松尾貴史(2013年1月撮影)

俳優の松尾貴史(65)らが27日までにX(旧ツイッター)を更新。シンガー・ソングライター加藤登紀子(81)の出生地をめぐるSNS上の一部投稿に言及した。

話題となっているのは、理学博士の高田純氏による25日のポスト。加藤が出生地である中国黒竜江省ハルビンで“里帰りコンサート”を行ったとの記事を引用し、「加藤登紀子さんって チャイナ生まれだったんですね 反日行動 いろいろ不可解でしたが納得しました ただし国籍は日本 こころはチャイナ」とつづった。

このポストにはコミュニティーノートによる「『チャイナ生まれ』は事実誤認:加藤登紀子氏が生誕した1943年当時のハルビンは日本の傀儡国だっだ満州国内です」との説明が補足された。また、X上では批判の声も少なからずあがり、エッセイストの藤井セイラ氏は「加藤登紀子さんのことを『チャイナ生まれ』と書いて差別しようとする投稿を見ましたが、それでいうと小澤征爾も赤塚不二夫も梅宮辰夫もなかにし礼も佐伯チズも浅丘ルリ子さんも草野仁さんも坂東英二さんも、みなさん満州国のお生まれですね」と指摘。そして「ちなみに満州国なのか中国なのかにかかわらず、どこで生まれたか、どこの国籍かなどで差別するのはいけないことですよね。彼ははたしてパリ生まれやニューヨーク生まれの女性に対しても『パリジェンヌか』『ニューヨーカーかよ』などとおなじことをいってバカにしようとするのだろうか?と思います」と疑問を呈した。

映画評論家の町山智浩氏も、高田氏のポストを引用し「これにレスして『加藤登紀子は中国人』と言ってる連中がハルビンが日本の植民地・満州だったことも知らない、本当に本当にひどい人たちなので、何とかしてください。あまりにひどすぎる。日本はもうどうかしてる」と憤り、「加藤登紀子さんが生まれた1943年、ハルビンは日本の傀儡国家だった満州の都市で、つまり政治的には日本で、満州には日本人が150万人も住み、加藤さんの父は関東軍特務機関や南満洲鉄道に勤務した日本の政府職員でした。登紀子さんは終戦時2歳で日本に引き揚げました」と解説した。

松尾は藤井氏のポストを引用し、「上方落語中興の祖、桂米朝師匠も大連のお生まれですなあ」とした上で、「本人が選択できなかったことを差別の材料にしようとする下衆の投稿など読むに値しませんが」と高田氏のポストを批判した。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 加藤登紀子の出生地めぐるSNS投稿 松尾貴史らが「差別」と批判「日本はもうどうかしてる」