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ーーよろしくお願いいたします。
ーーバイキング様は、今年創立15周年を迎えられたということで、本当におめでとうございます。
ーー簡単に貴社のご紹介をお願いしても宜しいでしょうか?
尾畑「株式会社バイキングは、そもそもは2008年に私が一人で立ち上げた会社でした。カプコンに入社し、アーケードゲーム・アクションゲームを制作してきた自身のノウハウを生かし、当初はプランナー&ディレクションに特化した開発会社としてスタート。」
尾畑「その後多くのスタッフ達の縁に恵まれて開発会社として成長を続けてきました。その甲斐あって、2016年には満を持してパブリッシャーとしてデビューいたしました。」
ーーバイキング様の創業時から15年、大切にしているルールや、想いなどはありますか?
尾畑「一番大事にしているのは、コーポレートビジョンとして掲げている、『面白いゲームをとことん面白く、遊ぶ人たちが夢中で楽しめるすごいゲームを作り上げる』という考え方です。」
尾畑「ゲームを作る人間が、ゲームを作る時にこだわるのは『どうやって面白いゲームを作るか』だけだと思います。私たちは、ゲーム作りを生業にするならば、この考え方は当然だという感覚でやっております。」
ーー非常に共感できます。いちユーザーとして、やっぱりゲームは『面白く』あってほしいです。
ーーですので、バイキング様の『面白いゲームを作る』というこだわりは、非常に素敵なお考えだと思います。
ーー一方で、いわゆるコーポレートビジョンを社内に浸透させるのは、非常に難易度の高いことであると感じています。
ーーバイキング様は、『面白いゲームをとことん面白く、遊ぶ人たちが夢中で楽しめるすごいゲームを作り上げる』というお考えを、どのように反映させ続けてきたのでしょうか?
尾畑「社員に問い続けることが大事だと考えています。今作っているこのゲームは本当に面白いのか?』『面白いゲームにするために、今やろうとしていることは最適なのか?』という問いを、社員一人一人やチーム全体に問うことを続けています。もちろん、自分に対しても常に問いかけています。」
尾畑「当社では、私自身が個々の社員とコミュニケーションを取ることもあるのですが、常に、『本当に面白いゲームを作らないと意味がないよね』というスタンスを持って、社員と様々な話をするように心がけています。」
ーーなるほど。社員に求めるだけではなく、尾畑様ご自身もストイックに『面白さ』を追求していらっしゃるのだと感じました。
ーー日常的な会話からコーポレートビジョンを意識して過ごされているのですね。
尾畑「ありがとうございます。本当に面白いゲームを作るために、常に『何が面白いのか?』という事を日常的にディスカッションするようにしています。」
尾畑「例えば、スタッフが使うソフトウェアや機材、プログラムを検討する際の相談も、導入した結果、少しでも『面白いゲームを期限内に作れること』に貢献できるのかということ常に見ています。」
ーー一貫して創業からぶれない軸を持つことで、バイキングは成長してこられたのですね。
ーーHPで拝見したのですが、福利厚生の一環として『家族休暇』というものがおありなのですか?
尾畑「はい、あります。家族の誕生日はお休みにしています。例えば、子供が3人いるお家でしたら、奥様と子供3人で4日です。あ、結婚記念日もあるので5日有給扱いですね。」
ーー非常に珍しい制度だと感じます。どのようなお考えで『家族休暇』を導入されたのでしょうか?
尾畑「前提として当社のスタッフが頑張れるのは、家族に支えてもらっているからだと思っています。クリエイターは決して『楽な仕事』ではないので、ユーザー様や同僚、上司など、多くの方に支えていただいて初めて頑張れるのだと考えています。」
尾畑「その『支えてくれる人たち』の中に『家族』という存在もある。そのため、いつも支えてくれる家族のために時間を使ってくれたら嬉しい、という想いで『家族休暇』を作りました。」
尾畑「例えば妻の誕生日があったとします。そして、夫が仕事で一緒に誕生日を祝えなかったとします。誕生日はまた来年も来ますが、今年の誕生日の時間は取り戻せないじゃないですか。ゲーム作りはどうしても忙しいときも多いので、堂々と休めるようにしたかった。」
ーー非常に共感できます。
尾畑「はい。そういうわけで本人の誕生日は、一応休みにはしていないのですが、今年から不公平さを埋めたくて独身の社員は『推し休暇』を作りました。」
尾畑「推しのゲーム発売日、ライブ、映画公開日などで使用可能です。推しがいない人は、誕生日が休みになる制度です。」
ーーそれは独身組もありがたいですね。
ーー他にもバイキング様ならではの取り組みはあったりしますか?
尾畑「例えば、自社開発中のゲームを、社員みんなで遊ぶ『大会』を実施しています。もちろん、大会なので優勝賞金も出ます。なので、みなさん本気です。(笑)」
尾畑「ゲームクリエイターが本気でトーナメントに挑むので、対象になった開発中のゲームのバランスは、もう全員の力で自然と調整できますよね。」
尾畑「社員みんなで本気でプレイして、そのゲームの面白さについて意見を言い合う。その意見を取ることも、目的の1つとしてやっています。」
尾畑「さらに申し上げると、大会に向けてみなさん本気なので、練習もかねてゲームをかなりやり込んでおります。皆さん。この2週間ぐらい社内の練習スペースで練習しています。その横で担当者がレビューをどんどんメモして、調整を進めていく。」
――単なる福利厚生や社内レクリエーションだけではなく、ゲームの質を上げることにもつながっているのですね。
取材日に行われたゲーム大会の様子
尾畑「他には、うちはコロナが流行る前までは年1回、社員旅行に行っていたのですが、社員とその家族や恋人も参加可能にしていました。」
ーーご家族だけでも太っ腹ですが、恋人まで社員旅行に参加できるというのは初めて聞きました。
尾畑「これも先ほどの『家族休暇』の話と繋がっています。一緒に旅行に行って楽しんでいただいたくのはもちろんですが、一番の目的は、ご家族の方に、一緒に働いている社員や、社長の私がどんな人か知っていただくことです。やっぱり、実際に顔を見てもらうことで安心していただいたり、職場のイメージが良くなったりすることもあると思っています。社員旅行を実施したのはそういった狙いもあります。」
ーーお話聞く中で、尾畑様は本当に共に働く社員の方を大事にされていると感じます。
尾畑様にとって、社員の方はどういう存在なのでしょうか?
尾畑「そうですね。昔は家族みたいなイメージもありましたが、今では一緒にものづくりをするチームメンバーだと思っています。」
尾畑「だからもちろん、社員1人1人を大切にしたいと思っていますが、ライバル心もありますし、厳しい気持ちもありますし、共に助け合いたいという気持ちもあります。」
尾畑「本当にいいものを作って成功していく会社としてどうあるべきなのか、というのは、いつも悩みながら進んでいます。常にどうしたら最善を取れるか、進んできたその結果が今この福利厚生の形だったりします。」
ーー福利厚生ひとつとっても、本当に考えて絞り出されたお答えだというのがすごく伝わってきました。ありがとうございます。
ーー尾畑様が思う、クリエイターから見た貴社の魅力は何ですか?
尾畑「チャレンジしやすいところです。人によって魅力になったり魅力にならなかったりするとは思うのですが、私が『ゲームづくりをやりたくてやっている人』なので、社員の『やりたい』や『やらせてほしい』という声に弱い。」
尾畑「だから、自発的に『やりたい』と言われるとやらせてみたくなってしまう。私はそういう世界観の会社を作りたいと思っています。実際、成功や失敗自体は重要じゃなくて、『これをやりたい』という前向きな空気を広げていくことに、本当の意味があると思っています。」
ーー言い換えると、バイキング様はやりたいことや目標がある人にはチャンスがたくさんあるということですね。
尾畑「はい。本当にやりたいとか、チャレンジしてみたいっていう人ほど、この会社はチャンスがあると思いますし、あっていると思います。」
尾畑「うちの中でもやっぱり評価されている人間はやはり自発的に動いていく人です。自発的に動いてくれる貪欲な子の方が、チャンスを使ってくれますし、こちらもチャンスのボールをパスしやすいです。」
尾畑「この業界でヒットメーカーになりたい人や、自分の好きにゲームを作れるような立場になりたいハングリーな人には、いい環境ではないかと思います。」
ーー実際の社員で、チャレンジすることでこのようなキャリアを進んだ、というような方はいらっしゃったりしますか?
尾畑「そうですね、実際に新卒で入った子が、プランナーを経て、3年目になる2,3ヶ月前にアーケードゲームのディレクターになることもあります。」
尾畑「しっかり働きつつ、元気があり、やりたいこと・やりたいという気持ちがあり、チャンスが来て『本人がやると決める』ことができれば、新卒から数年でディレクターになったり、リードプランナーだったり、プロジェクトを任せてもらえるような人材に成長していく例もあります。」
ーー実際にそのようなキャリアパスを歩んでいる方がいらっしゃるのは、これからバイキング様に入る方や業界を目指している方の希望ですね。
ーーそのような社員のやりたいことやチャレンジ願望はどのように吸い上げていらっしゃるのでしょうか?
尾畑「直接私にメールをくれてもいいのですが、なかなか無いので面談を実施したり、少し変わった方法で一緒にご飯に行ったりしています。」
尾畑「2人ぐらいの社員を連れて、お寿司コースと焼き肉コースとフレンチコースなどそれぞれに色々なレストランに、スタッフと一緒にご飯に行きます。」
ーーとても豪華なお食事ですね。でも、深いお話もしっかりできそうです。
尾畑「はい。普段そんなに話せない子たちと1時間とか2時間、ご飯を食べながらいろんな話ができるので、そこで目標やチャレンジしたいことを話してくれる人も多いですし、純粋に私の考えているこういう話をしやすいです。」
尾畑「そして、参加者の彼らに、『彼頑張っているので』とか『あの子と話してあげてほしいです』という感じで次にご飯に行く人を決めてもらい、その場でその子に対するメッセージを喋ってもらい動画でその人に送ってもらいます。」
尾畑「という流れでつながっていくのですが、私が選ぶわけではないので、普段私が直接声をかけにくいすごく若い子や、入社したての子に声かけやすい。」
尾畑「それにより、いろんな人と話ができて、周りから評価や期待されていたりする人がわかったり、私自身も本人の想いを聞けたりする、ということもやったりしています。」
ーー初めて聞く試みでしたが、尾畑様と社員もそうですが、社員同士でも理解が深まる素敵な試みですね。
ーーバイキング様が「面白いゲームを作る」この思いの元、成長し続けられる要因を垣間見られた気がしました。
ーー今後バイキング様として、チャレンジしていきたいことや、目標はございますか?
尾畑「ゲームメーカーになるというのが、創立時の最初の目標なので、新しい自社タイトルを作って宣伝、販売まで自分たちで広げていくところまでできるようになることです。」
尾畑「そのためには、ゲームづくりだけではなくてゲームのプロモーションも大事。私自身がYouTubeを始めたり、バイキング公式VTuberの波浪ヒカリちゃんのお力を借りたり、様々なチャレンジをしています。」
バイキング公式VTuberの波浪ヒカリちゃん
ーー最後になりますが、このインタビューを見てくださっている、ゲーム業界を目指している方にメッセージをいただいてもよろしいですか?
尾畑「私もかつてそうだったのですが、目の前のことであまり判断しないようにした方がいいかなと思います。」
尾畑「私らがゲームを作る時は、完成形があり、入れたい要素を先に決めて、逆算で考えて作っていきます。それと同じで自分の進路も、最終的にまではいかなくても、自分がどう成功したいのか、どんな素敵な自分になりたいのかをある程度おぼろげに作ってから、それを逆算して次どうあるべきかというのを考えた方が良いと思います。」
ーーなりたい自分を描いてから、ですか。
尾畑「そうです。例えばお給料や勤務時間といった部分よりも、どういうゲームを作りたいのか、どういうゲーム人になっていきたいのか、といった5年、10年先を見て、そうなるためにどういうお仕事が良いのか、というのを見るといいと思います。」
尾畑「そして、私が言う言葉でヒットメーカーになりたい人や、自分の好きなゲームを作りたい人、ゲーム業界でやりたいことがある人は、ぜひバイキングに来てください。一緒にチャレンジしていきましょう。」
ーー本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。
〇株式会社バイキング 採用ページ〇
(URL:https://byking.jp/recruit/ )
1994年、カプコンに入社、カプコンアーケードチームのゲームディレクターを務める。 2008年春、東京にてこれまでのノウハウを生かしプランナー&ディレクションに特化した開発会社、株式会社バイキングを設立し同代表(CEO)を務める。
尾畑心一朗率いるアクションゲームの職人工房。
「作るゲームをとことん面白くする!」というコンセプトで日々ゲーム開発に励む。
社名”BYKING”には、
『海賊(バイキング)のような開拓精神をもとう』
『バイキング料理のように好きなものを好きなだけ、欲張りな物作りをしよう』
『王(By King)のように誇りと責任をもって仕事にあたろう』
という想いが込められている。
国内大手メーカー出身のベテランクリエイターが多く在籍し、
特に対戦アクションゲームの開発に長ける。
本当に面白いゲーム創りを貫き、ユーザーとゲーム業界に貢献するクリエイター集団。
〇公式HP〇
URL:https://byking.jp/#1
〇公式SNS〇
Twitter: https://twitter.com/byking_official
YouTubeURL:https://www.youtube.com/@BYKING_GAME