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アニサキス症は、生や加熱が不十分な魚介類の摂取によって引き起こされます。特にサケ、サバ、サンマ、イカなどがアニサキスの宿主となりやすい魚です。アニサキスが体内に侵入すると、数日から1週間ほどのあいだ、激しい腹痛や吐き気、嘔吐、みぞおちの強い痛み、腹部の張りといった症状が断続的に現れます。稀に、症状を放置すると重篤な状態に陥ることもあるため、早めの対処が必要です。
ほとんどの場合、胃カメラ検査によってアニサキスの存在を確認し、その場で除去することで痛みを和らげることが可能です。また、腸に侵入した場合や稀なケースでは大腸カメラや超音波検査を用いることもあります。
予防策としては、魚介類を十分に加熱することが最も効果的です。アニサキスは70℃以上での加熱、または-20℃以下での冷凍によって死滅します。また、魚の内臓を生で食べるのは避けましょう。
アレルギーのある方は、加熱された魚でも症状を引き起こす可能性があるため、アニサキスが寄生している可能性のある魚介類を徹底的に避けることが重要です。
この春、魚介類を安全に楽しむために、アニサキス症への正しい理解と予防を心がけましょう。万が一、不調を感じた際は早めに医療機関を受診してください。
取材協力・四谷内科・内視鏡クリニック
院長 高木 謙太郎
https://www.yotsuya-naishikyo.com/
取材/文 石田あかね