孤独な少女と、子どもにしか見えない“もふもふ”ブルーの感動の物語『ブルー きみは大丈夫』が、現在全国公開中だ。その公開を前に、主人公の少女ビーを演じたケイリー・フレミングが初来日。話を聞いた。

―試写会では泣いている方もたくさんいましたが、この物語のどこに魅力を感じましたか?

一言では言い表せないのですが、ストーリー全体が響きました。キャラクターもそうですし、心が温まるストーリーにも感動しましたし、なによりポジティブですよね。ダークになって来たこの世界で、この光りのような作品は必要だと思いました。

―IF=イマジナリーフレンドの存在は、こうして映画になるくらいなじみがあるものなのでしょうか?

なじみはあると思います。個人的にはIFの体験はなかったのですが、存在としては認知されているほうで、今回の製作にあたってジョン・クラシンスキー監督が児童心理学をリサーチした過程で知ったことのひとつに、子どもの頃、自分が必要としているものに合わせてみなさん、それぞれにIFを作り出すということ、がありました。

たとえば学校でいじめられていれば、大きくて守ってくれる、ハグをしてくれるようなIFを想像するのだそうです。そういうことを聞いて、とても面白いなと思いました。

―演じられた主人公の少女ビーは共感を集めそうなキャラクターですが、どのようなことを意識しましたか?

彼女は成熟している女の子で、感情面での知性がありますよね。自分の感情と行動が、しっかりと連動しています。でも気持ちを抑制するタイプなので、それがいっぱいになるとあふれてきます。なので物語とともにキャラクターが成長していく過程を観てもらうことになると思います。

ただ、彼女はジョンが考えていたキャラクターだと思いますし、脚本にもその想いは込められていたと思います。この作品自体がジョンのおかげで作られたものなので、わたしはその一部でしかなかったんです。

―ライアン・レイノルズとの共演の感想はいかがでしたか?

撮影中、いつも横で様子を観ていましたが、すべてに長けている方でした。ユーモアもあり、本当に演技も上手いんです。もちろんIFたちは、代理のものがあったりなかったりだったので、時々自分が何をしているのか不安になることがありましたが、でもライアンを見ると、何もないものに対して演技をしている様子が素晴らしかったです。すごいことですよね。

そこからインスピレーションを受けてわたしもビーを演じることが出来たのですが、一見すると傍から見たら妙に見えることでも、イケている感じで演じてしまう、それがライアン・レイノルズの魅力なのかなと思いました。何もかもが素晴らしかったです。

―これまで『スター・ウォーズ』では幼少期のレイ、ドラマ「ロキ」では少女時代のシルヴィを演じるなど、人気シリーズも経験されていますが、どのように受け止めていますか?

クールだと思います。MCUは兄の影響で好きになりました。去年、サンディエゴのコミコンでケヴィン・ファイギ(マーベル・スタジオ社長)に会うことが出来たのですが、動揺してしまって自分の名前も年齢も忘れてしまったんです。次に会う時は、「ロキに出ているのですが」という感じでいこうと思います(笑)。

彼はマーベル・スタジオのプレジデントなので、わたしはそういうレベルではないのですが、(この仕事を)最高に思っています。同じ世界に身を置けること、光栄に思います。

―あこがれている人はいますか?

もともとライアンにしてもジョンにしてもファンでしたが、人となりを知れて、なおかつ尊敬できることは素敵なことだと思います。自分が知っている人をリスペクトできることは最高なことですよね。インスピレーションの源ではあるのですが、ゼンデイヤさんがわたしのクイーンです。

―彼女のどこに惹かれますか?

スーパーヒーローではスパイダーマンが一番好きなのですが、ディズニー・チャンネルの時代からずっとファンなんです。どんなジャンルも出来る、素晴らしい演技を見せてくれると思っています。あとはファッションです。作品に合わせたテーマでしっかりレカペに現れるところも最高に好きです。会ったら死んじゃうかも知れないです(笑)。

―俳優の仕事の面白さとは何でしょうか?

新しい人との出会い、友情、家族のような関係になることが好きです。今回も最高のクルーに恵まれて、みんな今回の作品のために力を尽くしました。わたしは18歳未満だから10時間しか仕事はできなかったのですが、みんなそれ以上の時間働いているのにつねに笑顔なんです。それはやはりジョンのお陰だと思いました。つねにしっかりケアしてくれるジョンの人柄ですね。常にフードトラックを呼んでくれて、ドーナッツ、アイスクリーム、チョコレート、みんなにとってとても居心地のいい現場を作ってくれて、相手をほめ、感謝の言葉を述べるんです。そのおかげでこの作品が出来上がったところはあると思いました。

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記事名:「 【来日インタビュー】『ブルー きみは大丈夫』ケイリー・フレミング、「ダークになったこの世界、光りのような作品は必要だと思いました」