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しかし、現在は3人に1人が逆流性食道炎で悩んでいると言われている。
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流する疾患だ。
通常、胃と食道の間は筋肉が発達しており、物が通らない時は閉じている。
しかし、逆流性食道炎になると、この筋肉が緩まることで胃酸が食道側に流れてくるのだ。
筋肉が緩まる原因として、加齢、体質、食道裂孔ヘルニアがある。
通常、胃と食道のつなぎ目がは胸とお腹の境界にあるが、食道裂孔ヘルニアだとつなぎ目が胸側にあることで、つなぎ目が緩まってしまうのだ。
他の原因としては、お腹の圧が上がりやすい、肥満、暴飲暴食などがある。
また、胃酸が多く分泌されるような食事をするのも問題だ。
逆流性食道炎の代表的な症状は、胸やけ、みぞおちの痛み、酸っぱいものがあがってくる感じ、のどの違和感などだ。
このような症状は、寝ころんだ時や食べすぎ、飲みすぎの時に起きやすい。
夜寝る前や朝起きた時に、胸やけなどがあれば早めに病院を受診するのがおすすめだ。
病院では、問診や上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)などを行って診断する。
逆流性食道炎には、まずは胃酸分泌を抑えるお薬を用いる。
近年、この分野ではさまざまな種類のお薬が開発されてきた。
そのおかげで、薬物療法だけで症状が劇的に改善する方も多い。
薬物療法でどうしてもコントロールできない際は、手術も検討するが、実際ほとんどの場合、手術することはない。
逆流性食道炎を予防、または改善するのには、お腹の圧を下げるために、肥満や暴飲暴食を避けるのが大切だ。
そして胃酸を多く分泌させないように、お酒、コーヒー、脂肪・タンパク質の多い食事はできるだけ控えるようにして欲しい。
どうしてもコーヒーを飲みたい場合には、食後に飲むのがおすすめだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。