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見知らぬ男にいきなり刃物でめった刺しにされたヤクザの親分。
犯人の男は、気性の激しいはみ出し者の刑事が追う連続殺人鬼だった・・・。
『THE GANGSTER THE COP THE DEVIL』という英題が示すとおり、ヤクザの親分、刑事、殺人鬼の三つ巴のシンプルな設定が見事。
ヤクザの親分と刑事は立場上反目しながらも同じ獲物(殺人鬼)を狙うために共闘していくことになるが、法の裁きか私的な復讐か、それぞれの最終的な目的は決定的に違う。
このことが当事者の関係性を2対1←→三つ巴の間で目まぐるしく揺り動かすことになるため、最後まで展開から目が離せない。
特に終盤のたたみかけるような「狩り」のシーンは血の温度も上がるほどの緊迫感。
裏社会、警察、殺人鬼、暴力的なアクションに決死の追走劇とカーチェイス、まさに韓国ノワールのエッセンスがたっぷり詰まった作品だが、それでも全編通して最も目を引くのはヤクザの親分を演じるマ・ドンソクのインパクトある存在感と魅力。
これはもはや彼のための映画だ。
稼業の恨みなどには全く無関係の殺人鬼に刺されてしまった彼は間違いなく不幸だが、彼を刺してしまった殺人鬼も不幸では?
その贅沢な答え合わせは是非本編で。
刑事やヤクザの矜恃があまりにエネルギッシュに描写されていて、気付くと善悪の価値観とは別の観点から他人にあまり見られたくないような笑みを浮かべてしまっていた。
凶暴なヤクザの組長チャン・ドンスが、ある夜何者かにめった刺しにされる。
奇跡的に⼀命をとりとめたドンスは対立する組織の仕業を疑い、手下を使い犯人探しに動き出す。
一方、捜査にあたるのは、暴力的な手段も辞さない荒くれ者のチョン刑事。
彼は事件がまだ世間の誰も気づいていない連続無差別殺人鬼によるものであると確信し、手がかりを求めてドンスにつきまとう。
互いに敵意を剥き出しにしながら自らの手で犯人を捕らえようとするドンスとチョン刑事。
しかし狡猾な殺人鬼を出し抜くために互いの情報が必要であると悟った2人は、いつしか共闘し犯⼈を追い詰めてゆくーー。
■出演:マ・ドンソク、キム・ムヨル、キム・ソンギュ
■監督・脚本:イ・ウォンテ
■配給:クロックワークス
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