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日本への本格参入を計画している中国のタイヤメーカー、広州豊力ゴムタイヤ有限公司(WANLI)が15日、幕張メッセで開催中の「東京オートサロン2016」で企業発表会を実施した。登壇した陳(チン・ミャオ)董事長は「日本でタイヤ市場を開拓し、厳しい競争の元、先進技術を競うこの国でシェアの一角を占めたい」と意気込みを述べるとともに、「今後は日本のモータースポーツ業界ともパートナーシップを築きたい」とD1グランプリ(全日本プロドリフト選手権)など、日本のモータースポーツ業界でタイヤの供給やチームの運営に参加したい意思を表明した。
4 輪タイヤのグローバルメーカーWANLIは中国華南エリアを中心に事業を展開するラジアルタイヤの大手国有企業。グローバル化を図り、150以上の国や地域で製品を販売している。この日は WANLI ブランドのフラッグシップモデルであるスポーツシリーズ「SA-302」など自社の主力商品をブースで展示。集まった報道陣やブースを訪れる来場客に積極的に商品をアピールした。
陳董事長は「日本は自動車産業の発達した一大市場。当社のグローバル戦略の中で以前から重要視してきた。日本企業の厳しい品質基準や人材重視の姿勢、業界のプロフェッショナル精神を我々もかねてから学んできた」と述べ、「日本での本格進出をWANLIのグローバル戦略拡大の足がかりにしたい。世界に羽ばたく絶好の舞台だと思っている。日本でタイヤ市場を開拓し、厳しい競争の中、先進技術を競い合うこの国でシェアの一角を占めたい」としみじみ。
従来の低価格だけが売りの中国企業とは一線を画すような新しいビジョンも持っており、「お客様に提供する製品は常に安全性、耐久性、快適性などバランスを重視し、安心感や信頼感を感じてもらえるようにしたい。性能と経済性のバランスをお約束します」と品質重視の姿勢も強調。
しげの秀一のコミック「頭文字D」を以前から愛読しているようで、「日本のモータースポーツの発展をよく表した漫画。タイヤがレースの勝敗にかかってくる」と絶賛すると、日本でWANLIタイヤの品質の良さをアピールする目的から「今後、日本のモータースポーツ業界ともパートナーシップを築きたい。ぜひわたしたちの商品に注目してください」と笑顔を見せた。WANLIタイヤの日本での具体的な事業計画などは今後改めて発表されるという。
(取材・文:名鹿祥史)
【記事提供:リアルライブ】