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東京大学法学部卒業後、2002年にテレビ東京入社。
2018年に独立し、エンターテインメント全般のプロデュースを手がける。
同年、シンガポールにてDigital Entertainment Asset Pte.Ltd.創業。
GameFiプラットフォーム「PlayMining」を運営。2022年1月には、「DEAPcoin(DEP)」を日本初上場へと導く。
2009年 TEPCO PG入社。主に東南アジアにおける海外コンサルティング、MA等を担当する。
その後、国際協力機構(JICA)にてODA案件開発に従事した後、Greenway Grid Global Pte.Ltd.のInnovation Managerを務める。
日本のインフラをWeb3でdemocratizationし、社会課題を解決し続ける未来を目指す。
※記者会見の写真
鬼頭様(以下、鬼頭と表記)「まずは、私から今回のプロジェクトの大枠について説明させていただきます。今回のプロジェクトは『Growth Rings Project』と名前をつけさせていただきました。」
鬼頭「Growth Ringsとは木の年輪のことで、いたずらに早い成長を追い求めるのでは決してなくて、継続するように、年輪を一輪一輪刻むように、そんなプロジェクトにしたいと思いこのプロジェクト名を付けさせていただきました。」
鬼頭「皆様ご存知の通り、このWeb3業界は移り変わりが非常に激しい。様々なプレイヤーがこの業界に参入しては、売り抜けて出ていってしまう。そのような事例がまだまだあるのが、このWeb3業界の実情であると感じてます。」
鬼頭「我々が目指すところは、決してそこではありません。このプロジェクトに関わる全ての方、その地域の方々全てが幸せになれるようなプロジェクトにいたします。」
鬼頭「そしてその結果、社会環境にも貢献できる。そのようなことを成長として私は定義して、このプロジェクトを進めていくという決意で、本日語らせていただいております。」
鬼頭「東京電力PGの管内には、約600万本の電柱と、4万5000基の鉄塔が立っています。」
鬼頭「その電柱というのは、広告を貼ったりという活用は多少あったりもするのですが、基本的には電気を送るためのものでしかありません。皆様が生活する上で邪魔なものですら、今まではあったのだなと思っております。」
鬼頭「今回我々が目指すゲームというのは、この電力アセット、電柱なり鉄塔なりにもう1個新たな価値を付け加えて、そしてWeb3という新しい技術を掛け合わせた社会貢献ゲームです。」
鬼頭「今回はそれをフックにして、さらに日本のインフラの仕組みを変えていくようなことを目指していきたいと思っております。」
※記者会見投影資料より抜粋
鬼頭「プレイヤーの皆様は、ゲームで楽しみながらも、報酬を得ることができます。ですが、ゲームをプレイしていると、結果として気づいたら社会貢献をしている。そういう動線作りを進めていきたいと思っています。」
鬼頭「検討中ではありますが、例えば電柱などの電力アセットの不備をゲーム内で報告できるようにすることも考えております。設備の老朽化や電線へ異物が絡まっていたりなどの『異常』は、本来、電力会社の担当者が多くの労力をかけて一つ一つ点検をしています。」
鬼頭「このプロセスに何か問題があると、停電などの電力の以上が発生してしまいます。地域の電力供給を維持するためには、非常に重要なプロセスです。」
鬼頭「逆に言えば、こういった『老朽化を報告する』というプロセスをゲームに組み込むことで、プレイヤーは間接的に健全な地域の電力供給に貢献できる。こういった、地域貢献、社会貢献が達成できるようなタイトルを目指しています。」
鬼頭「来年(2024年)の頭には、PlayMiningのプラットフォームでそれがリリースできるように、今まさに検討を進めているところです。ぜひ皆様、ご期待いただければと思っております。」
※記者会見投影資料より
※記者会見投影資料より
山田様(以下、山田と表記)「私からは、本取り組みにWeb3や『Play to Earn』を使うメリットについてお伝えしていきます。そもそも、Web3が登場する以前からゲーミフィケーションというものは研究され、その効果というのは非常に(すごいものだと)言われております。」
山田「では、具体的に、ゲームの中では何が起きているのか?まず、ゲームには目的ないしはクリアするべき課題が明確にあることが多いです。バトルゲームならバトルに勝つこと、パズルゲームならパズルをクリアすることが、当然ながら目的としてあります。」
山田「そして、ゲームをプレイしていく中で、『ゲームの勝敗』という非常に明確なフィードバックと、それに対するインセンティブが与えられます。RPGで敵のモンスターを倒したら、ゲーム内の通貨が手に入るようなイメージです。」
山田「目標・フィードバック・インセンティブ。ありとあらゆるゲームというのは、こういった形で人々の行動を変容させるための素晴らしい仕組みです。そこに、我々はWeb3的なトークンインセンティブの仕組みとして『Play to Earn』を活用していきます。」
山田「エンターテイメントの世界では、実は『食わず嫌い』ということが問題になっています。つまり、『自分の好きなエンタメしか摂取しない』ということです。インターネットの発達によって人々は急速にリターゲットされて、自分の好みのものだけを消費する世界になっています。」
山田「そういった世界に対して『お金』というのは、まさに全人類に通用する共通言語として訴求することができるという形です。このPlay to Earnというのは、自分の好み以外のコンテンツに触れるために非常に有効です。」
山田「もう一つ、普通のゲームにはない体験価値というものが実は得られることが、3年間このサービスをやってきてよくわかってきました。ゲームを通じて、実際の社会課題が解決するんだという手応えです。」
山田「今回のゲームを通して見ると、ひびが入っていた電柱を自分が見つけたことにより、それが修復されて直る。自分の行動が、ちょっとだけ地域の役に立つ。」
山田「そういった達成感のような、普通のゲームからは得られないものが得られるということがあります。」
山田「やはり人の行動変容というキーワードは非常に大事なことであり、そこに対してソリューションを出すということは本当にWeb3の仕事だろうなと思いました。」
※記者会見投影資料より
山田「皆様も疑問に思われると思うのですが、Web3ソリューション、つまり仮想通貨やNFTというものがなぜ必要なのかというところです。」
山田「このゲームやインセンティブというキーワード自体は、実はWeb3ソリューションを使用しなくても実現は可能です。お金をそのまま配ればいいし、エネルギーを使わず、データベースのようなシステムで同じようなことができます。」
山田「しかし、我々が解決しないといけない課題というのは、基本的には世界で繋がっているのです。」
山田「一気に世界を変えたい・解決したいという思いももちろんありますし、実はそれぞれの課題を解決するときに、キーワードとして『クロスボーダー』、それから『マイクロである』ということが非常に重要になってきます。」
山田「ご存知のように、仮想通貨の世界では基本的にあまり国境の概念がありません。我々が既にローンチしているPlay to Earnゲームでも、多くの日本の方がフィリピンの方をゲーム内で雇用して給料を払っていたり、そういうことをもう実現しています。」
山田「そういった形で課題をグローバルにし、最初からクロスボーダーにしていく。そして、マイクロに(少額だが高頻度の)報酬体系を作ることで、滑らかに人々の行動というものを評価してモチベートしていく。」
山田「そのためには、Web3ソリューションというものが必ず必要になってきます。グローバルな課題の解決には、ブロックチェーンは非常に相性が良いのです。」
山田「今回の取り組みは、まずは日本の電力をターゲットに行います。ですが、いずれはそういったことも視野に入れていきたいと考えております。」
※記者会見投影資料より
――既存のものの見方を変えるという考え方は、まさに開発中のゲームに顕著に表れていますね。
山田「Web3というと、非常に珍奇で新しいものが生み出されるようなイメージを皆様お持ちだと思うのです。」
山田「ですが、実はそうではなく、皆が見ている世界をそのまま、手を入れずに見方を変える、そのようなことをするのがWeb3の仕組みだと思います。」
山田「このゲームが始動することによって、今までは何気ない風景の一部であった電柱が、途端に価値を帯びてくる。ユーザーの皆様はおそらく街中で電柱を見つけると嬉しくなるし、まるで宝物を見つけたような気持ちになると思います。」
山田「今回のゲームは『電柱を愛でる』というのが一つキーワードです。自分が愛でている電柱にひびが入っていたら、東京電力さんに連絡したくなりますし、広告枠が空いてたら、それを活用したらいいのではないかと自分の電柱に関しては思うのではないでしょうか。」
山田「そんな、新しい取り組みを日本で進めてまいりますので、引き続きご注視いただけましたら幸いです。」
――今回はありがとうございました。『行動変容』と『社会貢献』にフォーカスした新しいWeb3ゲームのリリースが楽しみです。