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それゆえに出演をオファーしたわけですが、今作は身体的精神的にハードなシーンも多く、八村さんはまだ演技経験がそれほどないということで、こちらに当初不安があったことも確かです。
けどその不安は、撮影初日で消えたことを覚えています。
脚本を読み込む知性とそれを演技に昇華する身体性……八村さんは表面的には見せませんが、映画で主演をやるということは本当に大変なことで、陰には並々ならぬ努力があっただろうし、プレッシャーもあったと思います。
2番目に印象的だったのは初号試写で、八村さんの、恥ずかしそうにそそくさと帰っていった、どことなく微笑ましい姿でしたが自信を持って、八村さん演じるユウについては、観客の方々にその姿を是非スクリーンで見届けてもらえればと思います。
児玉監督:八村さんはWATWINGのメンバーとして歌にダンスに華がありながらも、普通の青年っぽさもある、けれどもその「普通っぽさ」が「普通ではない」ところが魅力だと思います。
目を細めて人懐っこく笑っている姿は同年代のどこにでもいる青年ですが、時折こちらが少し心配になるような気難しく神経質そうな顔をしていることもよくあるし、こちらがドキッとするようなりりしい表情をしている瞬間もあります。
おそらくはその全てが「八村倫太郎のリアル」なんでしょうが、スッと入った建物が、なかなか出られない迷宮になっていたような……奥深さのある魅力を感じます。
©︎ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会