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11月15日、Roblox社は新たなコミュニケーションサービスである、「Roblox Connect」のリリースを発表しました。このサービスを使えば、同じ3D空間の中で、自分好みのアバターを使って通話ができるようになります。
「Roblox Connect」は音声による通話だけでなく、表情や身振り、手振りを使ったコミュニケーションも可能です。表情はカメラを使ってトラッキングされ、ジェスチャーはコマンドから選ぶことができます。
また、今後はグループ通話にも対応する予定です。ユーザーの声を集めて、さらなる改良をしていく予定、とのことです。Robloxアカウントを持っていれば、このサービスを利用できます。
詳細は以下のリンクから確認できます。情報は英語となっています。
https://devforum.roblox.com/t/the-future-of-immersive-communication-on-roblox/2701137
「Roblox Connect」は、今年9月に開かれたRoblox開発者の集会、RDC2023(Roblox Developer Conference)で発表されたものです。
RDC2023では、「みんなとつながる方法をクリエイト」「楽しい気持ちと思いやりで10億人をつなぐ」というRoblox社の2つのビジョンが示されました。「Roblox Connect」はそのビジョンに沿い、離れていながらも同じ場所にいるような感覚を実現するために開発されたものです。
海外のウェブサイト「Game Developer」は、このサービスについてRoblox社の最高技術責任者であるDan Sturman氏にインタビューを行っています。インタビューでは、「Roblox Connect」が追加された理由についての詳細が語られました。
その記事によると、「Roblox Connect」は、DiscordやZoomなど、ほかのプラットフォームを使わずに、Roblox内でコミュニケーションを取るためのサービスであるとのこと。また、Robloxのアバターを使ってできることの幅を広げる目的もあるようです。
「Roblox Connect」は、プログラムを無償で一般公開する、オープンソースの形でリリースされています。これは、開発者がそれぞれのニーズに合ったコミュニケーションツールを作れるようにするためだと語られています。一般の開発者が制作したプログラムを使うことで、ユーザーは状況に合わせたコミュニケーションができるようになります。
記事では他にも、ゲーム内の要素として機能を使う可能性について話し合われているほか、プラットフォーム上での悪質な行為への対策としてAIで音声をチェックする機能を開発中、という話も出ています。
記事へのリンクは下記になります。
https://www.gamedeveloper.com/business/roblox-to-debut-ai-chatbot-allow-usd-payments-on-creator-marketplace
11月11日、Roblox社は「the 2023 Roblox Innovation Awards」を開催し、Roblox内で発表されたゲームやアイテムのうち、優れたものを表彰しました。
「Roblox Innovation Awards」は、去年から一年ごとに開催されている賞で、2014年から2021年まで開催されていた「BLOXY Awards」から名前を変えて継続されています。
賞の内容は多岐にわたり、ゲーム自体の賞はもちろん、スタジオや動画配信者、またRoblox内の装飾品など、様々な作品や人物に賞が与えられます。ゲーム自体の賞にも、「サウンドを最もうまく使っていたゲーム」や「技術を有効利用していたゲーム」など、さまざまな賞がありました。
今回大賞を受賞したゲームは、LSPLASHというグループが制作した、「Doors」というホラーゲームです。
このゲームは、とあるホテルの100の部屋を通り抜け、脱出を目指すゲームです。プレイヤーは部屋を通り抜ける途中、様々な敵に襲われます。それらの敵にうまく対応しながら謎を解き、脱出を目指します。
「Doors」はベストニューエクスペリエンス賞を受賞しているほか、サウンドの設計や人気投票の賞でもノミネートされており、極めて評価の高いゲームになっています。
LSPLASHというグループは決して大きなグループではなく、「Doors」は2、3人という、極めて小規模な人数で開発されました。ですが「Doors」は多くのユーザーを魅了しており、3000万以上の高評価を獲得しています。
11月1日、株式会社サンリオは同社のキャラクターの「ハローキティ」50周年を記念して、2024年に様々なイベントを執り行うことを発表しました。イベントは現実世界だけでなくデジタルでも行われる予定で、Robloxでもイベントが予定されています。
「ハローキティ」とRobloxは、これまでにもコラボを行っており、2022年4月にはRobloxに「マイハローキティカフェ」というゲームが公表されました。株式会社サンリオがスポンサーとなり、Rock Panda Games社が開発したゲームで、「ハローキティ」やほかのサンリオのキャラクターたちと共に、カフェの装飾や経営ができるゲームとなっています。
「マイハローキティカフェ」は世界的に好評で、70万以上の高評価がつけられています。ゲーム内イベントやキャンペーンがたびたび開かれていて、最近では11/16に期間限定ミッションが告知されました。
12月からは、ミュージアムをテーマにしたミニゲームやバーチャル展示会が予定されています。また、「Find Hello Kitty」というチャレンジにも参加できるようになります。2024年にはバーチャルなダンスフロアが実装される予定で、ファン同士で交流を楽しむことができる予定です。
詳細は以下のリンクで。なお、情報は英語となっています。
https://www.prnewswire.com/news-releases/sanrio-announces-a-celebration-of-50-years-of-hello-kitty-301973753.html
11月13日、株式会社セガは、同社ソフト『ソニックスーパースターズ』とRobloxのコラボレーションの開催を発表しました。
株式会社セガは以前にもRobloxとコラボレーションをしており、2022年4月には「ソニックスピードシミュレーター」を「Roblox」で公開しています。
「ソニックスピードシミュレーター」は「ソニック」シリーズのゲームを再現したもので、コースを高速で駆け抜ける、障害物を避ける、など、シリーズファンにとってはおなじみの体験を楽しめます。他のプレイヤーと対戦したり、テイルスやナックルズのスキンを使うこともできます。
ゲームは好評を博しており、訪問数は8億回を超え、100万以上の高評価を得ています。
今回のコラボレーションはその「ソニックスピードシミュレーター」に関連したものです。2023年12月1日までの間に、Amazonで「Roblox」のギフトカードを購入すると、購入額に応じて、『ソニックスーパースターズ』デザインの特別なリュックを入手できます。
キャラクターがリュックから顔を覗かせており、かわいらしいデザインとなっています。
詳細情報は以下のリンクにて。
https://sonic.sega.jp/SonicChannel/topics/collaboration/20231113_008389/
11月8日、Roblox社はX(旧ツイッター)にて、2023年第3四半期の決算を発表しました。それに合わせて、決算に関するレポートも発表されています。
レポートによると、Roblox社の経済状態は順調で、以下のような結果が報告されています。
・売上高は前年同期比38%増の7億1,320万ドル
・平均デイリーアクティブユーザーは前年比20%増の7,020万人
・月間平均ユニーク課金者数は1,470万人で、前年比14%増
・月間ユニーク課金者一人当たりの平均課金額は19.02ドルで、前年比5%増
この結果に関して、Roblox社CEOのDavid Baszucki氏は、第 3 四半期業績は好調で、Robloxのプラットフォームを継続的に改革してきたおかげである、としています。また、様々な年齢層と地域で、Robloxの利用が増えていることも重要な要素だと話しました。
現在は、プラットフォーム上でより深い没入感を得られるように、コミュニケーション、アバターの表現をより豊かにするための取り組みを行っているとのこと。そして人工知能やブランド、広告に投資し、将来の成長を促進していることを強調しました。
Roblox社のCFOもコメントを残しています。CFOのMichael Guthrie氏いわく、Robloxは四半期も力強い成長を遂げたこと、特に西ヨーロッパと東アジアで成長率が大きかったことを指摘しています。
また、ほとんどの主要経費カテゴリーで支出を抑えられたこともあり、2023 年第 2 四半期および 2022 年第 3 四半期と比較して、利益率は著しく改善したと述べています。
またGuthrie氏は、投資にかけるお金を減らすことができたことにも言及しています。Roblox社はバージニア州アッシュバーンにある巨大なデータセンターに投資してきましたが、それがほぼ完成したことが大きな要因だとしています。
Guthrie氏いわく、Roblox社は新たな局面を迎えており、イノベーションへの投資を継続する一方で、自由に使えるお金をさらに増やしていく、とのことでした。
テレビチャンネル「CNBC Television」のニュース番組でCEOのバスズキ氏へのインタビューが行われ、今回の決算結果が取り上げられました。インタビューで語られた内容は以下の通りです。
・コミュニケーションだけでなく、人とのつながりや共同での作業を遠隔で実現できる空間に、世界から注目が集まっている。
・遊ぶだけでなく、学習やビジネスでの利用が広まっている。また、低年齢だけでなく、年齢が高い層の増加もみられる。
・受注額と営業レバレッジが向上している。また、ビジネスシーンで活用される可能性もある。
・Roblox内のヘイトやテロ、いじめを認めず、モデレーターやAIの活用などで対処している。また大きな事件があれば人員を増やして対応する。
・すでに「Meta Quest」や「プレイステーション」に対応し、多くの人がプレイしている。すべてのプラットフォームに対応し、プラットフォーム間のインタープレイを実現したい。
・Meta社が発表したフォトリアリスティックな(実写のような)表現については、広まれば自己表現の幅が広がる。ローエンドでも使えるようにしたい。
・夢としてだが、NFT(暗号資産)をRoblox内外のプラットフォームでやり取りすることも考えている。クリエイターがより重要な役割を担い、創作物の量をコントロールできるようにしたい。
以上のように、Robloxの成長の要因について語られたほか、他プラットフォームへの対応やNFTの利用などの将来像も示されました。ただ遊ぶだけではなく、様々なシーンでの利用も広がっているということで、今後のRobloxの多方面への成長に期待です。
11月20日までのRoblox社のニュースをまとめました。Robloxというプラットフォーム自体も進化していますし、それを利用した新しいゲームが日々生まれ、他企業からも注目が集まっています。
新サービスの「Roblox Connect」では、Roblox社のビジョンを反映しつつ、プラットフォーム内でコミュニケーションを完結させられるようになりました。イノベーションアワードの開催など、Roblox社はコミュニティの充実化を図っています。
各企業とのコラボレーションも発表されました。「ハローキティ」や「ソニック」シリーズのゲームが公表されるなど、企業キャラクターのRoblox上での利用が増えています。
決算ではRoblox社の成長や今後の方向性が示されました。
多方面に展開するRoblox社と、そのプラットフォームの今後に期待です。