伝説のジャンプ編集者「ドラゴンボール」テーマパーク記事内容で質問も「驚くべき答えが」
「週刊少年ジャンプ」の元カリスマ編集者、鳥嶋和彦氏が23日深夜放送のJ-WAVE「TOKYOM.A.A.D SPIN」に出演。
鳥嶋氏は「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」などの作品で世界的な人気を誇った漫画家の鳥山明さんをデビューに導いたことで知られる。このほど「『ドラゴンボールのテーマパークは作るべきじゃない』伝説のジャンプ編集長がサウジの計画に大反対するワケ」の見出しが付けられたインタビュー記事が公開されていた。
鳥嶋氏は記事について事前チェックなどができるとした、取材趣意書があったと説明。「今回、僕に全くチェックの依頼もなくアップされた。その上で載ったものが、突然サウジアラビアのテーマパークっていうのが取材の話題の中でいきなりふられて、なおかつ僕が『個人的に賛成できかねる』って言ったら畳みかけるように質問が出てきている。で、見出しが『大反対』、『吠える』。『吠える』っていうのは大声で叫ぶとか、そういう意味だと思うんですよ。あたかも僕がテーマパークに怒っていて、以下のような発言をするというような、そういう取材態度、取材時の雰囲気がっていうあおりになってるんですね。非常に見て戸惑った」などと主張した
鳥嶋氏はその上で「今にして思えばえ、こちらサイドにもいくつかのい判断ミス、甘さがあった。まず、ダイヤモンドってことで、集英社時代、何年かにわたって、東洋経済とダイヤモンドっていう雑誌を愛読してきて、データを緻密に載せてやるキチっとした経済雑誌だなっていうイメージがあって。それから2年前かな、『最強漫画術』っていうことに関しての取材で、ダイヤモンドから出ている『zai』っていう雑誌の取材を受けて。それは原稿のチェックもさせてもらったし、非常に編集がきちっと対応してくれて、上がった記事も良い記事だったので、信頼があった。そういうイメージだから大丈夫だろうと受けてしまった」と経緯を明かした。
鳥嶋氏は「ところが実際は今になって調べてみて、聞いてみればダイヤモンドって雑誌は今年初めには紙の雑誌は休刊になっていて、オンラインしかないと。オンラインの記事も見てみると、僕の記事だけじゃなくて見出しがエキセントリックっていうかな。読ませるためのものの見出しの付け方で、あれって思う物が散見される。僕の判断ミスが1つと」と理由を明かした。
また鳥嶋氏は「それから、版元の小プロ(小学館集英社プロダクション)の担当編集の方から『漫画ファンとか、鳥嶋さんのファンはボツを買ってくれているけれど、ビジネスマンにもっと知って買って欲しい』とプロモーションをかけて、取材をお願いしたいと動いてくれた。この前後に東洋経済とか、日経、取材を受けて。東洋経済は紙が、まだあり、事前チェックもきちっとできた。そういう意味では満足のいく取材、記事の上がりだったんですね。ここに関して、この(ダイヤモンド)取材と記事だけは非常にまずかった。で、ここでもっとダイヤモンドって名前とか潜入概念にとらわれずに、記事の内容をオンラインのものを見て、判断するべきだった」と語った。
鳥嶋氏は「今冒頭に言った事前チェックがなぜできないのか、それからなんで僕が言ってもいないような『吠える』というような過激な表現で見出しを付けられるのかというようなことを小プロを通じてダイヤモンドオンラインの編集に聞いてもらった」と明かし、「そうしたら、驚くべき答えが返ってきて、『この趣意書を見ていない。ライターが勝手に書いて送ったもので、私はあずかり知らないことだ』と。ずっとライターの人がやりとりしてて、編集は取材が終わったあとに写真の素材が必要だとか、そういうことで出てくるわけですよ。なおかつ『ライターが勝手に私のあずかり知らないところで私の知らない文言の趣意書を送って、私もびっくりしています』と。編集の役割を果たしていない。編集長から命を受けて、こういう取材をします、こういうの載せます、と言ってライターを発注して使うってことであって、ライターが編集の代わりをするってことはあり得ない。で、おまけにその後、ライターが趣意書を送るときにコピペをいいかげんにやったために、事前チェックっていう文言が他の企画にはあって、この企画では想定されないのに、それが残ってしまったというね。丸投げした上におまけに趣意書をちゃんと見ていなくて、全てライターのミスだって言って。でおまけに、もう一つびっくりしたのは、『鳥嶋が吠えた』っていうのは。私(ダイヤモンドの編集)が付けましたと。この『吠える』っていうのは僕もさっき辞書で調べましたけど、大きな声で叫ぶ。この『“吠える”というのは大声で怒鳴るという意味ではなく、メッセージ性の強い主張をするという比喩表現として使用いたしました』。こんな日本語の使い方初めて知りましたよ。説明のメール文面に約10タイトルくらい、『いろんなネットの記事で以下のような使用例を念頭に置いておりました』っと。『比喩ではなく、本当に大声を上げたように誤解する方もいらっしゃるかもしれませんので』って。ちょっと待ってって。あなたの記事ですよね。あなたが編集ですよねって。あなたが書いたキャッチコピーですよね。それを他の人の事例を使って、言い訳するってあり得ない。編集長、編集部は何をチェックしているのか」と異議を唱えた。