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しかし、医師は全人口の0.2%から0.3%程度だ。
つまり1000人の中で、2、3人だけなのだ。
教育格差もあり、田舎で医師になる人はなかなかいないのが現状だ。
田舎の病院勤めとなると、なかなか都会からは通いづらい。
特に患者が急変したりして夜中や休日でも呼ばれる可能性がある医師は、勤め先の病院の近くに住まざるを得ない。
普段の生活の快適さなどを考えれば、積極的に田舎に住みたいという医師は少ない。
また、子どもがいたりすれば、今後の教育のことを考えたりすると、都会に住みたいと思う医師がほとんどだ。
田舎での勤め先は、ほとんどの場合、同僚の医師数が少ない。
その一方で、田舎は超高齢化社会だ。
2人に1人が高齢者などはざらにある。
そうなると、やはり病気になる人が多い。
外来患者も入院患者の数も多く、それを少ない医師で対応するのでほぼほぼ休みを取れない。
また、休日や夜間でも、患者が直接医師の家まで来て、診てくれるよう要求されることもある。
もし断れば、悪い噂が立ってしまい、住みづらくなってしまう。
その多忙さから田舎から離れる医師もいる。
田舎の医療機関では、同僚の医師がほぼいない。
治療方針に困ったり悩んだりした時に、気軽に相談できる相手がいないのだ。
都会だと、専門科に分かれているのですぐに相談できる環境がある。
医療が専門科で細分化されている現代において、1人ですべての分野をカバーするなんてことは事実上できない。
本当に自分の治療が患者にとって最善だったのかを不安に思うことも多いのだ。
これまでの医療界では、よくある病気を満遍なく診れる医師を養成する動きがなかった。
どちらかと言えば、専門科に分かれて専門性を高める国の方針だった。
そのため、専門科以外の科は診療できない医師が増えたのだ。
数年前から制度が改革され、ひと通り診療できる医師である、家庭医や総合内科医を専門として教育していくシステムができた。
今後の田舎の医療問題の是正に関しても効果が出ることを期待するばかりだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。