- 週間ランキング
東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)では、2022年3月25日(金)まで、楳図かずおの世界を体感できる「楳図かずお大美術展」を開催するが、それに先駆けプレス向け内覧会とオープニングセレモニーが開催され、今回27年ぶりの新作が公開となる楳図かずおと、楳図かずおの大ファンを公言している中川翔子が登場した。
この「楳図かずお大美術展」は、長期に渡って歴史に残る傑出したマンガ作品を多く世に送り出した楳図かずおの「比類なき芸術性」に焦点を当てた展覧会。楳図かずおの代表作のみならず最新作の<絵画>を通じて、気鋭のアーティストらとともに「楳図かずおの世界」を表現する意欲的な展覧会だ。
内覧会では本展キュレーターを務めた窪田研二氏が登場。まず大きなコンセプトとして「楳図かずおは偉大な芸術家であり、これは回顧展ではありません」と言い、通常の展覧会とは異なる内容であることを説明。楳図かずおが漫画のさらに先の高みを目指した結果行きついた、<絵画>という手法で生み出された27年ぶりの新作となる連作絵画101点と、現代作家のインスタレーション3個を用いて楳図かずおの世界に迫ると趣旨を説明した。
まず展覧会入口付近では、テクノロジーについての作品を発表しているエキソニモが制作した、「わたしは真悟」をテーマにした巨大なインスタレーションが鎮座。大量のケーブルが山積する空間に設置されたモニターから「わたしは真悟」の作中場面が映し出されているほか、ガラスの向こうには悟と真鈴が頂上から救助ヘリに飛び移った東京タワーが視界に入るという圧巻の展示空間となっていた。
続いて楳図かずおの年表、マンガなどの展示を抜けると、4年の期間を費やしたという27年ぶりの新作「ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館」が本邦初公開。1990年代の作品「14歳」以来、実に27年ぶりとなる新作であるが、本作は物語性を持つ点ではマンガと親和性はあるものの、101点から構成される各作品にはコマ割りがなく、1枚1枚が絵画作品として制作されている。それぞれの作品はぜひ現地でじっくりと堪能してほしい。
また、上記絵画連作を抜けると暗がりのコーナーが。現実と虚構を往来するような作品を得意とする冨安由真氏が、楳図かずおの新作が着彩される前の素描(鉛筆画)101点を展示する同部屋全体の演出を手掛けるとともに、部屋の中央には小部屋のような構造物を制作。素描のモノクロームな世界と、夢の中にいるような光と影の空間演出が入れ子状になって交互に浮かび上がり、没入感がたまらない凝った演出となっている。
後半には、鴻池朋子氏による楳図作品のトータルインスタレーションを設置。鴻池氏は楳図かずおの根底にある欲求やイメージを探りながら新作を制作したそうで、楳図かずおの新作の素描にリスペクトを込めたドローイング「かずお14歳」や楳図漫画に象徴的に登場する非常階段、「14歳」の終盤に登場する“ゴキンチの先生”の顔をオモリとして作られた振り子などで構成されるトータルインスタレーションで同展覧会を締めくくる。
会場内の特設ショップでは、新作「ZOKU-SHINGO小さなロボット シンゴ美術館」や、過去の楳図作品のビジュアルを使ったアイテムなど、展覧会会場だけのオリジナルグッズを含む約190種類を販売する。
こちらは、名作おろちの「扉絵」を使用した豆皿(990円)。
展覧会といえば図録だが、楳図かずお自らが企画した新作アートの編集本「楳図がつくった“楳図録”」(3190円)も。「333のテッペンカラトビウツレ」というシンゴ(「わたしは真悟」)のメッセージにちなみ、高さ「333mm」というこだわりの仕様だ。楳図かずおが仕掛けた、ギミック、アート、メッセージが納められているそう。ぜひ会場で、目で見て確認を。
展覧会会場と同フロアにあるカフェ「THE SUN & THE MOON」では、コラボレーションカフェ「UMEZZ CAFE」として期間限定オープン。楳図かずお作品や楳図かずおをイメージしたコラボメニューを提供している。
「洗礼」の上原さくらソーダ(1180円)は、脳移植によって娘・さくらの身体を手に入れた母・いずみをモチーフに、可愛らしい見た目はさくらをイメージしつつ、味はいずみの大人な雰囲気にシソシロップとクランベリージュース入りのソーダで表現。脳をモチーフにしたミルクプリンがインパクト大!
楳図ハウスパフェ(1750円)は、赤と白の楳図かずお邸を表現した一品。ガトーショコラや苺のパフェに、苺のロールケーキのお顔が可愛らしい一皿だ。チョコスポンジや抹茶クリームのガーデンが周りを彩る。
楳図氏は、「間違いなくがっかりさせることのない展覧会です。ゆっくり見て、それを家に帰って考えて、楽しんでほしい。そしてそれをぜひ口コミで広めてほしい!」とファンに向けてメッセージをコメント。
中川さんは、「進化し続ける楳図かずお先生の展覧会! 世界中の全人類早く見て! という気持ちです」とコメントした。
【展覧会概要】
◆展覧会名:『楳図かずお大美術展』
◆会期:2022年1月28日(金)~3月25日(金)
※57日間/会期中無休
◆会場:東京シティビュー(六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階)
◆開館時間:10:00~22:00(最終入館21:30)
◆料金:一般2,200円/学生(高校・大学生) 1,500円/子ども4歳~中学生900円/シニア(65歳以上)1,800円
※屋内展望台入館料含む
※4歳未満無料
※料金はすべて税込です。
※障がい者手帳をお持ちの方(介助者1名まで)は無料です。
※本展は事前予約制(日時指定券)を導入しております。
◆主催:東京シティビュー、楳図かずお大美術展製作委員会
◆後援:六本木商店街振興組合、J-WAVE
◆問い合わせ:03-6406-6652(東京シティビュー)
◆公式サイト:【展覧会公式ポータルサイト】https://umezz-art.jp
【東京会場公式サイト】https://umezz.roppongihills.com
◆公式Twitter:https://twitter.com/umezz_art(@umezz_art)
※本展覧会に関する情報は予告なく変更になる場合があります。最新情報、詳細注意事項を公式サイトおよび公式SNSにて必ずご確認ください。
◆巡回情報:大阪会場(あべのハルカス美術館)2022年9月17日(金)~11月20日(日)
(C) 楳図かずお
エキソニモ 《回想回路(Callback)》 2022年 ミクストメディア (C) エキソニモ (C) 楳図かずお/小学館 Photo:Ken Kato
冨安由真《Shadowings》 2022年 ミクストメディア (C) 冨安由真 (C) 楳図かずお Ph《振り子 ゴキンチの先生(PendulumGokinchi no Sensei)》 2022年 アルミ、ステンレスワイヤー、スタイロフォーム、 アクリル塗料、スピードコントロールモーター (C) 鴻池朋子 (C) 楳図かずお/小学館 Photo: Ken Katooto: Ken Kato
<豆皿 おろち> 990円 (C) 楳図かずお/小学館
<楳図録> 3,190円 (C) 楳図かずお