9月8日の対巨人戦が『雨天中止』となった時点で、阪神は同18日から29日まで、『12連戦』を戦うことが決まった。
 「営業的にはオイシイのかもしれない。阪神は優勝争いに絡んでいるわけだし」(在阪メディア人の1人)

 消化試合といえば、クライマックスシリーズがあるので、2、3位のチームはその進出権を懸け、最後まで全力で戦わなければならなくなった。ただ、今季のセ・リーグが混戦となった理由は、6球団がだらしなかったから。その反省は今オフの補強、秋季キャンプで補うことになるが、12連戦なんて“強行日程”はちょっと異常である。こちらは、シーズンオフに『プレミア12』の国際大会に参加するために諸々の行事も前倒しとなり、NPB側にも「このあたりの日程まで、公式戦を終わらせておきたい」との“都合”もあるそうだ。そう考えると、阪神のようなドーム球場を本拠地としないチームは不利である。

 「8月末の広島戦が雨天中止になったとき、その代替日がペナントレース終盤に組み込まれ、10連戦が決定しました。9月に入れば台風の影響もあるので、和田監督(豊=53)は日程的にさらに苦しくなるのは覚悟していたはず」(前出・同)
 12連戦の日程表は改めて見てみると、阪神はやはり『不利』である。

 9月18〜19日=横浜スタジアム
 同20〜21日=甲子園
 同22〜23日=東京ドーム
 同24日=ナゴヤドーム
 同25〜27日=マツダスタジアム
 同28〜29日=甲子園

 これに対し、ライバル巨人は同じ9月18日から7連戦を戦うが、屋外は同18日から2日間だけで(神宮球場)で、ナゴヤドーム2試合、東京ドーム3試合と“雨天中止”にならない屋内球場での試合が続く。
 もっといえば、対戦チームでも“苦手”との試合を多く残してしまった。12連戦中、DeNA戦3試合、ヤクルト戦2試合、巨人戦3試合、中日戦1試合、広島戦3試合。阪神が勝ち越しを決めているのは、DeNAと中日の2球団。つまり、5位と6位だけだ。東京ヤクルトとは12勝10敗でほぼ互角(14日時点)。負け越しの決まった巨人、相性の良くない広島とは6試合も残しており、ここに12連戦中、主催ゲームが『4試合』しかない“強行遠征”ぶりを重ねると、「今年も終盤戦で失速か!?」と思えてしまう。

 前出の球界関係者がこう言う。
 「9月8日の巨人戦を雨で流したとき、和田監督は『今日はどうしてもやりたかった』と思っていたのでは…。実は前日の7日、阪神ナインは休日返上で全員練習をやり、士気も上がっていたんです。まさに水を差されたようで…」
 かつて、阪神には高校球児に甲子園球場を明け渡す夏の高校野球シーズンに大きく負け越す傾向があった。「遠征先の宿泊施設も充実し、交通の便もさらによくなり、選手の負担も軽減された」と、8月の死のロードは完全に死語となっている。しかし、近年の終盤戦に負け越す傾向は、こうした『終盤戦の詰め込み日程』にも影響しているのではないだろうか。藤浪の登板間隔を狭めて臨むようだが、阪神は多くのハンディを抱えている。

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ