まずは記事の写真を見て欲しい。

 古いモノクロの写真であるが、晴れ渡った空のもとに緑豊かな山の光景が広がっている。しかし、その空にひときわ目立つ物体が浮かんでいるのが解るだろうか。

 二段構造で下部がスカートのように広がっている、いわゆるアダムスキー型のUFOと思しき物体が山の上を飛行しているのだ!

 この写真は1951年11月23日、カリフォルニア州リバーサイドにてある男性が撮影したものである。撮影者の男性は二人の友人とともに山の稜線上を高速で飛行する『空飛ぶ円盤』を目撃。カメラの準備をして戻ってきてみたところ、まだ山の上を飛行中であったために撮影することが出来たと証言している。

 この写真は本物の写真として公開されるやいなや世間の注目を集め、1952年3月24日にアメリカ空軍が調査に乗り出すまでになった。しかし、軍が撮影者にインタビューしてみると、撮影者は「あの写真は友人らと共に冗談で作成したもの」と告白したのである!

 実は1951年はUFO目撃の歴史の中でも、有名な事件が数多く起きている。1月20日にアイオワ州スーシティ上空を飛行中だった旅客機がUFOを目撃したのを皮切りに、アメリカ空軍中佐がフォートマンモス上空で飛行物体を目撃しレーダーでも捉えた事例や、8月25日から約三週間にわたって多くの人がUFOの編隊を目撃したラボック・ライト事件などだ。

 撮影者たちもこれらのUFO事件にヒントを得て、冗談でUFO写真を作成してみたのだが、様々な報道機関で取り上げられているうちに、自分たちが想像していた以上に大事になっていってしまったのだそうだ。

 あまりにも大きく取り上げられ過ぎてしまったせいか、現在でも一部では「本物のUFO写真」とするキャプションが付けられていることもある。

 このように、UFOに対して「偽物かもしれないけれど、本物が存在して欲しい」と思う人の気持ちが、UFO事件を作りあげるのかもしれない。

文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ