作し公開中