暖かくなる春、特に4月から5月にかけては、新鮮な魚介類を楽しむ人が増える時期であるが、それに伴いアニサキス症のリスクも高まる。アニサキスは魚介類に寄生する寄生虫であり、体長は約2~3cm、透明な糸状の形状をしている。生の魚や加熱が不十分な魚を摂取することにより体内に侵入し、胃や腸の粘膜に影響を及ぼす可能性がある。今回は、消化器内科(内視鏡)および糖尿病内科を専門とする四谷内科・内視鏡クリニックに話を伺った。

イメージ・アニサキス

アニサキス症の原因と症状について教えてください

アニサキス症は、生や加熱が不十分な魚介類の摂取によって引き起こされます。特にサケ、サバ、サンマ、イカなどがアニサキスの宿主となりやすい魚です。アニサキスが体内に侵入すると、数日から1週間ほどのあいだ、激しい腹痛や吐き気、嘔吐、みぞおちの強い痛み、腹部の張りといった症状が断続的に現れます。稀に、症状を放置すると重篤な状態に陥ることもあるため、早めの対処が必要です。

診断と治療方法を教えてください

ほとんどの場合、胃カメラ検査によってアニサキスの存在を確認し、その場で除去することで痛みを和らげることが可能です。また、腸に侵入した場合や稀なケースでは大腸カメラや超音波検査を用いることもあります。

予防するにはどうしたら良いでしょうか?

予防策としては、魚介類を十分に加熱することが最も効果的です。アニサキスは70℃以上での加熱、または-20℃以下での冷凍によって死滅します。また、魚の内臓を生で食べるのは避けましょう。
アレルギーのある方は、加熱された魚でも症状を引き起こす可能性があるため、アニサキスが寄生している可能性のある魚介類を徹底的に避けることが重要です。
この春、魚介類を安全に楽しむために、アニサキス症への正しい理解と予防を心がけましょう。万が一、不調を感じた際は早めに医療機関を受診してください。

取材協力・四谷内科・内視鏡クリニック
院長 高木 謙太郎
https://www.yotsuya-naishikyo.com/

取材/文 石田あかね

情報提供元: TREND NEWS CASTER
記事名:「 春から初夏、リスク高まる「アニサキス症」の予防法と対策について