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磯村演じる佳道は「この世界で生きていくために、手を組みませんか」。
また、佐藤演じる大也は「なる前に毎日思う。朝起きたら、自分以外の人間になれていますようにって」。
さらに、東野演じる八重子は「性欲とか恋愛とか結婚とか、全部関わらずに生きていけるならそうしたい」と、それぞれ劇中の印象的なセリフと共に、何かにとらわれたような表情を浮かべている。
映画本編でこれらのセリフがどんなシーンで登場するのか、期待が高まるビジュアルだ。
さらに、一足早く映画を鑑賞した著名人からの絶賛コメントも到着した。
明日死にたくない人、
明日死なない人は観た方がいい。
明日生きてる人、
明日死んでもいいと思っていない人は観た方がいい。
観た方がいい。
一般的、当たり前、何の変哲もない事の異常性が浮き彫りになる気分爽快な物語なのに、息も飲めずに喉が渇いた。
あらゆるものを多様性で括ってしまうのは簡単かもしれないが、そこからはみ出るものを社会は許容出来るのか?世間は厳しい目を向けるのではないか?映画の中で描かれた正しさの凶暴性に戦慄するだろう。
終わりに向かい、普通ではないとされる普通が少しずつ湧き出て、溢れて、漏れ出し、あらゆる普通に形を変えていった。
否定に怯えるあなたの側に、分かり合える誰かがいてくれる事を願う。こんな香ばしいまとめ方しちゃうくらい優しくなれる映画でした。
11月10日(金)、全国ロードショー
© 2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会
配給:ビターズ・エンド