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前年(53件)に比べて19件・3割超の急増となり、過去最多を大幅に更新。
人件費や電気代、原材料コストなどが高騰する一方、「ラーメン1杯=千円の壁」に代表される価格転嫁の難しさで板挟みとなり、閉店を余儀なくされたケースが多くみられた。
2023年度におけるラーメン店の業績をみると、「赤字」が33.8%。
利益の減少を示す「減益」(27.7%)を合わせた「業績悪化」のラーメン店は、61.5%となった。
なお、コロナ禍の影響が直撃した20年度(81.0%)に次ぐ、過去20年で2番目に高い水準。
国内グルメにおけるラーメン人気の高まりや、訪日客などによる需要増が追い風となっている。
一方で、原材料などの仕入価格や人件費、スープの炊き出しにかかる光熱費といったコスト増を価格へと転嫁できず、利益確保が困難となるケースが多くみられた。
こうしたコスト高が現状のメニュー価格に追いついているとはいえず、ラーメン価格は値上げが続くものの全国平均700円を下回る水準が続いている。
安い日常食のイメージがなお根強く、トッピングなしで1杯あたり1,000円を超えると客足が遠のくといわれるほど「適正価格」の形成が難しいことも、利益確保が年々困難化する要因となっている。
他業界に比べて値上げが難しい特有の事情も抱えるラーメン店業界では、各種コストの増加分を価格に転嫁できない中小店を中心に、2025年も倒産増加のトレンドが続く可能性がある。