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高品質モバイルバッテリーの定番『cheero Power Plus 3 13400mAh』 の新モデルは何が変わった?
内蔵バッテリーセルがパナソニック製からLG製に変更された新モデルで、mitok的検証を実施したところ、旧モデルほどの好結果が得られなかったことは先日お届けしたとおり。
LG製セルの問題というよりは、基板回路の変更が原因のような気がしますが、実際どうなのでしょうか。そこまでやらなくてもいいものの、気になったのでちょっと手を出してみました……。(mitok編集部)
高品質モバイルバッテリーとして人気の『cheero Power Plus 3 13400mAh』(以下、PP3)は昨年9月以降、従来のパナソニック(サンヨー)製バッテリーセル搭載モデルに加え、LG製バッテリーセルを搭載したモデルも併売されている(見た目ではどちらのバッテリーセルを搭載しているかはわからない)。
先日、LG製セル搭載モデルを検証してみたところ、過去の検証データ(パナ製セル搭載モデル)と比較すると、放電試験の結果は大きな差はなかったものの、負荷試験ではいまひとつな結果となった。
セルの変更は大きな変更点だし、やっぱ、LG製セルだから結果がイマイチなんじゃないの? という声にお応えし、旧PP3に搭載されていたパナ製セルを、新PP3の基板に取り付け、再度負荷試験を行なってみた。
上の写真は新旧モデルの基板回路とバッテリーセルだ。左は2017年3月に購入した“LG製セル”を搭載した新PP3、右は2015年に購入した“パナソニック(サンヨー)製セル”を搭載した旧PP3。
テスト①では、新PP3の基板回路に、旧PP3搭載のパナソニック製セルを取り付け、負荷テストを行なった。結果は以下のとおり。
上記は負荷テストの結果だ(薄い色のグラフはLG製セル搭載時のもの)。ほぼ同じノイズ特性となっており、有意な差は見られなかった。おそらくこの問題はバッテリーセルではなく、基板回路にあると考えて間違いはなさそうだ。
そこで次のテストを実施してみた。
続いてのテスト②はコンデンサの改造だ。
新PP3と旧PP3の基板回路にはDC-DC制御チップの変更、Auto-IC機能の追加といった違いが見られる。設計が異なる別の基板回路ではあるのだが、ノイズということで平滑コンデンサに着目。新PP3の基板回路へ 100μF 16V の有機ポリマコンデンサ(OSコン)を追加して負荷テストを実施してみた。
上の写真は旧PP3の基板回路で、黄色い部品が平滑コンデンサ。100μ 6V のタンタルコンデンサだ。
上の写真は新PP3の基板回路。4つ並んだ四角い部品がチップ型積層セラミックコンデンサ。22μF のチップ型積層セラミックコンデンサを 4個(= 88μF)使われている。
新PP3で使われているセラミックコンデンサのほうがコストは低い。
そこで、100μF 16V の有機ポリマコンデンサ(OSコン、写真下)を積層セラミックコンデンサ部分に増設してみた。
88μF に 100μFを追加するので、平滑コンデンサの容量は合計 188μF となる。
はたしてその結果は?
な、な、なんと見事にコンデンサ追加の効果ありありの有意な計測結果が出た(薄いグラフは無改造の新PP3)。
電圧の安定度は旧PP3には及ばないのだが、有機ポリマコンデンサ無しの状態と比べると、ノイズはほとんどなくなり、最大電流値も2.36A(ノーマル)から 4.02A (コンデンサ増設)へ向上した。
『cheero Power Plus 3 13400mAh』の新旧モデルで検証結果に変化が見られた要因のひとつとして、コンデンサの変更が影響していることは十分に考えられるだろう。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。