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—梅雨など気象環境に影響されるメンタル不調は毎年同じように繰り返すものなのでしょうか。
飯島院長
実は 『季節性うつ病』という正式な医学病名も存在します。文字通り季節によるうつ症状の悪化を繰り返すのが特徴のうつ病の一種です。基本的には冬場に症状が悪化する冬季うつ病がメインですが、一部には春から夏にかけて悪化する人もいるようです。
ただ、季節性うつ病と診断されるのはうつ病の患者さんの中でもほんの一握りだけですから、うつ病全般や、健康な人には当てはまらない特殊な病態と考えて良いと思います。毎年同じように季節により大きく気分が変動するならばこの病気の可能性を疑ってみても良いでしょう。
—GW明けの不調を起こさないためにはどうしたらいいのでしょうか。
飯島院長
これまでお示ししたように、とくに梅雨時期のメンタル不調には日照の不足が大きな要因になるように考えられます。昼間は窓際などできるだけ明るい場所で過ごすようにし、室内照明なども上手に使いましょう。
ところで、今回の論文検索によると、日中の日照がうつ病の予防や改善に役立つと言われる一方、夜間に人工光(特にスマホやタブレットのブルーライトが有害でしょう)に接すると逆にうつ傾向が強まるという研究も見られました。日照の少なくなる梅雨時だからこそ、夜間の人工光への接触を減らすことが大切になってくるのではないかと思います。
特に、子どもの場合は夜間にスマホやタブレットに接することで極めて簡単に睡眠覚醒リズムの乱れ(朝起きられない)を引き起こしてしまいます。私の臨床上でも、日没以降、スマホやタブレットを制限することでリズムを回復できるケースにはたくさん遭遇しています。
梅雨の時期をきっかけとして、夜間の人工光への接し方を考えてみるのも良いでしょう。
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科出雲いいじまクリニック
院長 飯島慶郎(不登校専門クリニック心療内科 漢方内科)
https://sites.google.com/view/izumo-iijima-clinic
所在地:島根県出雲市大社町杵築東454
2018年全国初となる不登校診療専門クリニックを開設し、治療に力を入れこれまで延べ100人以上の不登校患者を改善に導く。患者に学びながらオリジナルの診療法を確立し診療にあたるさなか、自身の娘の不登校も経験。多くの不登校児と娘の診療を通じて、不登校の背後には子どもの「精神疾患」があるということに気づく。
志を同じくする医師たちに自らが培ってきたノウハウを提供することで、全国へ不登校診療クリニックのネットワークを拡大することを目指す。