お墓を購入する際に必要な費用は、永代使用料(土地代)+墓石工事費です。そのうち、永代使用料は明瞭にされていますが、墓石工事費はハッキリしないように思われがちです。

 それはなぜなのか? 墓石工事費は墓石、彫刻費用、施工・工事費によって構成されるため、お墓ごとに料金が変わってくるため、一口にいえない事情があるからです。

 単純に墓石だけでも、石材の種類、石を使用する量、石材加工費によって料金が変わってきます。

 石には国産、外国産を含め数多くの種類がありますが、有名なブランド石はやはり高くなります。また、一般的には石の目が細かく、密度の濃い黒い石は高価です。

 石材加工費は、単純な場合は安いのですが、細かく特殊機材を使用する場合は高くなってしまいます。

 彫刻費用は、石材の種類、彫刻方法、彫りの深さと削る量によって料金が変わります。石材の種類には硬度の高いものと低いものがあり、当然硬い石ほど削る時間や職人の技量が必要なため、必然的に料金が高くなるわけです。彫りが深い場合も同様で、削る量が増えれば料金も上がってしまいます。

 施工・工事費は、石の種類、区画の大きさ、建てる場所の立地条件によって変化します。石は種類によって、同じ大きさでも重い石とそれほど重くない石があります。人間が作業するわけですから、重い石を使い、かつ大きな区画になると、時間も人手も必要となり、料金も高くなります。

 また、墓石には和型、洋型があり、ともにさまざまな形式があり、オリジナルにデザインしたオーダーメイドのものを作ることも可能であるため、最近は多種多様で、選択肢も広がっています。

 墓石工事費はこういったさまざまな要素で決まるため、一口で言えない事情があり、一般的に分かりづらいと思われてしまいがちです。

 都内の某石材店によると、「確かに一般的に墓石代は分かりづらい面があります。希望を伝えた上で、見積もりを取って、最終的に契約、施工する信頼できる石材店を、お客様ご自身で選択するのが良いでしょう」と話す。

 墓石代は、おおむね100〜300万円くらい。平均すると150万円くらいといわれています。決して小さな出費ではありません。霊園によっては、石材店を指定している場合もあるようですが、慎重に選択したいものです。

(山本 生道)

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ