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北欧を中心とした濃厚な蜂蜜の風味を活かしたものや、ハーブやスパイスなどと併せたよりコクのある極甘の伝統的なミードがいわゆる「古典派」。
そして、もう1つが80年代に米国を中心に「醸造ブーム」で実力者たちが本格的に販売しはじめた、スッキリとしたテイストが特徴の「モダン派」。
この2つが、現在のミードのトレンドとなります。
蜂蜜酒ミードの歴史
ワインやビールより古くからあると言われている蜂蜜酒のミード。14000年前に人類が初めて巡りあった最古のお酒という説もあります。
クマなどに荒らされてひっくり返った蜂の巣に溜まっている雨水を偶然飲んだ狩人が最初で、古代ギリシャでは神々のお酒(ネクター、アンブロシア)として崇められ、ローマの英雄ジュリアス・シーザーもミードを愛飲したともいわれています。
ワインと作り方が似ている蜂蜜酒ミードの原料は、蜂蜜と水、そして酵母菌だけです。水で2~3倍に薄めた蜂蜜は、だんだんと発酵がはじまり、夏なら1週間、冬なら3週間ほどで出来上がります。
発酵が始まったミードは、炭酸ガスがポコポコと湧き出します。濁りはベントナイトとフィルターで取り除き、後は落ち着くまで澱引き。瓶詰めをして、コルクで蓋をすれば完成です。
蜂蜜酒と聞くと「蜂蜜のような甘いお酒」をイメージするかも知れませんが、実際はちょっと違います。そのテイストは、ビールや白ワインに似ていると言われており、国によってもそのテイストは変わってきます。
“ビールのご先祖のようなもの”と称されることもあるなど、ビールとの類似点が多々あるミード。さっぱりとして、ほのかに蜂蜜の風味を感じるようなビールに近い味わいの物も少なくはありません。
また、色味が濃く味わいも濃厚なタイプのミードは、酸味が立った白ワインのような味わいのものもあります。
アルコール度数も銘柄により大きく異なるミードですが、その多くが10%前後の仕上がりになっているようです。しかしながら、5%程度の弱いアルコールのものから70%を超えるとんでもないアルコール度数のものまで、ミードによって様々なので飲む際はチェックする必要があります。
「ビールのような味?」「白ワインのような味?」様々な意見があるミード。実際にどのように飲むのが美味しいのか、以下では代表的な飲み方を詳しく紹介していきます。
ミード本来の味わいを確かめるためにも、まずはストレートでそのまま飲んでみることをおすすめします。
特に、複数のミードを飲み比べる際は、味の個性を判断するためにもストレートで飲むのがいいでしょう。
甘めではありますが、全体的に濃い目の味わいが特徴のミードですので「少し濃いな」と思ったら氷を入れてロックで楽しむなど、好みによって徐々にスタイルを変えながら飲んでみてください。
ミードそのものの個性を知るにはストレートやロックが一番ですが、アルコール度数が比較的高いお酒ですので、アルコールが弱い人は水割り・ソーダ割りで楽しんでみてください。
特にソーダ割りがおすすめ!ほんのりとした甘さに、さっぱりとした酸味を感じるため爽やかなハイボールのような形で楽しめますよ!
また、ソーダ割りの際はライムやレモンを入れるのもおすすめ。通常のソーダ割りよりも一層爽快感のある仕上がりになります!
寒い冬にはミードをホットにして飲むのもおすすめ!日本で言う「養命酒」のような形で、ヨーロッパではミードをホットにして飲むのも一般的なんだそう。
一番スタンダードなのは、お湯割り。そのままお湯で割るのもいいですが、アレンジして飲むのもおすすめ!例えば、シナモンやナツメグといったスパイスを入れたり、すりおろしたショウガをいれてジンジャーティーのようにするのも美味しいですよ!
その他、ホットミルクを入れてミルク割りにするのも身体が温まって最高!就寝前の寝酒として飲めば、ポカポカの状態でぐっすり寝られるのではないでしょうか。
古典派とモダン派の大きく2つに分かれる蜂蜜酒ミードには、その産地や品質を活かした様々な種類のお酒があります。
カナダ(ケベック州)のお酒です。産地と品質へのこだわりが強く、自ら採取した蜂蜜を100%使用して作り出す製品は数々品評会で受賞するほど。地元では大手の有名な養蜂家が作り出す蜂蜜酒です。
ロゼ | アルコール度数12度、バラの香りが豊かな女性好み |
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ブノワ | アルコール度数14度、しっかりした甘みと爽やかな後口 |
シェシェン | アルコール度数15度、リンゴ果汁によるスッキリした甘さ |
メディエヴァル | アルコール度数16度、とろっとした濃厚な甘さ |
ポーランド(ルブリン)で作られたミードの飲み比べセット。こちらのミードは伝統的な蜂蜜酒造りにこだわり、酸化防止剤や人工添加物を一切使用していないのだそう。
こちらの飲み比べセットでは、ヤドヴィガ、クルピオフスキ、ピャストフスキの3種類が同梱。天然のハーブやスパイスを活かし、樽で熟成する世界中で認められている独自製法の力を堪能してみてください。
ヤドヴィガ | 水1リットルに対して、はちみつを710g使用。10年以上熟成させた高濃度なミード。ラズベリーとローズヒップシロップが加わっており、華やかな香りが楽しめる。 |
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クルピオフスキ | 水1リットルに対して、はちみつ610g使用。4~6年熟成させた中濃タイプのミード。カシスシロップが加わった、ほどよい酸味と甘さが特徴。 |
ピャストフスキ | 水1Lに蜂蜜420g使用し約2年熟成のドライタイプ。アルプス産ハーブを加えてさわやかな味わい。 |
個性的なボトルが特徴の「バーレンメット」は、ドイツ産のミード。ラベルに描かれている熊とボトルがイメージするミツバチの巣の対比が、とても面白いですよね!
ボトルを開けた瞬間に香る、豊かなはちみつの香りがしますが、甘さは控えめで非常に飲みやすいタイプです。ロックスタイルで楽しみながら、レモンをトッピングして飲めば、ハニーレモンのカクテルのようになってとっても美味しいですよ!
クローバー(シロツメクサ)のはちみつを使用した、国産のミード「はちみつのお酒」。癖の少ないナチュラルな甘さが特徴が、味わいによく反映されているさっぱりとした飲みやすい1本です。
国産らしい丁寧な作りの、優しい味わいのミードは初心者の方やお酒があまり強くない方にもおすすめ!ストレートやロックはもちろん、ホットにしてみたりと様々なアレンジを楽しんでみてください。
数え切れないほどの種類があるミードだからこそ、自分にあったお気に入りの1杯を見つけるのは至難の業。
ここでは、自分にあったミードを選ぶためのコツを4つご紹介します。
最も簡単なのは、味のタイプから選ぶこと。大まかに分けてミードには「甘口」「辛口」「発泡」3つのタイプがあります。
「甘口」は、蜂蜜の豊かな風味が感じられる呑みやすいタイプ。甘いお酒が好きな方や、食後にスイーツ感覚で楽しむ食後酒としておすすめです。
「辛口」は比較的ドライで、酸味が立ったタイプ。白ワインのような感覚に近いため、食事に合わせる際には「辛口」タイプを選ぶのがおすすめです。
「発泡」タイプは、食前酒として楽しむのにおすすめ。スパークリングワインやスパークリング日本酒のような感覚で、華やかなテーブルを盛り上げる乾杯の1杯として大活躍してくれますよ!
蜂蜜が主原料であるミードは、蜂蜜がお酒の味わいに大きな影響を与えます。そのため、ミードに使われている蜂蜜の種類でも、ある程度の味の予測をすることができるのです。
例えば、見つければ幸せになれるという言い伝えがある「四葉のクローバー」を代表するクローバーの白い花(シロツメクサ)から採られた蜂蜜。世界中で最もたくさん作られている蜂蜜の1種ですが、クローバー蜂蜜はじんわりと染み入るような優しい甘みが特徴のため、ミードを作ると癖が少なく、マイルドで爽やかな香りになります。
その他、「蜂蜜の女王」とも言われているアカシアの蜂蜜は、上品な甘さが特徴。日本で多く作られている「はちみつの王様」れんげの蜂蜜は濃厚な甘さが特徴。といったように、蜂蜜にはそれぞれの個性がありますので、ミードを選ぶときも蜂蜜の種類に着目してみることで味わいの想像をすることができるのです。
あまりポピュラーなイメージのないミードですが、実は蜂蜜が採れる国では軒並み作られているといっていいほど、世界中で作られているお酒なんです。
ヨーロッパであればポーランド、リトニア、ドイツ、フランスなど。北米であればカナダやアメリカでも作られていますし、私達の国日本でも個性的なミードが作られています。
各国で作られるミードは蜂蜜の個性に加えて、環境や気候の影響であじわいや色合いが大きく異なります。
ポーランドであれば、伝統的な作り方をしており濃厚なトラディッショナルなミードが主流。リトアニアであればハーブをつかった香り高いミード、アメリカの水脈付近で作られているミードであればさっぱりとしたミードといったように、国によっても大まかな特徴を掴むことができるのです。
水、蜂蜜、酵母のシンプルな素材で作られているミードですが、その他に副原料が使用されている場合があります。
ポピュラーなのが果物の果汁。柑橘系の果物の果汁を加えることで、通常のミードよりもふくよかな酸味が感じられるフルーティーな1杯に仕上がります。その他、ハーブやスパイスが加えられた独特な香りを持つミードも多数。
個性的なタイプのミードを飲みたい場合は、副原料が使われたアレンジミードを選んでみるのが良いかも知れませんね。
そのまま飲んでも、カクテルにしても美味しいミードですが、実はその他にも様々なアレンジ法で楽しまれているんです。
ミード通になってきたら試してみたい、おすすめのアレンジ方法を3つ見ていきましょう。
アルコール度数が高くないミードの場合、冷凍庫に入れておくことで液体が凍っていきます。ほんのりとした甘みがあるミードですから、この状態を活かしてシャーベットのようにして食べると、とっても美味しいんです!
瓶ごと凍らせる、もしくは食べたい分だけタッパーに入れて冷凍庫で保存。ある程度固まってきたらお皿に出せばそれだけでミードシャーベットの完成。日本酒を凍らせた「みぞれ酒」のようなテイストで、夏にさっぱり楽しむのにもおすすめのアレンジ方法です。
濃厚な甘みを持つタイプのミードをアイスクリームにかければ、それだけで個性的なアレンジになります!
おすすめは、やはりバニラ。バニラの甘みにミードの甘みと酸味が調和して、いつもとは違うちょっとリッチな味わいになること間違いなしです。
その他、熱燗のようにミードを温めてアイスにかける「ミードアフォガード」にしても美味しいですよ!
その見た目の美しさから“食べる宝石”とも言われている「琥珀糖」を知っていますか?
色、味共に様々なバリエーションがある琥珀糖ですが、実はミードを用いて作ってもとてもキレイで美味しいんです!
はちみつの味と、爽やかな酸味。そして、まるで本物の宝石のような美しい黄色がかった見た目にうっとりしてしまうこと請け合い。
・水 200ml
・寒天2〜4g
・グラニュー糖 150~300g
・ミード 適量
作り方
1.鍋に水と寒天を入れ、中火で煮込みながらしっかりと混ぜ合わせる。
2.グラニュー糖を入れ少し火を弱めて30〜45分ほど煮込む。
3.耐熱性のバッドなどに流し込みミードを混ぜ合わせる
4.冷蔵庫で2〜3時間ほど冷やす
5.好みの形に切り分ける
6.数日間乾燥させる
7.完成
ミードの量を調整することで、お酒っぽい味わいを強めたりしながら自分なりのアレンジで琥珀糖を楽しんでみるのも面白いですね!
蜂蜜酒ミードは、実は「ハネムーン」の語源であるとも言われています。
ハネムーンは英語だとHoneymoon、つまり密月、「蜂蜜の1か月間」という意味です。蜂蜜に強壮作用があり、また蜂の多産にあやかれるということから、古代から中世のヨーロッパで、特に森を愛するゲルマン民族において新婚直後の新婦は住居から外出せずに1ヶ月間蜂蜜酒を造り、新郎に飲ませて子づくりに励む風習があったのだそう。さらに、この期間中にかなりの高い確率で、第一子に男の子が生まれるという伝えも。
こういったことが理由で、ミードはハネムーンという語源があると言われているのです。
蜂蜜酒ミードにはいろいろな効果があると言われています。
ミードの原料である蜂蜜には、ビタミンやミネラル、その他多数の身体に良い成分が含まれています。
また、蜂蜜の糖分は果糖・ブドウ糖で構成されており、身体に吸収され、エネルギーをつけるときに最適です。また、果糖にはアルコールの分解を促進してくれる効果もあります。
また、蜂蜜には血液を造るときに必要となる鉄、ビタミンC、ビタミンB群、銅、葉酸が含まれています。鉄は血液の材料になり、ビタミン類や銅は血液を作る働きを促します。
他にもカリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素、ケイ酸、ケイ素、硫黄、リンなど人体に必要なミネラルのほとんどが含まれており、貧血を改善する効果も見込めます。
歴史的に有名な、英国のエリザベス女王Ⅰ世は、ハーブやスパイスを漬込んで醸造した蜂蜜酒「メセグリン」を愛飲したのだそう。
ハーブとアルコールで血行がよくなり、身体が温まって熟睡でき体力回復できることから「メセグリン」「薬(メディスン)」の語源にもなっていると言われています。
また、海外では直接火にかけアルコール分を飛ばし、「卵酒」のようにして風邪気味の子供たちにも与えるという民間療法も残っているのだそう。
世界最古のお酒、蜂蜜酒ミードについて興味が湧いてきましたか?何万年も昔の人間がはじめて飲んだお酒と聞けば、自分たちでも味わってみたくなってきますよね。
今回紹介したミードは、初心者でも飲みやすいものばかり!食前、食中、食後とどんなシーンでも選ばずに飲めるため、自宅に1本あるととても便利です。特にはちみつの味が好きな方や、甘いお酒が方にはおすすめのミード。ぜひご自身の下で、歴史あるその味をたっぷり味わってみてください!
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