NMB48は2月22日から『NMB48 Live House Tour 2016』と題したツアーがスタートした。今ツアーはチームごとに各地を回り、それぞれのチームが内容を考え、独自のカラーを打ち出していくコンサートである。チームMは昨日に引き続き、2日に地元の大阪でコンサートの2日目を迎えた。前日は初めて公開する曲を披露したり、新曲の発売の発表があったりと盛り沢山の内容だった。2日目とはいえ前日と同じような構成でいくことは許されない。もちろんメンバーもわかっていると思うので、ファンもどんなコンサートになるのか想像もついていない。

 そんなワクワクする気持ちで幕が開くのを待っていると、ステージには植村梓がひとりで登場した。前日は中野麗来が独演会を行ったのだが、植村はいきなりDJを始めたのだ。DJではまずAKB48の『会いたかった』を流し、おニャン子クラブの『セーラー服を脱がさないで』、モーニング娘。『LOVEマシーン』などの新旧のアイドルソングを回し、一気にアゲアゲの空気を作っていった。これまであまり知られていなかった植村の意外な一面が垣間見れる瞬間だった。

 この前座で既にテンションは頂点に達するような感じになった会場だが、1曲目はそのテンションを突き抜けるパワーが爆発した『パンキッシュ』だった。しかも村瀬紗英と木下百花がエレキギターを弾いての登場だ。村瀬がギターを弾くのはファンにとって想定内だが、ここで木下が弾くというのは誰もが予想もできなかっただろう。さらに『Good-bye, Guitar』というファンキーな楽曲の流れとなり、普段のチームMとはまったく違う雰囲気を出し、スタートから突っ走ってきた。

 続いて前日に発表されたメンバーがソロで歌うコーナーが始まるのだが、そのトップバッターはキャプテンの藤江れいなだった。藤江は一昨年に大組閣でAKB48からNMB48へ完全移籍となった経緯もあるので、ここでAKB48時代の曲を選曲するのかの興味を持っていた人は多かっただろう。そこで藤江が選んだ曲は『君のことが好きだから』だった。今ではAKB48グループの神曲と言われ、毎年のようにAKB48グループのリクエストアワーにもランクインをして、さらに派生曲としてHKT48が『君のことが好きやけん』として歌われたりもしている。実は藤江はそんな人気曲のオリジナルメンバーである。今ではオリジナルメンバーの半数以上が卒業しているので、オリジナルメンバーが歌うことは、かなりレアケースである。しかも藤江がひとりで歌うなんて信じられなかった。あっと驚かせてくれた藤江の後には、石塚朱莉が『プロムの恋人』、松村芽久未が『抱きしめられたら』、鵜野みずきが『君は僕だ』、谷川愛梨が『愛しさのアクセル』とそれぞれ披露。グループとは違い、ソロだからこその魅力が存分に発揮され、メンバー個々の新たな発見ができたのではないかと思う。

 続いて最新シングル『Must be now』・『ドリアン少年』という流れになるのだが、これって前日の逆? そんな疑問を抱きながら聴いていると、シングル逆リリース順で歌っていたのだ。前日はデビュー曲の『絶滅黒髪少女』から始まり最新曲『Must be now』で終わる流れだった。まさか翌日にその逆をやってしまうなんて誰が想像しただろうか? とにかくすごいとしか言いようが無い。前日と同じ曲ではあるが、流れが逆になるとできることもできなくなってしまうこともありえるので、かなり大変だったと思うが、怯むことも無く、しっかりと逆披露で13曲を歌いきり、ファンを魅了してくれた。

 常に驚かせてくれる展開を作っていったチームMのメンバーたちは、挑戦的な姿勢で新しいことに挑み続けていった。しかし楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、『365日の紙飛行機』『With my soul』を歌いコンサートの幕を閉じた。

 ここでアンコールの声がかかり『青春のラップタイム』『しがみついた青春』などを披露し、さらにダブルアンコールまで行われて、最後は前日の1曲目で歌ったご当地ソング『NMB48』を歌い、最後の最後まで前日との逆転をする流れを作り、見事に逆転コンサートを成功させた。

 破天荒であり発想力抜群のチームMは、何をしでかすか本当にわからないので、次にチームMが行う仙台でのコンサートもさらにグレードアップすることは間違い無いと思うので、大きな期待が持てそうだ。

取材/ブレーメン大島 (C)NMB48

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ