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すぐに離してしまうと再出血しやすいため、1分ごとに力を緩めていって、2〜3回で完全に離すのがおすすめだ。
このように圧迫することで、ほとんどの鼻血は止まる。
一回上の方法で試してみて、止血できなかった場合には、15〜20分程度押さえてみてほしい。
鼻を押さえたのに止まらない、と言って救急外来に来る患者の中には、鼻の上3分の1を押さえてしまっている方がいる。
必ず鼻の下3分の1を、押さえるようにしよう。
鼻血の止め方で、実際によくされているが、本当はやめておいた方が良い止め方について解説する。
まずはティッシュを詰めるという方法だ。
これは、鼻の中から出血部位をうまく圧迫できれば効果的だ。
しかし、圧迫できていなければ、血が鼻の奥の方へ流れていき、喉へと血が流れてくる。
横になって休んでいると、血を誤嚥(ごえん)してしまう危険性もある。
また、鼻を冷やす方もいるが、出血に対してはあまり効果はない。
他にも、上を向いて首を叩く方もいるが、これも血がのどに流れてしまうため危険だ。
首を叩くこと自体にも、何も効果はない。
鼻血の中には、どうしても自分で止められないタイプのものがある。
出血する部位が、鼻の奥にある場合だ。
これは、動脈という血管が切れていることが多い。
原因は高血圧や糖尿病、動脈硬化、生まれつきの血管異常などが考えられる。
この場合、いくら鼻の下3分の1を押しても止まらない。
鼻血を止めようとして、30分以上押さえても止まらない場合、あまりにも出血量が多くて心配な場合、ふらつき、めまいが出る場合には無理せず医療機関を受診するのがおすすめだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。