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白内障の初期には点眼治療が有効との報告もありますが、一旦進行すれば手術以外に
選択肢はありません。白内障手術では白内障になった水晶体を除去し、かわりに焦点
を合わせるための眼内レンズを目の中に挿入しますが、レンズには単焦点レンズ、乱
視矯正レンズ、老視矯正眼内レンズ(通称:多焦点レンズ)など選択肢は様々ありま
す。老視矯正眼内レンズは遠方から近方まで焦点が合うのが特徴ですが、単焦点レン
ズを選択した場合には焦点が最も合う距離をお一人お一人の生活に合わせて選択する
ことにより、手術後の生活の質が大きく改善します。
近年では乱視矯正レンズや老視矯正レンズが徐々に普及しつつありますが、欧米に比
べるとその頻度は少ないのが現状です。眼内レンズが高額であることがボトルネック
になっていることもありますが、レンズの特徴を正しく理解していない医師が多くい
ることも一因となっています。また先ほど述べましたように単焦点レンズを使用する
としても個別の生活状況(眼鏡やコンタクトレンズの使用の有無、仕事内容、趣味な
ど)を正確に把握すれば、手術後の生活がより快適になるにも関わらず、これらの聴
取が行われずに手術をされてしまう現状があります。
10年前には叶わなかった新しい白内障手術の考え方を日本全国に広げていきたいと考
えています。