“2世落語家”の桂米團治と桂春蝶、「国宝」絡めて笑い誘う 大阪落語祭開幕
上方落語の祭典「第6回大阪落語祭」が26日、大阪市の国立文楽劇場で開幕した。
トリを務める予定だった桂文枝が都合のため休演となったが、桂福団治が代演。「ねずみ穴」を演じた。ほかに、笑福亭喬介、桂米團治、桂文珍、桂南光が高座を務めた。口上は期間中、各公演でトリを務める笑福亭喬若、林家菊丸、桂春蝶、月亭方正、桂米紫、桂吉弥、桂かい枝、桂南天、笑福亭銀瓶、笑福亭鉄瓶が登場し、笑福亭仁智が司会を務めた。
米團治はまくらで「落語は世襲じゃない。これが落語の世界の美しいところでございますが、私、血縁で生まれてしまいまして。親がそんじょそこらの親じゃなくて、人間国宝の桂米朝。そこの長男をやらせていただいてる」と自虐的に話しながら、「落語界は本当に世襲が少ないですが、向上にもう1人世襲がいます。春蝶君です。ただ、彼はそんなに(父親のプレッシャーが)きつくない」と紹介。
すると、舞台袖から春蝶がずかずかと登場し、米團治にクレームを入れて盛り上がった。
米團治が歌舞伎好きの商家の若旦那を描いた落語「七段目」を演じた後に、高座を務めた文珍は「映画の『国宝』が流行ってますけど、横浜流星君の影響を受けたんですかね。いつもより“くさかった”ですね。それを米朝事務所の社長が言うてました」と引き取って、観客の笑いを誘った。
さらに、春蝶も口上で「アカン方の2世でございます。最近、『国宝』という映画を見ました。上方落語界の米團治さんにひと言言いたい。『米朝の血がほしい』」と、「国宝」を巧みに絡めてオチをつけていた。
大阪落語祭は31日まで。85名以上の落語家が出演する。