中日ドラゴンズの谷繁元信兼任監督(44)が今季限りでの現役引退をほのめかしたという。一部報道によれば、「気持ちは固まっています。そのときが来たらお話しします」と答えており、来季は監督業に専念することになるとあった。
 「昨年オフの中日OB会でも『球界最多出場の記録を塗り替えたら、監督に専念してほしい』とエールを送られていました。小笠原、和田などのベテランも引退するようだし、中日は若返りを図るようですね」(名古屋在住記者)

 しかし、スンナリとまとまるのだろうか。
 今季の中日は混戦のペナントレースから脱落し、早々に自力優勝の可能性も消滅させてしまった。中畑DeNAの失速がなければ、“一人負け”状態だった。そんな今季低迷の中日を指して、
 「選手補強、チーム編成の責任者はGM。落合GMにも何かしらのペナルティがあるのでは?」
 と、予想するメディアもないわけではなかった。だが、シーズン中に白井オーナーの続投が正式発表された。
 同オーナーは昨秋のドラフト会議終了後も、社会人、大学に偏重した“落合・オレ流の指名選手リスト”について『称賛』のコメントを出している。他に補強らしい補強もなかった。それでも、落合GMの後ろ楯である同オーナーの残留によって、中日内部は「オーナーの続投=落合批判はタブー」の空気に包まれた。

 「一部ベテランが早々に現役引退を表明したように、今オフの中日は大粛清となる。世代交代を急速に進めることになると思うが、単にリストラを進めるだけではチーム再建はできない」(球界関係者)
 中日にとって、頭の痛い話はペナントレースの大敗だけではない。チームの敗戦によって、観客動員数も伸びなかった。こうした状況を指して、こんな再建論もウラで囁かれている。
 「いちばん簡単なチーム再建策は、落合GMに現場復帰ですよ。落合GMの監督時代の勝率の高さは反落合派も認めています」(同)
 2013年オフ、白井オーナーは高木体制でBクラスに低迷したチーム再建案を落合GMに相談した。その際、ゼネラルマネージャー体制を進言し、今日に至ったが、白井オーナーのなかには「落合監督の復帰」もあったという。その後、落合GMは白井オーナーの意を察し、高騰しすぎたチーム総年俸の減額に着手した。

 このまま谷繁体制で行くのか、それとも、いったん落合GMを現場復帰させるのか…。落合GMが現場復帰すれば、大掛かりな補強をやらなくても『勝てるチーム』になるだろう。そして、谷繁を自分のそばにおき、帝王学を学ばせる。適当な時期に再び谷繁にチームを委ね、自身はGM業に帰還する。谷繁兼任監督からは現役引退を匂わす発言が出たものの、来季の構想については何も語られていない。その無言が、“フロント改造”がウワサを加速させているのだ。

 「中日スカウトの動向も奇妙なんです。お膝元ともいえる県岐阜商の高橋純平投手は絶対に欲しいはず。少なくとも、『地元意識』で競合覚悟で1位入札に参加しなければ、地元ファンは納得しないでしょう。なのに、大学の秋季リーグ戦にベテランスカウトを派遣しています」(在京球団職員)

 ドラフトに関する方針も二転三転しているようだ。落合GMはどんなチーム再建案を打ち出すのだろうか。

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ