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ーー本日は新たなサービスである「Conecti」(コネクティ)についてお話を伺い、エンタメとメタバースの関係性についても伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
ーー御社の新たなサービスである「Conecti」(コネクティ)の開発背景について教えてください。
FROGMAN(ふろっぐまん)様(以下、FROGMANと表記)
「まず、「Conecti」(コネクティ)はビジネスメタバースだと私たちは考えています。現実の持つ熱量をリモートでも伝えられるサービスを作りたいと思ったのが開発のきっかけです。」
FROGMAN「リモートワークが普及してクラウドオフィスを利用する企業は多いと思います。我々も利用していましたが、リアルオフィスに比べて味気ない部分を感じていました。」
FROGMAN「そこで、メタバースとクラウドオフィスを掛け合わせることで、リモートワークでも現実と同じ熱量を持てると考えました。また同時に、メタバースの問題点である『人が滞留しない』という点も、この取り組みを通じて解決できるのではないかと考えています。」
FROGMAN「多くの場合、メタバースはイベントスペース的な使い方をされていました。イベントのときはもちろん人がたくさん集まるのですが、終わってしまうとさっといなくなってしまう。」
FROGMAN「砂漠にイベント会場を設けているような感じで、そもそも定着している人が少なく、文化が生まれていないケースが多いと思います。文化が無ければエンターテインメントも生まれないので、人を滞留させる方法を考えることが非常に重要です。」
FROGMAN「一番シンプルな手段として、メタバースで働くようにすれば、労働時間中は皆メタバースに滞留するので、結果的に文化が産まれます。」
FROGMAN「であれば、メタバースとの距離の近いエンタメ業界にいる我々の出番だろうと思いました。まず人を滞留させて、メタバース上のエンタメ文化に繋げるために、リアルと同じように仕事に取り組める『ビジネスメタバース』を考え、企画になったという流れです。」
ーーなるほど。メタバースの今の課題である、人を滞留させなければならないという部分への手段として、働く空間のメタバースをご提案されているのですね。
ーー現実の熱量を持った「ビジネスメタバース」を開発する上で、エンタメの領域のプロであるディー・エル・イー様が持つ強みについて教えてください。
FROGMAN「エンタメ領域の知見を生かしてビジネスメタバースを作ることで、『快適に働く』環境を作るための諸課題を解決できると考えています。」
FROGMAN「先述したように、我々はビジネスメタバースを通して、現実の持つ熱量を遠隔でも感じられるサービスを開発したいと考えています。そこで、物語やコメディ等、メディアを通じて感情に訴えかけるエンタメ領域の知見が活用できます。」
FROGMAN「エンタメ業界の人間だからこそ、みんなが快適に働ける空間を作ることができるんじゃないかって発想したんですね。」
FROGMAN「例えば、ボタンを押したときの効果音や文字が出る位置など、些細な部分でも体験に大きな差が出てしまうんです。そうした部分では、メディアクリエイターとしての我々の経験や技術が大きな意味を持ちます。」
FROGMAN「既存の人気サービスは、デザインはもちろん操作性まで緻密に研究したからこそ成功しています。そうした職人としての視点を、クリエイターの立場から提供できれば最高のサービスを作れるのではないかと思います。」
FROGMAN「メタバースオフィスでも今ある課題をエンタメ領域の視点で解決していけば、働きやすいバーチャル空間オフィスを作れるのではないかと思っています。」
ーーエンタメ領域が持つユーザー目線の考え方を適用することで、快適なメタバースを作れるということですね。
ーーディー・エル・イー様は映像領域に強みを持たれている印象があるのですが、開発チームにはどのような方がいらっしゃいますのでしょうか?
FROGMAN「確かに映像領域に強みを持っていますが、メタバース開発と映像作成はまた異なる視点が必要です。そこで、ゲーム業界から山田さんに参画してもらいました。」
FROGMAN「山田さんの知見や人脈を生かして、ゲーム業界出身の方にも多く携わっていただいています。」
山田様(以下、山田と表記)「著名映画のVR開発経験のある方や、大手ゲーム企業でゲーム・システムデザインを担当されていた方、サーバーサイドに強みを持つ方などが参画しています。」
――幅広い領域の方々が集結されているのですね。
山田「はい。メタバースに人を集めるためには、ユーザーが感じる体験だけでなくサーバー面での知見も必要になります。」
山田「ゲーム領域はそうした方面で非常に濃密な体験をされていた方が多いので、メタバース開発には最適だと思います。」
ーー聞けば聞くほど、エンタメとの親和性が非常に高いと改めて感じました。ゲーム業界でMMOを作ってきた方などは適任ですね。
ーーメタバース開発において重視していることをお伺いしたいきたいと思います。
FROGMAN「メタバース開発は、いわゆるビジネスガジェットやツールではないと思っているんです。」
FROGMAN「メタバースっていうだけあって、我々は世界を作っていると考えています。ゲームにしても映画にしてもアニメにしても、その世界観の構築って、基本ストーリーをそこに与えるっていう作業になってくるんです。」
FROGMAN「そうした分野は我々エンタメ業界が一番得意であって、『いかにその場の空気感を演出するか』という点を考えることが一番のポイントだと思っています。」
FROGMAN「特にメタバースをやる場合、魂を入れることがすごく重要なんです。外側だけ作ったとしても、中身がしっかり作られていなければ意味がありません。」
FROGMAN「今後、メタバースサービスは多様化すると思います。例えば、陽気に盛り上がるクラブのような雰囲気のメタバースもあれば、自然を愛して穏やかに過ごすためのメタバースのようなイメージです」
FROGMAN「そうしたメタバースサービスが増えていく以上、運営サイドがどういうメタバースを作るかを演出していくことがすごく大事なんです。」
FROGMAN「同じように、ビジネスメタバースでも『どのように働きたいか』を意識した開発が重要になってきます。ユーザーの多様なニーズに併せて、メタバースに命を吹き込んで『世界』を作っていく。それはエンタメ業界だからこそできることだと思います。」
ーーコンテンツとしての面から見ても、メタバースとエンタメは切っても切れないところがあり、人が集まりたくなるようなストーリーやキャラクターデザインを用意することが大事なのですね。
FROGMAN「そうですね。ユーザーのニーズを分析してより面白い、良いものを提案していく、クリエイターとしての基本姿勢に準じたメタバース開発を行っています。」
ーーエンタメで言うところの、ユーザーの心理を探る感覚でコネクティをデザインされているのだと感じました。
ーー山田様としては、どのような点を意識して開発されているのでしょうか?
山田「いかにユーザーさんが使ったときに直感的に利用できるかを意識しています。ゲームはそうした領域を鋭く切り取って開発してる側面があるので、Conectiの開発でも意識しています。」
山田「先ほどFROGMANさんが話していたように、人気サービスは幅広く皆使えるようデザインされています。我々の今回のビジネスメタバースも、初めて触った人でも直感的に触れるように最終的に開発してご提供できることを目指していきたいなと思っています。」
ーーConectiはデスクトップサービスだと認識しています。VRとしてリリースしない判断をされた理由も、ARやVRのデバイスの制約で触れられないユーザーが生まれないためなのでしょうか。
山田「はい。現状はデスクトップのみですが、VRやAR領域が十分に普及したタイミングで、ベストな形で対応したいと考えています。」
山田「既にARグラスやVRヘッドセット領域に数多くの企業が出資し、開発を行っていることを鑑みると、ARやVRが将来爆発的に普及し、大きな社会変化をもたらすと考えています。」
山田「現状はデスクトップとしてPCのみで体験できる形にすることで、専用デバイスを持たないユーザーでも体験できるようにしつつ、時期が来た時にベストな形で対応できる状態で開発を行っている形です。」
ーーデバイスの普及に合わせていろいろとローンチの仕方も変えていく、ゲーム業界の方らしい発想だと感じました。
ーープレスリリースの中で『AIアバターが業務支援をする』とあり、これは非常に凄いことだと感じました。AIアバターをメタバース空間に入れることで、具体的にどんな活用を構想していらっしゃるのかお伺いしたいです。
FROGMAN「実際に今AIが実務に耐えられるほどの信頼性はまだない状態ですが、間違いなく今後、AIがいろんなところで業務を肩代わりしてくれると思っています。」
FROGMAN「今の段階ですと、AIをビジネスに使用しているのはアーリーアダプターの人が中心で、まだ具体的なアプリケーションなどはないと思っているんですね。」
FROGMAN「今はAIの核心的な部分が数多く発見されつつも、『凄い』で止まっている段階だと思います。そうしたAIの特色をビジネスに活かす道筋ができてない状態だと思ってるんです。」
FROGMAN「なので、Conectiの中でも試験的にAIを取り入れて道筋を考えていきたいです。例えば、自分が知りたい情報をメタバース上で肩代わりしてくれるようなサービスを構想しています。」
FROGMAN「AIアバターを活用して、会社の取り組みやサービス概要、見積もりなどの簡単な質問を解答できるようにする予定です。」
FROGMAN「また、離席時にもAIアバターが誰かからの声掛けに対して応答できるよう設定すれば、それだけでもビジネスチャンスを失う機会はなくなると思います。」
FROGMAN「更に言えば、AIアバターを常駐させることで時差が関係なくなります。今後のConectiは海外までサービスを展開する予定なので、そうした意味でもAIアバターの可能性に注目しています。」
ーー時差がなくなるのは大きいですね。
FROGMAN「そういった使い方からAIが進化していき、もっと実務的なことや、人間でなければいけなかったと思っていた領域にもAIが肩代わりしてくれる時代が来るんだろうなと思っています。」
山田「AI方面の話に補足すると、政府が掲げるムーンショット目標とAI開発は非常に密接に関係していると考えています。」
山田「ムーンショット目標とは、一人一つの仕事をするわけではなくて、一人で五人とか、三人とか、そういった形でいろんな仕事をことを目指すために掲げられた指標のことです。」
山田「AIで業務を自動化していくことで、そうした目標の達成に大きく近づきます。そうした世の中の流れと、我々が掲げている目標は非常に似通ってるのかなと考えています。」
FROGMAN「メタバース空間の方がAIは活用しやすいんですよね。今まさに行っているインタビューも、メタバースであればAIを使って実施することも可能になります。」
FROGMAN「リアルでは違和感を抱くようなことでも、メタバースであれは自然に挑戦できます。だから実は僕はAIとかNFTとかブロックチェーンとか、そういったサービスで一番本領発揮するのってやっぱメタバース空間だと思っています。」
FROGMAN「そうした観点でも、挑戦しやすい、構想を実現しやすいメタバースは、ビジネスと非常に相性の良い空間だろうと思います。」
ーーただのAIでなく、アバターを使ったことには理由があるのでしょうか?
FROGMAN「以前、僕たちは『マナームービー』という取り組みを行わせていただいたことがあります。映画の上映前に行われる諸注意をアニメーションで行う取り組みです。」
FROGMAN「こうした取り組みを行った理由は、キャラクターを介することでメッセージが相手に伝わりやすくなるからです。」
FROGMAN「映画館の支配人が注意喚起を行うより、キャラクターが注意喚起を行う方が、すんなりと納得できる。」
FROGMAN「ダイレクトじゃなくて第三者から言われることによって、ストレスなく受け入れてくれた事例が既にあるため、AIとアバターを併用することにしました。」
FROGMAN「類似した取り組みを重ねていく中で、それに加えてストーリーや情緒にメッセージを重ねて伝えるというのが非常に大事だということも感じました。」
FROGMAN「だから僕は、直接的にじゃなく、相手が信頼できるキャラクターにメッセージを発信させるという点ですごく大事だと思っています。」
FROGMAN「僕たちは今そういうキャラクタービジネスを主軸としている会社なので、将来的にはConectiの中にも、うちが間に入っていろんな会社さんのキャラクターを実装していって、会社の垣根を超えて色々なキャラクターと一緒に過ごせる空間を作って行きたいですね。」
ーーアバターに関しては、ゲーム領域においてかなり知見が蓄積されている印象があります。
山田「ゲームの観点でいえば、MMORPGやFPS等ではアバターがいることで話やすくなる感覚はあります。『人がいる』と感じられるかどうかが重要です。」
山田「例えば、無機質な球体がキャラクターだとしたら、それに近づいて話しかけようとしないと思います。」
山田「そこに本当の人間のようなキャラクター、例えば自分を表現したアバターがいることで初めて話しかけようと思うんです。」
山田「話しかけづらいっていう状況は滞留しづらいことに直結してしまうと思いますので、どうやって没入感とコミュニケーションを生み出すか考えたときに、改めてアバターが最適だと考えました。」
ーーコミュニケーションが生まれることは、ビジネスにおいて非常に重要ですよね。そうした部分も意識されて開発されているのでしょうか。
山田「そうですね。自由な身体表現が可能なアバターを使うことで、ストレスを大きく軽減できる場合があると思います。」
山田「コンプレックスや自認、ハンデを超えて『なりたい自分』になれて、『やりたいこと』をやれる可能性がメタバースにあると思います。そういう意味では、アバターを起用することは社会的にも非常に大きな意味があるのかなと考えています。」
ーーなるほど。身体的束縛などから解放され、色々な人がフラットに働ける世界やサービスになるイメージが湧きました。
ーーメタバースサービスとしてのConectiの概要・特徴について教えてください。
FROGMAN「Conectiの一番大きな特徴は、パブリックスペースというのが実装されていることです。」
FROGMAN「パブリックスペースとは、企業の垣根を超えて色々な人が集まれるスペースです。商談や自社のPR、人材交流など幅広い活動が可能です。」
FROGMAN「今までのクラウドオフィスは自社のコミュニケーションに特化していて、社外の誰かと繋がるためには、別途ビジネスSNS等を利用する必要がありました。」
FROGMAN「Conectiではサービスを利用している企業で働いている人たちが集まって交流できるため、社内コミュニケーションを促進しつつ、新たなビジネスチャンスに繋がる可能性があるんです。」
FROGMAN「また、パブリックスペースでコミュニケーションを活発化しうるエンタメ的な仕掛けも用意していまして、現実よりもカジュアルな形でビジネスの話をすることもできます。」
ーーコワーキングスペースオフィスというのがあると思いますが、それのメタバースバージョンで、色々な企業さんがいらっしゃるイメージが湧きました。
山田「そうですね。ベンチャー企業はもちろん、大手企業さんもベンチャー企業とマッチングしてオープンイノベーションを促進させることが可能であり、企業規模問わずメリットを得られる構造です。」
――Conectiを利用することで、単純にビジネスマッチングの選択肢が増えると考えることもできますよね。普段は全く接点の無い遠方の企業へ営業をかけたり、可能性が広がりそうです。
山田「はい。遠方の企業同士の繋がりを作れる点もパブリックスペースの持つ強みです。」
山田「私は地元が徳島で現地の企業さんと話すことも多いのですが、やはり東京の企業との取引に苦労している印象です。東京へ出張して営業をしても数社しか会えず、結局取引に繋がらなかったケースは多いように思えます。」
山田「地方創生的な観点でも、地方の企業さんが入ってきていただくと東京の企業と繋がれると思いますし、そういった側面もパブリックスペースは持っています。」
ーー距離的な障壁がなくなるということは、ビジネス的な交流という意味でも非常に有意義ですね。
ーー最後に、ビジネス・エンタメ問わず、メタバースの将来についてお話を伺いたいです。
FROGMAN「そうですね。現状のメタバースは、ミッシングリンクに似た状態だと感じています。」
FROGMAN「30年後の未来、私たちがどうメタバースを使っているのか、恐らくかなりイメージしやすいと思います。しかし一方で、現在の私たちはメタバースの使い方を上手く理解していません。」
FROGMAN「その理由はキラーコンテンツがないことだと思います。メタバースの有り方を伝えるためにConectiをキラーコンテンツにする意識で開発しているので、ぜひ色々な企業さんにご利用いただきたいです。」
ーー現在はビジネスに特化したメタバースを開発されていますが、将来的にエンタメ方面でもサービスを展開することはあるのでしょうか?
FROGMAN「はい。将来的にはBtoCにも開放して、社会実験をやりたいと思っています。」
FROGMAN「選挙や教育など、新たな取り組みをメタバースで実験してからリアルに実装する、そうしたメタバースの有り方も必要だと思います。Conectiでもそうした事例を作りたいです。」
山田「我々が『世界中からボーダーライン・境界性を無くす』ことをビジョンとして掲げています。」
山田「そのために、Conectiを世界中に広めて、地球上のあらゆる地域の企業と繋がれるサービスにしていきたいです。」
山田「現在Conectiはモニター募集をしているのですが、日本以外にもシンガポールやベトナムの企業からもモニターへの応募が届いています。ゆくゆくは地球の裏側にもConectiを広めていきたいです。」
山田「世界中の企業と繋がることで、国や地域の制約から離れてあらゆるビジネスにチャンスが生まれると考えています。日本で起業しても世界市場へ挑戦できる』と感じてもらう仕組みは実装していきたいなと思っています。」
ーー日本にいながらもグローバルに働くことができるようになるということですね。
山田「AI技術などで翻訳ツールが高性能化している現状を考えると、メタバースビジネスにおいて、英語能力は海外市場に挑戦する上で必須条件ではなくなると思います。」
山田「そういった意味では、本当に世界中と仕事ができる日本人がどんどん増えていってほしいなとは思います。」
ーー本日はありがとうございました。
・Conecti公式HP:https://conecti.co.jp/
・Conectiクローズドβ応募フォーム
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