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1996年に発売され、今なお愛され続けている伝説的ゲーム『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』。同作は、来年3月16日にPS4&PS Vitaでリメイクされ、復活することになります。これを受けて、『YU-NO』にまた注目が集まってきているのです。
そんな流れの中で開催されたライブイベント『You Know? Ryu Umemoto』の様子をお届けしましょう(11月12日 秋葉原MOGRAにて開催)。
このイベントは、公式トリビュートアルバム『TRIBUTE TO RYU UMEMOTO ~ Music From YU-NO』の発売を記念して開催されました。『YU-NO』のサウンドを担当した梅本竜氏は、2011年に他界しています。このトリビュートアルバムは、彼と親交が厚かったミュージシャンたちが集結し、『YU-NO』楽曲を、それぞれに想いを込めてアレンジ・リミックスしたものなのです。
当時から一緒に音楽を作ってきた仲間たちによる追悼コンサートといった趣で、演奏の合間には故人を偲んでのトークも差し挟まれます。知られざる秘話も多数飛び出し、ファンにとっては特別な一夜となりました。14時からスタートし、20時終了という梅本竜づくしの6時間!
最初に登場したのは、梅本竜氏とタッグを組み、『YU-NO』をはじめ多くのゲームに参加してきた高見龍氏。『YU-NO』『EVE burst error』などから、梅本氏の代表曲ともいえる楽曲を選び、アレンジを加えて聞かせてくれました。
続いては、トークタイムその1。登壇したのは、高見龍氏、せんたろ氏、ヨナオケイシ氏、樋口秀樹氏、梶原正裕氏。主に梅本氏のキャリアの前半から、PCゲームを通じて交流があったメンツです。
梅本氏が梶原氏の家に居候していたこと、パソコン通信の草の根ネットを通じて、FM音源の知識・技術をやり取りしていたことなど、他では聞けない話が盛りだくさん。
ライブの2人目は、せんたろ氏。ここでは、梅本氏がダウンロードコンテンツ向けに作曲したという楽曲が流されました。梅本氏のファンでも聴いたことがないレアトラックです。
続いては、hizmi氏。X68000のFM音源を使った、ハードでアブストラクトなサウンドが鳴り響きます。このイベント、他の演者の肩書は「DJ」となっているのですが、hizmi氏のみ「X68000大魔神」と書かれていました。
そして、樋口秀樹氏。『群青の空を越えて』『きっと、澄みわたる朝色よりも、』などのPCゲームから、梅本氏の担当楽曲を抜き出して聞かせてくれました。2000年代半ばごろから、樋口氏がメインで作曲を担当し、一部の曲を梅本氏が書くというように、タッグで仕事をすることが多かったそうです。これもまた、ほとんど知られていない貴重な情報&楽曲。
そして、トークタイムその2。登壇者は、山田一法氏、高橋コウタ氏、並木学氏、浅田誠氏。そしてゲストとして、菊田裕樹氏。主にアーケード、コンシューマゲームで繋がりがあったメンツになっています。ここでは、梅本氏がサウンドを担当した、2010年のアーケードゲーム『赤い刀』について。また、CAVEのシューティングゲームのアレンジアルバムに参加した経緯などが語られました。
ライブの5人目は、hally氏。hally氏は作曲家であるとともにゲーム音楽の研究者でもあり、さらにレトロゲームのサントラに多数関わってきた人物。梅本氏には、サントラのマスタリングなどを依頼していたそうです。hally氏の時間は、このイベントでも最大の隠し玉、危険物。梅本氏が高校生時代に制作し、コミケで販売したという音楽ディスクを発掘し、それを流したのです。梅本氏が『イース』などファルコム楽曲のコピー・アレンジに熱中していたことなどが分かる、レア中のレアトラックでした……。
ラストは、ヨナオケイシ氏。ヨナオ氏は、来年発売されるPS4&PS Vitaリメイク版『YU-NO』で、サウンドを担当しています。このライブでは、梅本氏の楽曲をノンストップで、ハードコアテクノにアレンジしていました。質問してみたところ、この日のために作り込んできたものだそうです。
さまざまなゲームで音楽を担当し「FM音源の魔術師」とも呼ばれつつ、若くして世を去った梅本竜氏。彼がゲーム音楽界で愛され、大きな影響を残してきたことが感じられるイベントでした。PS4&PS Vitaリメイク版『YU-NO』が、もっと楽しみになりますね!
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TRIBUTE TO RYU UMEMOTO ~ Music From YU-NO