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「広島というとまっさきにショッキングな歴史が思い浮かびますが、こうして街を見ていると、過去のことばかりでなく、今ここで生活している人たちがいて、未来に進んでいるんだなということに希望を感じます」と上白石。
また、旅では14歳の時に入市被爆した93歳の語り部の方に、当時の壮絶な体験を伺う、貴重な機会にも恵まれた。
誌面では、上白石が実際に伝え聞いた戦争体験も収録。
上白石は「平和の大切さを若い人や子どもたちに伝えて欲しい」という語り部の方の思いを受け取り、「強い勇気を持って伝えてもらった気持ちを絶対に忘れてはいけないですね」。
「思いを持続させて、今日だけで終わらせないように考え続けていきたいです」と話してくれた。
旅の終わりには、それまで歴史や情報として知っていた出来事のひとつひとつが、当たり前に、血肉の通った立体的な体験となっていた。
上白石は「写真などで切り取られた1枚にもその周囲がある。旅をしてその地を踏むことで、単なる歴史ではなく、今と地続きの過去の話なのだということが、初めて体内にはいってくるような感覚が生まれました」。
「知れてよかったし、まだまだ知らなくてはいけないなと思いますね」と語った。
上白石萌音との旅は、その体験を通して「平和」という壮大なテーマを、一人ひとりの問題として捉えることの大切さ、そのヒントを教えてくれる。