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1本1000円以上は当たり前のiPhone用Lightning(ライトニング)ケーブルも、ダイソーにかかれば100円に。そりゃ、片面接触や充電専用といった微妙な仕様でも100円のほうを選んじゃいますよね。
というわけで100円と200円のケーブルの性能をチェックしてみました(抵抗値が低いほど良い、という基準で)。安いなりの製品なのか、それ以下か以上か、果たして?
今回検証したダイソー製ライトニングケーブルの新パッケージモデルだが、やはり前回検証したものとまったく同じもののようだ。MFi認証製品ではないため、iOSのアップデートなどによって使えなくなる恐れはある。
配線の導通抵抗は322.4mΩで、一般的なライトニングケーブルのほぼ倍の抵抗値だ。それだけ電力ロスもあるということ。普段から使いたいか? と問われれば、旅先でケーブルを忘れてしまった時などの緊急用なら、という程度だろう。
リール式ライトニングケーブルは充電と通信両対応のため、価格は216円(税込)となっている。中身はストレート型同様、以前の検証時から変わっていないようだ。ただ、前モデルに比べ、工作精度が悪くなっているように見える。前モデルではハンダ付けの仕上がりはかなり良好であった。ロットや個体差もあるのだろうが、今回手にしたものは仕上がりが少々雑だった点は記しておこう。もちろんMFi認証製品ではない。
導通抵抗は384.8mΩとストレート型より悪く、それだけ電力ロスも大きい。値段相応の結果だ。やはり使うのであれば、ケーブルを自宅に忘れてきてしまった際などの緊急用だろう。
上の表は過去に検証したライトニングケーブルも含めて抵抗値の低い順に並べたもの。ダイソー製ケーブル(青色)の抵抗値は他社製品と比べて2倍の高さで、やはり充電性能は低い。安く良いもの、とはいかないものだ。電力ロスが大きく、メインで使うケーブルとしてはおすすめできない。使うのであれば、値段相応の性能であることを認識しておきたい。
ダイソーのライトニングケーブルのパッケージには「1.5A以上の充電器は使用不可」という注意書きある。本検証では2A充電テストを行なったのだが、この指示に真面目に従おうとすると少々困ったことになる。1.5A以下のUSB充電器がだいぶ少なくなっているからだ。ガチ検証でチェックした市販品は多くが2.0Aか2.4A対応だった。
1.5A以下の充電環境を身の回りで探すと、パソコンのUSB端子(500mA)とiPhone純正充電器(5W 1.0A)あたりがすぐ目につくだろうか。以前、ガチ検証したダイソー製300円モバイルバッテリー(写真下)はギリギリの1.49Aだった。
果たして「1.5A以上の充電器は使用不可」の意味をどれだけの人が理解しているだろうか。自分が使っているモバイルバッテリーの出力を把握している人は少ないだろう。せっかく大きく目立たせている注意書きだが、この内容が現実的なのか、万人向けなのかは疑問だ。
抵抗が低いほど電流が流れやすい。つまり低抵抗のケーブルならば安定して短時間で充電できるわけだ。充電用ケーブルではもっとも重要な指標となる。抵抗値が低ければロスなく電力を供給でき、大容量機器でも安定して急速充電できる。2.0A充電など高電流対応機器が登場しても、ケーブルの抵抗が高ければ、本来のメリットは薄まってしまう。
ケーブルの抵抗によって発生する電圧降下。ここでは2A充電時のロスを抵抗値から算出している。
充電専用のケーブルはデータ線が接続されていない。PCと接続してデータをやり取りするような用途には使えないことに注意してほしい。
通信ケーブルを覆ってノイズを遮断するための機構。充電性能には関係がないが、通信ケーブルとしても使用するならばあったほうがよいだろう。
各ケーブルのライトニングコネクタ側の分解後に+-
ケーブルの抵抗値と電流をオームの法則(V=I・R)に当てはめると、電圧降下(V)が算出できる。例として、ケーブルの抵抗値が200mΩで、20W充電(2.0A)するケースを想定してみよう。この場合、ケーブル(抵抗の両端)に発生する電圧降下は、0.2[R]×2.0[I]=0.4[V] となる。なお、エネルギーロスについては、2.0[I]^2×0.2[R]=0.8[W] が熱となって消えることになる。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。