相田奈々(25歳・仮名)

 私は子供の頃から、雪が降るとワクワクして仕方がなかった。雪が降り積もっていく過程や、朝起きてカーテンを開けた時の、雪化粧に染まった街の風景は、何度経験しても心がときめいてしまう。さらに私は、雪にシロップをかけて食べるぐらいに雪を愛していた。だけど思春期を向かえたぐらいだったかな。「雪には空気中の埃や有害物質が混ざっているから汚い」と友達に教えてもらってから、かき氷一筋になった。 

 それで夏はもちろん食べるのだけど、冬こそかき氷を食べなきゃと思うんだよね。今ってかき氷専門店っていう、かき氷だけで勝負している店も珍しくない。だから私がお金を落とさなきゃっていう、かき氷ファンとしての使命感がある。それに今のかき氷ってシロップだけでなく、クッキーやポップコーンとかが氷の上にてんこもりになって乗ってるから、お腹がけっこう膨れるんだよね。小食の私は普通に食事としてかき氷を食べている。

 だからお客さんに食事に連れて行ってもらう時、みんなはお寿司やお肉をリクエストするらしいんだけど、私はもちろんかき氷。相手も安く済むし、喜んでくれるよね。ちなみに好きな氷のタイプは、雪のような独自の製法と絶妙なブレンドで作り出した、優しい舌触りのもの。そんな氷を1年中食べていきたいって思ってる。

(取材/構成・篠田エレナ)

写真・stevendepolo

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ