林家木久扇(2024年9月撮影)

落語家の林家木久扇(87)が15日放送のBSフジ「プライムニュース」に生出演。自身の戦争体験を元に「平和」について語った。

小学校1年生の時に終戦の日を迎えた木久扇は、空襲に遭った体験などを回想。「忘れもしない(1945年)3月10日の大空襲。都民が10万人、亡くなられた。私の家も爆弾が落ちた」などと語った。

キャスターの長野美郷から「平和というものを守るためには何が必要なんでしょう」と聞かれると、木久扇は「平和、平和というのは簡単ですけれども、だからと言って、自分の国の国力が、税金を上げて新しい兵器とか、兵士を募集して国を強くする、という競争していったら、戦争はいつまでもなくなりませんよね」と指摘。「次の世代の人たちが、そういう大きいことを考えているのかどうか。今の若い人たちを見ていると、本当に心配ですね。日本はどこかの国に乗っ取られちゃうんじゃないか、なんて思うくらいで、ちょっと恐ろしいです。戦争のことを本当に、若い人に知ってもらいたいですね」と語った。

さらに長野から「日本だからこそできること」を問われると、木久扇は「『大変な目に遭った。爆弾、兵器づくりをやめましょう』と言ったって、やっている国がほとんどですから。日本1人で『平和、平和』って言ってもしょうがないんですね」とコメント。「うちのカギを開けたまま『うちは犯罪と関係ないですから、どうぞどうぞ』と言っているのと同じで、カギをかけないで、カギが必要なのに…という状態が日本の状態だと思っています」と例えをまじえて私見を語った。

木久扇は「守りということを全然考えてなくて、善意だけを人に押しつけて、いい人なんだから、そっちも悪い事をしないでね、と言っている状態だと、今は思いますね」と結論づけ、長野に「性善説に基づいている状況じゃないか」と補足されると「そうです。全くその通りです」と応じた。

木久扇は最近、高3の孫と戦争の話をしたことも告白。戦争とは何か、と孫に聞いたところ「飛行機が飛んできて爆弾落とすんでしょ」と返され、その先を聞くと「『そんなこと分からないよ』って、関心がないんですね」と、孫の言葉を紹介した。木久扇は神妙な表情で「若い人に、戦争体験、戦争の恐ろしさを伝えるのは、すごい大変。あんなに簡単に思っているのかと、恐ろしくなる」と、胸中を吐露した。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 林家木久扇「日本はどこかの国に乗っ取られちゃうんじゃ」戦争体験告白で「若い人見てると心配」